還暦直前に心臓弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症弁形成術体験記)

還暦を目前にして滋賀医大の浅井徹先生の執刀で僧帽弁形成術を受けました。
私の体験が同病の方の参考になれば幸いです。

原発の発電効率は高くない

2011年04月08日 | 雑記帳(その他)
効率の高い原子力発電という内容が新聞などに散見されていますが、火力発電に比べ原子力発電の効率は決して高くはありません。

原子力発電では熱出力が電気出力の3倍と書かれていますが、つまり核分裂によって発生する熱の1/3が電気に変換されるわけです。残りの約2/3は熱のまま海などに捨てられています。
この場合効率は33.3%になります。
約と書いたのは発電所の運転そのものにも大きな電力が必要なためです。

石油やLNGによる火力発電は燃料をボイラーで燃やし、そのガスでガスタービンを回し発電します。この時のガスの温度は1000℃を超えています。
タービンを回した後のガスは捨てるのではなくて、水を温め水蒸気を作ります。この水蒸気は600℃くらいとかなりの高温で、乾いた質の良い蒸気です。この蒸気で蒸気タービンを回し発電します。このように燃やしたガスを使い回すので、現在の火力発電は効率が50%を超えるものもあります。1970年代でも既に40%は超えていました。熱のように質の悪いエネルギーを最高に質の良いエネルギーである電気に変換するのに効率が50%を超えるのはすごいことです。

原子力発電ではウランの核分裂による熱で水蒸気を作りますが、火力発電ほど高温の蒸気ではありません。そのため湿気を含んでおりタービンを回す前に湿気を取り除く工程が必要です。
あまり高温に出来ないのは高温にしようとすると圧力容器をさらに強化しなければならず、パイプなどから放射性を帯びた蒸気が漏れるリスクも増大すると考えられます。そのリスクを少なくするためあまり圧力を上げられない、低めにして安全のマージンを稼いでいると考えています。
原子炉の安全性と発電効率は多分二律背反なのでしょう。