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チクチク テクテク 初めて日本に来たパグと30年ぶりに日本に帰ってきた私

大好きな刺繍と大好きなパグ
香港生活を30年で切り上げて、日本に戻りました。
モモさん初めての日本です。

朝顔が咲きました。

2020年07月21日 | 

曇、29度、88%

 昨日の福岡は34度を超えました。暑い一日の始まる早朝、座敷の雨戸を開けました。外は日が昇ったばかりです。座敷外のフェンスに群青色のものが目に留まりました。

 友人が大きく花をつける「朝顔」の種を送ってくれたのは帰国して間もない3年前の春でした。小学の低学年で初めて植物観察で種を蒔く「朝顔」です。気軽に種を蒔きました。ところが発芽しないまま、次の年も種を送ってくれました。また発芽しませんでした。昨年は「朝顔」の種を買い求め注意深く蒔きました。8粒の「朝顔」の種は全部発芽して、花をつけてくれました。やれやれです。十二月までポツポツ花を咲かせました。いよいよ、お正月を迎えるのでフェンス周りの掃除で「朝顔」を始末しました。花を咲かせている植物を取り払うのは胸が痛みます。もちろん種をたくさん取り置きました。四月も終わり頃、フェンスのあたりに可愛い新緑が芽生えました。少し成長するとあの「朝顔」の葉っぱです。数もかなりの新芽を一つも抜かずにそのままにしました。ぐんぐん成長してフェンスに蔓を伸ばします。昨日やっと花を咲かせました。やや濃い群青色です。夏の日差しの中、目に涼やかな色です。

 同じ友人が「朝顔」の種と一緒に送ってくれたのが「フウセンカズラ」の種でした。「フウセンカズラ」は初めの年からうまく芽が出て風船をつけました。花は小さな白い花、気付かぬうちに緑の風船になります。「フウセンカズラ」は翌年から「こぼれ種」から芽生えます。今年で4回目。今年もすでにたくさんの緑の風船が揺れています。 

 座敷の外のフェンスには、「朝顔」と「フウセンカズラ」の蔦が絡まり緑を濃くしています。「こぼれ種」から芽生えた「朝顔」と「フウセンカズラ」です。昨日は縁側に座り、その緑をぼんやりと眺めていました。帰国して3年が過ぎました。「こぼれ種」の恩恵に預かれるようになりました。3回の四季の巡りをこの庭と共に過ごした証です。じんわりと嬉しさが胸に湧き上がります。一年一年を重ねることの重みです。

 結局、今年は「朝顔」の種を蒔きませんでした。手元には「朝顔」「フウセンカズラ」の種がたくさんです。たくさんあるのにこの秋もまた「朝顔」と「フウセンカズラ」の種を大事に集めると思います。

 

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ニュージーランドの「ベルちゃん」

2020年07月20日 | 日々のこと

曇、28度、88%

 私のインスタグラムには世界中のパグの写真が次々に入って来ます。ウクライナ、クロチア、イギリス、フランス、アメリカ、ウガンダ、シンガポール。とにかく世界各地のパグの写真です。世界中ですから、この時期でもコートを着て登場するパグもいます。国によって、パグの飼い方も違います。アメリカの山の地方に住む2匹のパグは、毎日山登りです。とてもココさんに出来る技ではありません。深い雪の中を突き進むパグはウクライナ。体型も違います。アメリカ、ヨーロッパのパグはアジアのパグより大きく思います。私は毎日たくさんのパグの顔を見ています。そして、会ったこともないのにそうしたパグたちが亡くなった報せを受けると、心が沈みます。

 ニュージーランドに私のブログから知り合った友人がいます。彼女がまだ台湾にいた頃、香港にいた私の元を息子さんを連れて会いに来てくれました。我が家の先代モモさんには会ってくださっています。長いお付き合いになりました。ニュージーランドに移り住みもういく年が過ぎたのでしょう。冬に変わり行くこの季節が辛いと言っていた彼女です。その彼女から昨日パグの写真が送られて来ました。まだ9週間の「ベルちゃん」。彼女のお家の大家さんの新しい家族です。彼女自身は猫好きで、長年猫と暮らしています。

