晴、11度、67%
園芸店やホームセンターに冬から春まで咲き続ける色とりどりの「花苗」が並び始めました。今からクリスマス、お正月と「花苗」の数は増え庭仕事の好きな人にとって一番楽しみな季節です。
30年間日本を留守にしている間に園芸品種の草木の種類が目覚ましく増えていました。名前まで洋風に付けられています。遺伝子段階での品種改良です。花の色数も増えました。そして帰国して7年、毎年新種の草木が登場します。ハイブリットな植物たちです。
私も春まで咲く「花苗」を買いに園芸店へ足を運びます。見るだけでも楽しいのでまるで娯楽です。自分で種まきするとやっと芽が出たかなというこの時期に、「パンジー」などは花をつけて売られています。温度管理で早期栽培です。素人はここまで出来ません。子供の頃「パンジー」は、「すみれ」と呼んでいましたが、春に咲く花でした。淡いピンクの「すみれ」なんてありませんでした。色数が増え、冬の寒さにも雪にも耐える新種の「パンジー」たちです。「パンジー」を一回り小さくした「ヴィオラ」も帰国後初めて見ました。そしてその「ヴィオラ」より小さな「フィーリー」と一部で呼ばれる品種が一昨年から出ています。
どの苗を買おうかな?と店を歩くと同じ「パンジー」でも大きく2つの値段付けがされています。安い「パンジー」の苗、うんと高い「パンジー」の苗。その値段差は4倍近くです。 高い方の苗です。一見すると高い苗も安い苗も違いはありません。種を蒔き、温度管理をしてここまで育てるのは高い方もお安い方も同じ手間がかかっています。ただ「種」の品種の違いでしょうか?いつもこの値段の格差を見ると腹立たしく思います。園芸農家の人の手間を考えるとここまで値段差をつけなくてもいいのでは選ぶ手が止まります。「花苗」だけに限らず「野菜苗」も然り。高い苗は「サントリー」や大手の種糧会社の名前入り、つまり「ブランド苗」です。
値段の格差に憤りつつも私が選ぶのは高い「ブランド苗」の方です。安いものも高いものも育てました。大きく違うのは花付き、枝付き、花の寿命の長さです。値段差がはっきりと出ます。実感しているので高い「ブランド花苗」を求めます。
土日の夕方に園芸店に行くと「パンジー」などは売り切れているものが多くあります。どれも高い苗です。大量に植える方は安い苗をトレーいくつで買って行かれます。
春になると同じ現象が「トマト」や「きゅうり」苗に見られます。安い「苗」を育てようと一旦思うのですが、大手の名札に書かれた「丈夫」「虫がつかない」「初心者向き」の言葉に釣られます。
「花苗」は育てた人の日々の気持ちがこもっています。安かろうが高かろうが育てた人の手を感じて大きくしてやらねばと思います。見出し写真は安い「パンジー」の苗です。
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