曇、20度、85%
最近、和菓子がバラエティー豊かになったように思います。練り切り、おまんじゅうと昔からの作り方は変わらないのに形や色にハッとするものが店先を飾っています。和菓子ですから季節を映し出すお菓子です。素材にチョコレートや洋菓子に通ずるものを使った和洋折衷の和菓子まで、今までにない楽しい和菓子が作られています。
先日頂戴した素敵な色の小箱は横文字で「nikiniki」とお店の名前が書かれています。開けると和菓子によく使われる透明な入れ物に「これ、何?」とまじまじ見つめるものが入っていました。食べ物には違いありません。白っぽい方はキュウリのようなものを持っています。青い方は「機関車トーマス」のようにも見えます。 手にとるとブニョブニョ。匂いを嗅いでも何も匂いません。「?」ちょっと奇妙です。白い方は「河童」だと気付きます。
京都のお土産物は多々ありますが、昔からの定番は「生八ツ橋」、シナモンが香る薄い皮にほんのり透けて見える餡がほどよい甘さのお菓子です。八橋の老舗「聖護院八橋」が新しい和菓子の店を作ったのが「nikiniki」だそうです。つまり、この「河童」のお菓子は八橋の皮と同じ素材ですからブニョブニョしています。中は 白餡が入っていました。口に入れてクチャクチャ、「生八ツ橋」を思い起こすお味ではありませんが確かに和菓子です。「河童」を真半分に切るのはちょっとかわいそうな気がしました。
青いコントラストの強い方は何だろう?これはどうも「山鉾」のようです。今年はコロナのせいで中止となった「祇園祭」に飾られる「山鉾」です。「山鉾」を半分に切ると 小豆餡が入っています。「河童」同様ブニョブニョ、お口に入れてクチョクチョ。ほんのり小豆が香ります。
「生八ツ橋」と違い皮が厚いので八橋のお菓子だとは気づかないかもしれません。でも見た目のインパクトは非常に強いお菓子です。お茶菓子に小皿に乗せられて出て来たら、何方だって私のように首を傾げながらまじまじ見るに決まっています。
創作和菓子、作る人の想像の世界を楽しみます。「nikiniki 」のネーミングはシナモンを「ニッキ」と呼ぶところからつけたのでしょうか。この小さな和菓子にも少し「ニッキ」の香りが欲しいと思いました。