こんばんわ。
山種美術館の”上村松園・松篁/美人画と花鳥画の世界”展のつづきとなりまする。
山種美術館ご自慢の松園コレクション全18点を見終えても、まだ、美人画はつづく。
女性は美しければといい、という気持ちで描いたことは一度もない、一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである、という清らかな松園美人ばかりを見終えると、清方美人が突然現れる。正直ほっとする(笑)。やっぱり、ぼくには多少卑俗なところもある美人の方に惹かれるかな(汗)。
鏑木 清方 伽羅 目覚めたばかりの清楚な若妻が一人。その手元には源氏香の図が意匠化された蒔絵の香枕(伽羅)が。清方独特の女性美が醸し出されている。
小倉 遊亀 舞う(舞妓)舞う(芸者)京都の舞妓さんと芸妓さんをモデルに描いた。
伊東 深水 春
伊東深水 婦人像 華やかな洋装の小暮実千代がモデル。
伊東深水 吉野太夫 吉野太夫は江戸初期の京都の廓を代表する太夫。 廓の桜を見て、「ここにさえさぞな吉野は花盛り」と詠んだ。 満開の桜を背景に。
小早川 清 美人詠歌図
橋本 明治 秋意 秋の装いの舞妓さん。太い輪郭線に縁どられた個性的な人物表現が特徴。
片岡 球子 むすめ
そして、第二章は上村松篁と風景画。松篁の代表作”白孔雀”をはじめとする全9点と有名作家の風景画が並ぶ。
上村松篁 白孔雀 松篁宅の庭はまるで動物園のようで、いろいろな動物が棲んでいた。この白孔雀も自宅の庭で放し飼いしていたもの。
ぼくが野毛山動物園で見た放し飼いされていた白孔雀。こんなふうに飼われていたのだろう。
上村松篁 日本の花・日本の鳥
山口 華楊 木精 京都の北野天満宮の御土居の大けやきがモデル。自宅でも飼っていたみみずくも脇役で登場。
御土居の大欅のもみじ(2019)。
奥村土牛 戌
上村淳之 白い雁
山種美術館所蔵の上村松園の18点の全コレクショだけではなく、清方、深水、遊亀、 球子らの美人画、加えて、松篁・淳之父子らの風景画まで見られるという素晴らしい展覧会でした。
では、おやすみなさい。
いい夢を。