気ままに

大船での気ままな生活日誌

不忍池で中秋の名月

2009-10-04 11:12:25 | Weblog
古来、中秋の名月をどこで観るかは重要なことであって、芭蕉も”奥の細道”で、その旅程を敦賀で名月を観るように調整していた。敦賀に着き、前日は晴れ渡り、この分ではと翌日の名月を期待していた。しかし、芭蕉を接待していたあるじが、越路の天候はあてになりません、と言う。そして、結果は”名月や 北国日和 定めなき”

ぼくも、いつも自宅でばかりでの名月観賞であったが、今年は、どこかでと考えていた。根岸の三渓園とかも候補にあげていたが、午前中の空模様から、こりゃもうだめだと、上野の国立西洋美術館の”古代ローマ帝国の遺産展”を観に行った。それでもし天気が回復したら、不忍池の畔でのお月見でもいいのでは、と思ったのだ。

古代ローマ展をみたあとは、東博の常設展でゆっくりし、夕暮れを待った。閉館5時近く、ワイフから、大船は相変わらずの曇天、というメールが入ったので、外に出た。そして空を見上げた。こちらも、確かに曇天だが、雲の切れ目から青空がちょっぴりのぞいている部分もあり、それが拡がっていきそうな雰囲気だった。これなら、名月観賞の可能性はなくもないと、不忍池のそばのうなぎ屋で一杯やって、様子をみようということにした(汗)。

5時半頃、まだ、こんな空だった。


うなぎと刺身で、生ビールと日本酒2合ほど飲んだ。ここに来るときに、不忍池畔の骨董市で買った、古本、アサヒグラフ別冊”近代日本画に見る美人”(500円で買った、写真がきれいで掘り出しものだった)を眺めながらの一人酒もなかなかいいもんだった。ついでながら、表紙の絵は、大田聴雨の”星を見る女性”で、”月を見る男性”にはぴったりの本だった(爆)。

ほろ酔いで、伊豆栄を出て、湖畔に。空を見上げる。相変わらずの曇天。とほほ、と、東南の空を見渡していると、一か所だけ少し、明るい。そこだ、しばらく凝視する。お月さまお願い、おふくろさんお願いと、つぶやくと。・・な、なんと、ちらりと御姿をおみせくださったのでございます。そして、雲に隠れたり、出てきたりと、中秋の名月を30分ほど、もう誰もいなくなった、特等席のベンチに座り、蓮と一緒に、観月の会を開いたのでございます。サイコー。





得意気に、名月がみえたよ、とワイフにメール。と。こちらでも、よくみえてるよの返信。

大船に戻ったら、雲も切れていて、上野より余程、よくみえた。まあいいか、今年は二か所で名月を観たんだから。おふくろさんの亡くなった年の名月。いつまでも忘れないよ。

大船の名月。

桜と名月

すすきと名月、2題。






 


コメント
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