おはようございます。
月に二度程度、近くのホールで開催される、”かまくら銀幕上映会”の今回の映画は、”パヴァロッティ/太陽のテノール(2019、英米合作)”であった。
数年前から、にわかオペラファンになって、シネマオペラのMETライブビューイングなどを見るようになった。家内もそうで、映画のほかにも、”三大テノール世紀の競演(パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス)”のCDも買っている。ぼくもときどきそれを聞かされていて、彼らの素晴らしい歌声に魅了されている。
三大テノールの中でも最年長で、”イタリアの国宝”、”人類史上最高の歌声”、”神の声”、とまで讃えられるパヴァロッティの初のドキュメンタリー映画が近くで上映されるというのだから行かないわけにはいかない。監督は、あの”アポロ13号”のロン・ハワード監督。世界的な録音技師の最新音響技術でスクリーンに甦らせた世紀の歌声と貴重なアーカイブ映像の数々、そして、前妻、最後の妻、3人の娘や愛人、仲間たちの証言で、パヴァロッティの生涯が明かされてゆく。
中盤のハイライトは、1990年イタリアで行われたサッカーワールドカップの前夜祭として、ローマのカラカラ浴場で行われた三大テノールのコンサートである。そのときの映像がしばらく楽しめる。ほとんどリハーサルはなかったようで、それぞれ、得意曲を歌ったり、あるいは譲ったりした。このコンサートは、パヴァロッティがカレーラスの白血病克服復帰記念として企画したもの。このときのCDを家内が持っているのだ。”三大テノール”はその後、日本をはじめ、世界各国を回り、熱狂的なステージの模様も一部、映画で紹介される。
ダイアナ妃との交流もあったようだ。1991年に開催された野外コンサートにダイアナ妃も来られていたが、途中で雨が降りはじめ、みな傘を差し、後方の客が見えずらくなっていた。ダイアナ妃が気を使い、傘を閉じると、みな傘を閉じたという心温まるシーンも。その後、何度か彼のステージに足を運び、楽屋にも訪ねるようになる。
パヴァロッティの”愛の遍歴”はあまり感心しないが(笑)、別れた女性は誰も悪口は言わず、魅力的な人だったとほめる。天才は多少のことは許されるのだろう。同じドキュメンタリー音楽映画”ボヘミアン・ラプソディー”のときもそうだったが、やはり、実録のステージシーンが一番の見どころ。”ラ・ボエーム”、”トスカ”、”トゥーランドット”などの絶頂期のパフォーマンスは、ぼくのような、にわかオペラファンでも感動する。まさにサブタイトルのように、太陽のように輝くテノールの歌声と明るい笑顔にすっかり魅了されてしまう。
ラストシーンはやはり、彼自身も一番好きだという、トゥーランドットの名アリア、”誰も寝てはならぬ”がろうろうと流れていた。
【イタリア語】誰も寝てはならぬ (Nessun dorma) (日本語字幕)
素晴らしい映画でした。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!