おはようございます。
東京都美術館の”奇想の系譜、後期展”を昨日、3月20日に見てきた。運がいいというか、悪いというか、この日はシルバーデーで65歳以上は無料とのこと。しめたと思ったが、長い行列にがっくり。40分待ちだという。でも、あの若冲展で、3時間待ちを経験しているので、なんてこったない。館内もだいぶ混雑していた。
”江戸絵画ミラクルワールド”のサブタイトルで、若冲、蕭白、芦雪、又兵衛、山雪に加えて白隠、基一、国芳と豪華メンバーの出場である。
この中では、ぼくは岩佐又兵衛が一番かな。前期展は始まってすぐ行った。それがいけなかった。久しぶりに再会したかった国宝・洛中洛外図屏風(舟木本)が前期の途中から出展ということでがっくり。その代わり、重文の豊国祭礼図屏風が出ていたのでよしとしよう。それと、全期展示のはずなのに、妖怪退治図屏風が初日に間に合わず、途中出展で、これも見られなかった。でも、今回はOK。この作品は、本展の企画調査途中で見つかったものだそうで、国内初出展ということだ。もちろん、ぼくも初見。小型の屏風で、いろいろな妖怪を武士たちが退治しようと攻めている場面が描かれている。
また、又兵衛の傑作絵巻、山中常盤物語絵巻、浄瑠璃絵巻物語、堀江物語絵巻が揃って展示されている。しかし、会場の関係で名場面が入る巻しか見られない。ぼくは、これら三絵巻の全巻展示をMOA美術館でみている。ただ、ここの堀江物語絵巻は京博蔵ということであった。同絵巻は当初は15〜20巻に及ぶ長大な絵巻で、MOAは、津山藩に伝来していた12巻を所蔵している。香雪美術館も三巻などの残欠本を所蔵している。前期では空いていて、ゆっくりとみられたが、後期はうしろから覗き込むようにしてみた。
ほかの作品もMOA、東博所蔵のが多く、ほとんど見ているものだった。いくつか、以下に、いくつか画像を載せておこう。
浄瑠璃物語絵巻(重文)

山中常盤物語絵巻(重文)

豊国祭礼図屏風(重文)

今回、みられなかったが、洛中洛外図屏風/舟木本(国宝)

先日、NHK日曜美術館で本展が取り上げられ、岩佐又兵衛のところでは、やはり山中常盤物語絵巻が話題に。ちょっと残酷な場面がありますので、めまいがしそうな人はここから先、見ないでください(笑)。





50年ほど前、”奇想の系譜”を著した辻惟雄氏(1932〜)。それまでまとまって紹介されたことがない、因襲の殻を打ち破り、自由で斬新な発想で、非日常的な世界を描いていた画家たちを再評価した。本展はこれを元にしている。

今日はここまでで。また、ほかの画家たちのことも記録する予定です。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!