女子大の生涯学習センターの秋季講座が始まった。ぼくは火曜日の芭蕉と、金曜日の平家物語を受講している。どちらも、3年間ほど続けている。火曜日は家の近くのキャンパスだが、金曜日は、二階堂校舎で、結構、距離があるが、鎌倉駅からいつも歩く。
前面の大きな窓に緑があふれる、すばらしい教室である。”緑陰講座”といった風情である。受講者は、当然ながら、年配の方が多いが、みなさん、居眠りもせず(ぼくはときどき;汗)、熱心に聴いておられる。先生は、半分おだてて、鎌倉の人はレベルが高いから、大学院レベルの講義をしてるんですよ、といつも言う。でも、ボクの友人の大学教授は、最近の大学院生は、博士課程が、われわれの時代の修士程度、修士課程は、学部生程度の実力だと聴いているから、別に驚くことはない(笑)。
平家物語を読むだけではなく、吾妻鏡とか玉葉の歴史書や、謡曲なども取り入れてくれ、素人のぼくには、とてもうれしい講義である。この日から巻十一に入り、”義経と源氏軍の内訌”というテーマで、義経が後白河法皇に平家追討の意志を奏上し、西国に向かうところである。次回は屋島、次々回は、壇ノ浦と、いよいよ佳境に入る。
帰り道のそぞろ歩きも楽しい。頼朝の墓所の横を通り、幕府(大倉)のあった場所の辺りを抜けて、八幡宮に入る。八幡宮の源平池で一休み。平家を滅ぼそうとした頃、1182年に政子が大庭景義(茅ヶ崎辺りを本拠にする武将)につくらせた池である。面白いのは、太鼓橋を境に、近代美術館前の西側の池を平家池として、平家が滅ぶように四つ(死)の島をつくり、東側には三(産)つの池をつくり、源氏池と称し、源氏の繁栄を願ったという。
四つの島がみえる平家池畔。白い建物は美術館。
三つの島がみえる源氏池畔。
源氏池のひとつの島に旗上げ弁財天社がある。平家追討のために旗上げしたときに弁財天に励まされたことにより、建立した。
こんなふうに、平家物語ゆかりの場所を、ぶらぶら歩いて帰れるのは、とてもうれしいことだ。
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段蔓の通りの、ハトサブレの本店の前のつつじが、また(去年も)狂い咲きをしていた。それにしても、ハトサブレのハト文様、なかなかいいな。
源氏の都だけあって、つつじもハトも、白になっているのだろうか。実際、源平池には白鳩も多い。
今日はこれから、新根津美術館に行こうと思っている。