曇、8度、60%
歳と共に好みが変化するもの、全く変わらないと思うもの様々です。私は服に至っては白、黒、紺ばかり自分でもうんざりします。毎日使う食器も派手な柄物はありません。そんな中、色目のはっきりした九谷焼の器が2つあります。「青手」と呼ばれるものです。
すでに30年以上使っているのに最近この2つを手にすることが多くなりました。30代で求めたと思います。九谷焼の「青手」と呼ばれる焼き物は赤い色を使わずに「青」を器の主流に使います。日本の「青」は緑色です。その「青」に九谷の黄色、紫、群青を使った焼き物です。昔からの絵紋は花鳥や目出度い柄で重苦しさがあります。なぜこの2つを求めたのか、器についてはどこでいつ頃求めたかその時の気持ちまで覚えています。文様が昔風ではありません。重苦しさがなくスッとどこか抜けた「青手」です。深みのある皿の文様は、書き手がペルシャ旅行の後に影響を受けて描かれたものだと店の店主に聞きました。ペルシャの建築文様です。色は九谷の「青手」でありながら文様が違うだけでぐっと変わります。
小さな「平盃」 これは2枚あります。盃ですが小皿として使うことが多く、お菓子をのせたり、お刺身の「醤油皿」として登場します。花芯が黄色で白の花弁、「白椿」かしら?とそのときどき自分の好きな花に重ねます。
「青手」は「吉田屋」という別称も持っています。「吉田屋」は窯の名前だそうです。「青手」は器全部を塗りつくします。裏も文様が入り土肌は見えません。
大きな方の器を買った当初はこの器を使いこなせるかと心配でした。目立ちすぎます。のせる料理より強い色目です。最近では何にでも使います。調和してるかというと?疑問ですね。好きだから使っているのです。
昔は金沢の裕福な人が所有したという「青手」、昔からの柄の写し物も出ています。鷹や菊花が描かれた「青手」は今も苦手です。「青手」を本当に自分のものとして好きになるのに30年もかかりました。
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