 ニュージーランドに移り住んでもパグの姿を見ると写真を送ってくださったり、モモに珍しいパググッズを送ってくださっていました。その彼女のすぐ近くにやって来た「ベルちゃん」です。興奮気味にその様子を知らせてくれました。まだ細い小さな「ベルちゃん」です。きっと「ベルちゃん」の成長をこれからも彼女が知らせてと思います。

 15年前、モモさんと始まった私のパグとの生活です。たくさんのパグさんたちとの繋がりのお付き合いも出来ました。遠くに住む方にもお会いしに行くことがあります。今はコロナのおかげで動きがとれません。旅が出来るようになったら、まずは「神戸」。そして「ニュージーランド」にも足を伸ばしたいと思います。友人の元気な姿を見に、「ベルちゃん」の大きくなった姿を見に。また一つ、楽しみが増えました。

 

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梅干し

2020年07月19日 | 日々のこと

曇、24度、92%

 50歳を過ぎた頃から塩気の強い食べ物が食べられなくなりました。干物や塩辛の類も一度お酒と真水で塩抜きをして食べるようになりました。外食の際も塩味がきついとお箸が進みません。塩味はお醤油、調味料全般の塩分です。言い換えると、味の濃いものは出来るだけ取らなくなりました。体の不調からではありません。

 「梅干し」は口に含んだ時、酸っぱさが先に立つと食べれるのですが塩っぱいと思うとそれ切りです。いつ頃からか甘い「梅干し」が出始めました。市販の食品全体が昔に比べると甘い味付けに変化して来ています。塩を強くせずとも冷蔵庫などで保存可能だからでしょう。甘い「梅干し」はこれまた私の欲するものではありません。「梅の砂糖漬け」とも違う甘さです。「梅ジャム」「梅酒の梅」などはいくらでも食べますが、なぜか甘い「梅干し」は敬遠します。甘いのですがやはり塩っぽい。

 3年前日本に帰って来て60歳にして初めて「梅干し」を漬けました。保存可能なギリギリのところまで塩分を落としました。10%以下の塩の量でした。にも関わらず塩気を強く感じます。いまだに納戸の棚の上です。そんな話を義母にしたところ、「この梅干しは美味しいよ。」といつも取り寄せている高価な「梅干し」を食べさせてもらいました。「南高梅」で作った「梅干し」でした。「南高梅」などというブランド梅は帰国後知ったものです。立派な大きな梅、義母の勧める「梅干し」を口に入れました。香りといい果肉の硬さといい「これなら食べれそう。」と思ったものの後味に甘さが残ります。原材料を見るとずいぶんのお砂糖が使われています。その上、蜂蜜コーティング。お値段を聞いてこれまた驚きました。「梅干し」の値段ではありません。

 「梅干し」は必要不可欠な食べ物ではありませんが、あの酸味と香り、種の周りの美味しさを恋しく思います。やっと味の薄い甘さも強くない「梅干し」を見付けました。塩分5%まで抑えられています。「南高梅」ですがお手頃価格なのも嬉しい。蜂蜜入りと書かれていますがベタつきません。梅の香りがしっかりしています。

 私の「梅干し」の食べ方は調理に使ったりご飯と一緒に食べるのではありません。いつもお茶受けです。 種までよくしゃぶって、お茶を一服。梅の美味しさが身体に染み渡ります。塩分が低いので壺に入れて冷蔵庫に入れてあります。久々の「いいもの見つけ」でした。

