おはようございます。
コロナ明けの美術館巡り第二弾はえど博へ。東博とちがって、ここはオンライン予約なし。いきなり行ってもOK。ただし、人数制限はあり。この日(6月6日)はすいすいと入場。もちろん、体温チェック、指先消毒、マスク着用は欠かせない。
東博では常設展だったが、今回は、コロナ明け初の特別展。奇才/江戸絵画の冒険者たちというテーマ。有名、無名の全国の35人の奇才絵師の絵画が一堂にみられたので、長期のコロナ休暇のぼけた頭にはぴったりの展覧会だった。
まずは京都の絵師たち。
いきなり宗達、光琳が現れ、これも奇才?と思ったが、その片鱗があるということで数点。そして、これは正真正銘の奇才の山雪。重文の寒山拾得図(真如堂)もきている。

そして、若冲。最近発見されたという、鶏図押絵貼屏風(個人蔵)など。

応挙は両岸の風景をこんな風に描き奇才の仲間に。淀川両岸図巻(アルカンシエール美術財団蔵)

芦雪も山雪よりさらににやけた(笑)寒山拾得図(和歌山・高山寺)。蕭白は重文・楼閣山水図屏風(滋賀県近江神宮)。池大雅は児島湾真景図(細見美術館)、そして蕪村の重文・奥の細道図巻(逸翁美術館蔵)が見られたのはうれしい。芭蕉の文章の合間に15図が描かれている。蕪村は蕉風復興運動の中心人物であった。祇園井特ははじめて知ったが本居宣長の肖像をいくつも描いている。重文・鈴屋大人像。皺まで忠実に描いている(笑)。狩野永岳は龍鷹図屏風(京都・泉湧寺)など。
大坂の絵師たち
ここは知らない絵師ばかり。中村芳中。丸っこい、ゆるい形のほのぼの系。人物花鳥図巻(真田宝物館蔵)など。もう一度、見てみたい。耳鳥斎の別世界巻(関大図書館)も面白い。地獄絵だがブラックユーモア。ところてん屋さんがところてんにされたり、たいこもちが鬼のたいこもちにされたり、自分の職業の責め苦に。
江戸の絵師たち
いきなり北斎が登場。上町祭屋台天井絵/女波(小布施町上町自治会)。北斎は晩年、小布施で長逗留している。

あれ、どこかで見た絵だな、と思って所蔵先を見たら、鎌倉国宝館の氏家コレクション。毎年、お正月に見ている。北斎の肉筆画、桜に鷲図。

谷文晁は李白観瀑図(田原市博物館)。鈴木基一も。紅葉狩図凧(個人蔵)

狩野一信の五百羅漢図は増上寺から数幅。これはお寺で見ている。一信はこれを描く前に円覚寺の五百羅漢図(張思恭筆)を見学して、参考にしている。そして、国芳。水を呑む大蛇(個人蔵)。初めて見る。

諸国から
蝋埼波響は松前藩家老でもある。御味方蝦夷の図イコトイ(函館中央図書館)

管井梅園は仙台の文人画家。雪中紅梅図(個人蔵)など。林十江は水戸の画家。文晁に弟子入りし、認められる。花魁・遣手婆図(茨城歴史館)が印象に残る。暁斎は埼玉県代表(古河)として登場。画帖が三冊(暁斎美術館)。長野県飯田の佐竹遭平は山水図(飯田市美術館)など。高井鴻山は小布施出身。妖怪山水図、柳と小鳥図など。そして、静岡代表として白隠さん登場。すたすた坊主図(早大会津八一記念博物館)など。名古屋から田中納言が日月図屏風(名古屋市博物館)。
お待たせしました福井から岩佐又兵衛、登壇。高名な金谷屏風の一図(龐居士図)が。十図がばらばらとなっており、2016年に奇跡の大集合展が福井であったが、見逃してしまった。ほかに三十六歌仙図も。

又兵衛さんのあとは、絵師の金蔵こと”絵金”の作品が豪華絢爛に。芝居の絵看板も手掛けたようだ。播州皿屋敷・鉄山下屋敷(高知県香南市赤岡町横町二区の蔵)

そして岐阜(美濃)の仙厓さん。朧月夜図(永青文庫)など。長崎の片山楊谷は虎の絵が素晴らしい。竹虎図屏風(鳥取・雲龍寺)


コロナがすっ飛ぶような、すばらしい展覧会でした。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!