豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

鍬本實敏 『警視庁刑事』

2009年07月10日 | 本と雑誌

 高村薫『マークスの山』に献呈の言葉が載っている「鍬本實敏氏」のことを、「この献呈の辞もフィクションの一部ではないか」などと以前に書いた。

 しかしグーグルで検索して、鍬本實敏氏は実在の警視庁刑事だったことを知った。
 そして、鍬本實敏『警視庁刑事--私の仕事と人生』(講談社文庫)を、アマゾンで買った。

 巻末に、高村薫や、宮部みゆきの著者にまつわる思い出話が載っていた。
 いろいろな推理作家の、警察の捜査活動などに関する知恵袋的存在だったようだ。
 本職から観ると、高村『マークスの山』の合田などは、まだ「青くさい」刑事らしい。
 
 彼女たちのレベルになると、講談社の編集者が彼に会わせてくれらしい。
 二流の推理作家が、元刑事の手記などを参考に警察の捜査を描いても、とても及ぶべくもない。
 ただし、6年間(!)にわたって彼から学んだことは、刑事という生身の人間であって、警察組織や警察官については何も調査をしたことがないという高村薫の言葉は印象的である。

 * 写真は、鍬本實敏『警視庁刑事--私の仕事と人生』(講談社文庫、1996年)の表紙カバー。

ジョージ・ルーカス “アメリカン・グラフィティ”

2009年07月10日 | 映画
 
 先日、吉祥寺のヨドバシカメラで買ったDVD、“アメリカン・グラフィティ”を観た。

 久しぶりである。
 懐かしかったのは当然として、意外だったことをいくつか。

 1つ。主人公、リチャード・ドレイファスの愛車がシトロエン2CVだったこと。まったく記憶になかった。
 メイキング映像の中でルーカスが語っているように、この映画は60年代のアメリカのクルマ文化が背景になっている。
 シトロエン2CVは、“後に作家となるような田舎町の青年の乗るクルマ”という記号として描かれている。
 そもそもシトロエン2CVが60年代のアメリカに輸入されていたこと自体が意外だった。

 2つ。何と、ハリソン・フォードが端役として出演していた。メイキング映像に登場しなかったら、見落としていた。

 3つ。メイキング映像は見ないほうがよかった。主要な俳優たちの現在の姿が出てくるのである。
 リチャード・ドレイファスはたまに見かけるので覚悟していたが、それ以外の俳優は見たくなかった。
 “アメリカン・グラフィティ”は青春映画である。あの映像のまま封印しておいたほうがよかった。
 女の子たちは、それなりに歳を重ねて妙齢の女性になっていて、あまり老けた感じはしなかったのだが、スティーブ、テリー、ミルナーは、それこそ「観るなー!」・・・。

 * 写真は、“American Graffiti -- アメリカン・グラフィティ”(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)のDVDから、カートの愛車シトロエン2CV。
 街を流す白いサンダーバードに乗った美女をカートが待っているシーン。