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古瓦の小道

2020年07月18日 | 家の改築

曇、23度、92%

 私の歳よりも古いこの家は7年ほど前に改築しました。改築時に庭にも手を入れて大きな木をいく本か切り造園してもらいました。改築する前の我が家は家の周りにぐるりと「飛び石」が置かれていました。芝生やタイルを張ることなどない古い日本の普通の庭です。雨の日に足元を汚さずに歩けるように「飛び石」は置かれていました。大人の歩幅、小さい頃の私は軽く「飛び石」を飛ばなくてはなりませんでした。

 家の改築は間取りの変更もありました。水回りを新しくすることも目的でした。いちばんの大仕事は古い屋根からの「雨漏り」の改修でした。屋根は「瓦」で葺かれています。昔の建築ですから土の上に瓦を乗せて作られていたと思います。改築中は私たち夫婦はまだ香港に住んでいました。工期をずいぶん過ぎて出来上がった家を見た時、言葉にしませんでしたが少なからずがっかりしました。屋根は入り組んでいます。雨漏りする箇所だけ新しい「瓦」に入れ替えてもらいました。ちょうど玄関の上の部分です。正面から見た我が家の屋根はその新しい「瓦」がやけに陳腐に見えました。昔の「瓦」、今の「瓦」、瓦の持つ風合いが違います。この時外された古い「瓦」は取って置いてもらいました。

 家の改築の後に始まった「造園」の時、この古い「瓦」を使って庭周りに小道を作ってもらいました。主人の提案です。「瓦」を使って「飛び石」代わりに泥除けの道を作ってもらいました。造園の方に話しても理解してもらうまで時間がかかった記憶があります。瓦を割り、それを一つ一つ埋め込む作業は熟練の庭師さんが一人でコツコツこなしてくれました。

 古い「瓦」と新しい「瓦」がいちばん違うと思うのは雨の後です。雨の後の古い「瓦」の屋根は水を含んだ瓦の色が落ち着いた黒に艶が浮かびます。新しい「瓦」は安っぽい色のまま変わりません。

 このところの長雨で庭の古い「瓦」の小道はいい景色を作ってくれています。 蹲の前。 表の道のココが横になっているところ。

 裏庭のライトが灯ると 

 タイル部分から芝生への渡しに半円に埋められた古い「瓦」です。 瓦を割る作業、埋める作業、ひとかたならない仕事の跡が見られます。

 まだ屋根には半分以上古い「瓦」が乗っています。止むを得ず外してしまった古い「瓦」は庭でこうして生き続けています。「屋根瓦」の美しさなんてこれからは廃れていく「美」だと屋根を見上げます。

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紫陽花を生ける

2020年07月17日 | 日々のこと

晴、22度、92%

 この梅雨の長雨でどこの紫陽花も生き生きと咲き続けています。我が家の紫陽花は色が退色する「秋色紫陽花」と呼ばれる種類です。薄ピンクが今では薄緑に変わって来ました。もうしばらく置くとシックな枯葉色に変わります。珍しく青空がのぞいた昨日、数枝の紫陽花を切りました。

 仏壇の始末をして以来、父母の写真を座敷の書棚に飾っています。その書棚に向き合うように小さなテーブルを置き、その上にはお花とお供えを置くようにしています。座敷に入っても写真も花もそこがそっと手を合わせる場所だとは誰も気付かないと思います。 暑くなり始めてずっとガラスの花器を使って来ましたが、この紫陽花の色を見ていると土物と合わせたくなりました。小ぶりな紫陽花です。家のあちこちに飾りました。

 ビューローには粉引きの筒向に一輪。 ぽってりとして粉引の白にも馴染みます。

 床の間にはピンクの花器に入れました。淡いピンクのグラーションがかかったこの器は実は「蚊取り線香立て」です。好きな色合いです。私は花器に使っています。友人が自ら作って送ってくれたものです。どんな色の土物にも映える薄緑の紫陽花です。

 床の間に飾った紫陽花をココさんがクンクン。 一輪ポロリと転

げます。驚くココさん。 我が家の犬は花を匂う癖があるようです。 こちらはモモさん。香港には輸入物の大輪の紫陽花ばかりでした。紫陽花は匂いがないと思うのですが、なぜか匂いを嗅いでいます。

