春雨じゃ濡れて行こうと、傘も差さずに歩けたくらいの霧雨の一日だった。晴れていれば、東御苑の梅見を兼ねた美術館巡りを考えていたが梅見は削除のミュージアム巡りとなった。
丸の内のJTビルのKITTEの一画に東大総合博物館の分館のようなミュージアムがある。JTと共同出資の丸の内出店という感じ。はじめて入ってみた。動物の剥製やら骨格、化石などの通常展示のほか特集展示がいくつかあった。その中のひとつ” コスモグラフィア(宇宙誌)”に興味をもった。
そのコーナーには火星探査機などにより送られてきた火星地表面の画像が展覧会のように展示されている。僕が最初に視線がいった画像なんか、まるで西美にあるミロの作品にぴったり。あの輪の中を赤く塗れば、芸術作品じゃない、と思った。そういう抽象画風画像がいっぱい。
そして、この”コスモグラフィア”の館長さんの紹介文が面白い。ちょっと堅苦しい言い回しだが、そのまま載せてみる。
最先端の惑星科学がもたらした天体画像と抽象絵画、両者の「近親と相関」をあらためて問い正したくなる所以である。モノのありよう、世界のありよう、あるいはこう言って良ければ宇宙のありようを眺める方法は、科学的なそれに限らない。歴史や文学や芸術など、さまざまな眼で天体の素顔を直視したらどうか。宇宙のはるか彼方から送り届けられた画像のなかに、20世紀の抽象絵画と通底するイメージが溢れているのである。この後者が、人類のみに許された創造的な営みの所産であると考えたとき、両者の符合はまことに不可思議なものとしか言いようがない。宇宙創生ダイナミズムの痕跡をとどめた惑星の写真を眺めながら、20世紀絵画のヴィジョンに思いを馳せる。そうした自由さを味わってみたらどうか。
抽象画っぽい火星地表面の写真をお見せしたいが、ここでは撮らせてもらえないし、カタログにもない。仕方がないので、ジョアン・ミロの作品を載せますので、逆に想像してみてください(笑)。
そのあと、波山展に行ってきましたが、ここでは、天体をモチーフにした、うつくしい花瓶や茶碗がいくつもありましたよ。
藝術の眼、科学の眼、哲学の眼、詩人の眼、などなど、いろんな眼をもたないと、この世界は理解できんのかもしれにゃいにゃー。猫の眼も必要です。
ミュージアム入口
信州松本のお蕎麦屋さんを描いた伝統友禅染
そこの丸の内出店で、なめこ蕎麦を食した。なめこがおいしかった。
そして、三菱で唯美しく展。おらあ、世界が分からくっても、おしいもの食べて、おいしいお酒を飲んで、うつくしいもの観てりゃ、それで十分じゃ。
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