曇、18度、84%
4年前日本に帰国して大きく私の生活で変わったことは、庭仕事が生活に入って来たことでした。30年、高層のマンション暮らし、土から離れての生活でした。せいぜい、プランターでハーブを育てるぐらいが土いじりです。そんな30年の間、読んでいた本は「庭作り」の本が幾冊もありました。自分が求めたもの、主人が日本からのお土産で買って来てくれた「ベニシアさんの本」「ターシャの本」ここに挙げている本以外にもまだ数冊あります。
4年前の冬、大きな木をいく本も切った寒々とした庭が私の目の前にはありました。さあ、何から手をつければいいのか、どこに行けば苗や種が買えるのか、生まれ育った家ですが30年の空白は大きく広がっていました。コツコツです。寒い中はびこっていたツタを取り、春になってやっと花苗を求めて植えました。主人は芝の植え付けをしてくれました。でも大半は私の仕事です。日当たりは季節によって変わります。土質は四面ある庭それぞれ違います。考えるより手を動かす方が先です。季節は巡ります。木々は葉をつけ落ち葉を作ります。考えるより動くことです。そうして、4年間が過ぎました。
好きな木を植えました。欲しかった草花の種を蒔きました。「オリーブの木」は最初に裏庭に植えた木です。私の背もなかった「オリーブの木」は4メートルを越すほどに成長しました。この春、高くなり過ぎた分を切り落としたのも私です。暖かくなると休んでいる暇はありません。せめて冬の間は庭と一緒にじっとさせてもらいました。
この4年間、「庭作り」の本を読んだことなど思い出しもしませんでした。海の上を行ったり来たりした本たちの中に「庭作り」の本を見つけてページをめくったのはつい最近のことでした。懐かしい写真の数々、マンション暮らしの中で私が夢見ていた「庭作り」でした。
「5年はかかる」と心に言い聞かせて始めた「庭作り」です。2年目には隣の家の跡地も買い足しました。今年4年目、5年まであと一年ですが、もう少し時間がかかりそうです。まさか自分の実家の庭に戻ってくるとは思ってもいませんでした。私より年取った木々たちに見守られながら、土と向き合う毎日です。
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