 まだしばらく梅雨明けは先延ばしだそうです。雨が好きな紫陽花ですが、晴れた日に庭を彩る紫陽花もまた素直な優しさを感じます。

 

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「nikiniki 」 の和菓子

2020年07月16日 | おやつ

曇、20度、85%

 最近、和菓子がバラエティー豊かになったように思います。練り切り、おまんじゅうと昔からの作り方は変わらないのに形や色にハッとするものが店先を飾っています。和菓子ですから季節を映し出すお菓子です。素材にチョコレートや洋菓子に通ずるものを使った和洋折衷の和菓子まで、今までにない楽しい和菓子が作られています。

 先日頂戴した素敵な色の小箱は横文字で「nikiniki」とお店の名前が書かれています。開けると和菓子によく使われる透明な入れ物に「これ、何?」とまじまじ見つめるものが入っていました。食べ物には違いありません。白っぽい方はキュウリのようなものを持っています。青い方は「機関車トーマス」のようにも見えます。 手にとるとブニョブニョ。匂いを嗅いでも何も匂いません。「?」ちょっと奇妙です。白い方は「河童」だと気付きます。

 京都のお土産物は多々ありますが、昔からの定番は「生八ツ橋」、シナモンが香る薄い皮にほんのり透けて見える餡がほどよい甘さのお菓子です。八橋の老舗「聖護院八橋」が新しい和菓子の店を作ったのが「nikiniki」だそうです。つまり、この「河童」のお菓子は八橋の皮と同じ素材ですからブニョブニョしています。中は  白餡が入っていました。口に入れてクチャクチャ、「生八ツ橋」を思い起こすお味ではありませんが確かに和菓子です。「河童」を真半分に切るのはちょっとかわいそうな気がしました。

 青いコントラストの強い方は何だろう?これはどうも「山鉾」のようです。今年はコロナのせいで中止となった「祇園祭」に飾られる「山鉾」です。「山鉾」を半分に切ると  小豆餡が入っています。「河童」同様ブニョブニョ、お口に入れてクチョクチョ。ほんのり小豆が香ります。

 「生八ツ橋」と違い皮が厚いので八橋のお菓子だとは気づかないかもしれません。でも見た目のインパクトは非常に強いお菓子です。お茶菓子に小皿に乗せられて出て来たら、何方だって私のように首を傾げながらまじまじ見るに決まっています。

 創作和菓子、作る人の想像の世界を楽しみます。「nikiniki 」のネーミングはシナモンを「ニッキ」と呼ぶところからつけたのでしょうか。この小さな和菓子にも少し「ニッキ」の香りが欲しいと思いました。

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公園のココさん

2020年07月15日 | ここ

曇、21度、82%

 一晩降り続いた大雨が上がった昨日、一向にお日様が出ることもなく肌寒い一日でした。夕方のお散歩を少し遠くにと思います。ココさんの行きたい方角に任せてみました。いつもはあまり行かない方角に進みます。四つ角の信号をいつもは北東に渡るのですが、昨日は北西に進みます。久々の道を行くのは私も楽しく足取りも軽くなります。

 ぐるぐると回っていると、公園のある道に出ました。公園では小学校の子どもたちが数人遊んでいます。ココさん嬉しそうに公園に入りました。私の背よりやや高い「山登り遊具」を見るとココさんスタスタ登りました。 雨上がりの公園は水浸しです。 トッペンで何やらクンクン。 階段でない方から降りるつもりでしょうか。 足が濡れているので滑ります。諦めて、 一休み。階段から降りるようにリードを引っ張ってやると、 「な〜んだ!」自分で階段を降りて来ました。 丁度6時のチャイムが聞こえます。子どもたちの姿見えなくなりました。ココさんも帰るかと思えば、別の遊具をクンクンし始めて動きません。 「ココさん、乗りたいの?」と抱き上げてみました

 緊張気味でしたが何やら得意そうなココさんです。このあと岩の上にジャンプしたり、久しぶりに長い散歩をしました。

 今日も気温が低い一日だそうです。公園の水も引いていると思います。「ココさん、今日も公園に行ってみようか?」

 この公園、モモさんが13歳にして初めて入った公園、孫娘が自分から初めてココさんに手を出した触った思い出の場所です。

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若冲の石仏

2020年07月14日 | 日々のこと

大雨、22度、84%

 一枚の葉書が届きました。小学校からの友人からです。葉書の裏の写真は穏やかな顔の石仏です。文面を読むよりその石仏に見入ってしまいました。

 画家の「若冲」は晩年を京都の「石峰寺」で過ごしたのだそうです。そこには五百羅漢像がありそれは「若冲」が下絵を描いたものだと伝えられているそうです。友人はこの寺を訪ねて実際の石仏を見て来たと書いています。五百もあるうちの一つの石仏にすっかり心を奪われました。「若冲」は動物にしても花にしてもよくよく「見て」絵にした人だとずいぶん昔に聞いたことがあります。確かに緻密な絵を描く「若冲」です。そのイメージからは程遠く石仏にはおおらかさが表れています、

 ネットで五百羅漢の姿を捜しました。それぞれ表情は違いますが素朴な趣があるものばかりです。石仏が寺の敷地にさりげなくおかれている様子がネットのこちらにも伝わって来ます。

 このところの雨でこの葉書は湿っていました。ゆっくりと乾かして、毎日見たいと思うのでビューローの中に飾ってあります。 

 この石仏を見に「石峰寺」を訪ねたいと思っています。もうしばらく待ちましょう。気持ちは逸りますが、秋の澄んだ少しひんやりする空気の中で見てみたいと思うからです。

 ビューローを開けてはこの写真を眺めます。そして自分が「石峰寺」の庭に佇むこの石仏の前にいる姿を思い浮かべます。もう一つ思います。それは「いい友達をもったなあ。」と。

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さくらんぼタルト

2020年07月13日 | 菓子

曇、24度、86%

 友人から「さくらんぼ」を頂戴したのは先月のことでした。箱を開けると私一人で食べ切れるほどの丁度良い量の可愛い「さくらんぼ」が入っていました。小粒ですがほんのりとした甘さと優しい赤い色を見ていると、ココさんのお誕生日が半月後だと気付きました。お安く出回る「いちご」の時期は既に終わっています。この可愛い「さくらんぼ」でお祝いのお菓子を作ろと、種を取って、さくらんぼのリキュール「キルッシュ」とシロップに漬けました。

 半月の間、時折冷蔵庫の「さくらんぼ」を覗きます。発酵する様子もなく、色もきれいなままです。日に日に暑さも増します。初めは漬け汁ごと赤い「さくらんぼゼリー」を作ろうと思っていましたが、前日急に私の気が変わりました。

 作ったのは「さくらんぼタルト」。ほろっと壊れるタルトにクリームを入れよく汁気を切った「さくらんぼ」を乗せるだけです。クリームをいつもなら迷わず「アーモンドクリーム」にするのですが、ココさんの好みはやっぱり「カスタードクリーム」だと思います。卵とミルクでつくる「カスタードクリーム」はやっぱりクリームの王様です。タルトを焼いている間に「カスタードクリーム」を作ります。お店のお菓子の「カスタードクリーム」は甘すぎるようにいつも感じます。大事な卵の香りが損なわれないほどの甘さで硬さもタルトに詰めるくらいの柔らかさを目指して、ゆっくりと火を入れました。タルトを仕込んで焼く、「カスタードクリーム」を作る、最後は「さくらんぼ」を乗せるだけです。ココさんと食べ切れるだけの15センチのタルトです。

  「キルッシュ」が微かに香る「さくらんぼ」。ほんのりと甘い「カスタードウリーム」そしてバターが香るタルトが口の中で踊ります。「アーモンドクリーム」ならこの軽さはありません。「カスタードクリーム」が夏場は軽さを連れてくると知りました。

 朝から幾度も「お誕生日おめでとう」と言われてポカンとしていたココさんも、「さくらんぼタルト」を目の前にするとお皿を見つめて「どうぞ」の合図を待ちました。 脇目も振らず4分の1のひと切れをあっという間に食べました。

 「カスタードクリーム」はおうちにいつもある卵とミルクとお砂糖と粉だけで作れます。最後に「バニラエッセンス」を落として香りの締めくくり。口溶けよく甘さも好みの「カスタードクリーム」はパンに入れてもシューに挟んでも使い道たくさんです。保存がきかない「カスタードクリーム」です。その時その時、使い上げる量だけを作るようにしています。タルト型に使った「シュクレの生地」の残りもタルトの空焼きの時丸めて一緒に焼きます。小さなクッキーの出来上がり。家庭でお菓子を焼いて来た主婦の知恵です。この夏「カスタードクリーム」を度々作りそうな気がします。

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京都「甘泉堂」 水羊羹

2020年07月12日 | おやつ

曇、23度、92%

 「水羊羹」は早くに死に別れた父の思い出の食べ物です。特別な甘党というわけではないのですが「水羊羹」を自ら10個ほども買って来て気持ちよくたくさん食べました。「水羊羹」のどこがどう好きだったのか?まだ子供だった私は父に聞くこともありませんでした。私は30代過ぎから自分で「水羊羹」を作るようになりました。作りながらいつも思います。父はどうして「水羊羹」が好きだったのかしら。

 まだ東京に住んでいたずいぶん以前のことです。あるお宅で「水羊羹」をご馳走になりました。店の名前は忘れましたが、老舗のその店は「水羊羹」を買う人に揺らさず持って帰るようにと口上が付くのだそうです。いただいた「水羊羹」非常に柔らかく、さっぱりとした甘さでした。その方に京都にも同じような「水羊羹」を作る店があることをお聞きしました。これまたお店の名前は忘れていたのですが、綺麗な水色の包み紙、まるで普通のお羊羹のような佇まいだと聞きました。

 梅雨の蒸し暑さの中「水羊羹」を作ろうかなと思っている矢先に頂戴しました。小包の開くと、目にも鮮やかな水色の包み紙です。「水羊羹」と書かれています。急に昔聞いた京都の有名な「水羊羹」を思い出しました。きっとあの方が言っていた「水羊羹」に違いないと思います。

 包みを開けると、手を汚さずに、「水羊羹」を汚さずにとの気配りから切れ目が入っています。お羊羹、「水羊羹」共に手で持ち切ると羊羹の表面に指跡が残ります。一番厄介だと思う瞬間です。一切れお皿に取ると、ゆるっとした「水羊羹」だとわかります。口に含むと噛まずともするりと溶けてしまいます。甘みが薄くその分小豆のしっかりした香りが喉を抜けて行きます。涼味を呼ぶ「水羊羹」です。

 いつ頃からか小さなアルミカップに入った「水羊羹」がお中元シーズンになると出回るようになりました。手をベトベトにせずお皿に空けることが出来ます。よく考えたものです。「水羊羹」は滲み出る砂糖水でその甘さがわかります。「甘泉堂」の「水羊羹」の箱から流れる砂糖水はさらりとしたものでした。

 甘さがきついのがお好きな人もいるでしょうが、甘みは薄く小豆の香りがする「水羊羹」が私は好きです。「水羊羹」は噛んで食べる食べ物ではなく、口に含めばそのまま溶けてしまう食べ物だと思っているからでしょう。

  美味しい「水羊羹」をいただきました。さて、父が生きていたら「甘泉堂」の「水羊羹」を何と言ったかとひとり胸に思います。

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