いま「赤旗」がおもしろい(1)
野党共闘 共闘進化伝える唯一の新聞
日本共産党創立97周年記念講演会(8日)で、志位和夫委員長が4年間にわたる取り組みと成果、今後の展望を明らかにした「市民と野党の共闘」。先の参院選で「改憲勢力3分の2議席割れ」、自民党の「参院での単独過半数割れ」という安倍・自公政権に痛打をあびせる決定的な役割を果たす力になりました。
この市民と野党の共闘の進化をあますことなく伝えている唯一の全国紙が「赤旗」です。
参院選1人区で共産党から立候補し、党公認や無所属で野党統一候補となった候補者座談会(14日付)に続き、16日付からシリーズ企画「共闘の力」を開始しました(その後、19日付、22日付に掲載)。4年間の共闘を通じて野党間、市民と野党間で相互支援し合う関係に成長・発展し、野党の「共通政策」が大きく広がってきたことや、そのなかで日本共産党への期待が広がっていることを関係者の取材を通じて詳しくルポ。そして総選挙に向けた政権構想合意がいかに日本国民と日本社会が痛切に求めているかを明らかにしています。
また「赤旗」には、1人区で激戦を制して当選した野党統一の新参院議員がインタビューで次々登場しています。
シリーズ企画を読んで読者から「記念講演の中身を深めるうえで大いに役立つ」「野党共闘がどう発展していくかに日本の未来はかかっている」「今回の選挙の経験が野党連合政権につながると確信になった」などの感想が寄せられています。また「13項目にのぼる野党の『共通政策』は共闘を進めるうえで大きな力になったことがわかった。資料として掲載してほしい」など要望も。
シリーズ企画の中で東京大学社会科学研究所の宇野重規教授(政治学)は、志位氏が記念講演で今後の共闘の課題としてあげた野党連合政権構想について「選挙の時だけ共闘するが、連立政権をつくる意思はないということでは、批判票は流れるが積極的選択にはならない。共産党を含む形で連立政権を組むということで初めて代替する政権への選択肢が生まれる」と語っています。共闘の今後の展望も「赤旗」は指し示しています。
参院選後、野党共闘でともにたたかった人たちから「赤旗」が“共闘の力の源泉”だったとの話が次々寄せられています。
中国地方で野党統一候補としてたたかった人は、「4年前から『赤旗』を読んでいるが、これが私のエネルギー源。暮らし・年金・地位協定など一つひとつが私の力の源泉です」。立憲民主党の九州地方のある地方議員は「野党の動きや、市民と野党の共闘がよくわかる。私は毎日の『赤旗』を読むのに1時間かけている」といいます。
日本の政治を動かす市民と野党の共闘についてメディアの多くは、参院選中も参院選後も野党間で「亀裂」「ゴタゴタ」などと足並みが乱れているかのように報じ、共闘の進化にはほとんど注目しませんでした。野党連合政権に向けた政権構想合意に向けた話し合いの呼びかけも黙殺です。こうしたメディアの対比でも「赤旗」が市民と野党の共闘推進にとって欠かせない新聞となっています。
いま「赤旗」がおもしろい(2)
日韓関係 植民地支配の歴史に向き合う
韓国が22日、日韓軍事情報包括協定(GSOMIA)の終了を決定したことで、日本国内では右派メディアを中心に「韓国は一線を越えた」などとまたもや韓国バッシングが強まっています。
問題の発端は
しかし、問題の発端は、安倍内閣が「徴用工」問題という政治的紛争の解決手段として貿易問題を利用する「禁じ手」に踏み込んだことにあります。半導体原材料の輸出規制に続き、2日には輸出管理手続き簡略化の優遇措置の対象国(「ホワイト国」)から韓国を除外する決定を行いました。
日本共産党は、「ホワイト国」除外決定の前に、「対韓輸出規制拡大の閣議決定の見送りを」と志位和夫委員長が安倍晋三首相に申し入れ。閣議決定後には政令改正の決定を撤回し、韓国政府との冷静な話し合いによる解決を、と求めました。
「赤旗」も2日付で、「安倍政権の対韓輸出規制拡大 識者に聞く」を特集、元日朝国交正常化交渉日本政府代表の美根慶樹さんはじめ各界の識者に問題点を聞きました。3日付では見開きで「安倍外交 破たんの末の暴走/話し合いで外交的解決を」を特集。その後も「シリーズ日韓関係を考える」(14日付、17日付、20日付)を掲載し、「徴用工」問題に取り組んできた弁護士の川上詩朗さんや元経産省官僚の古賀茂明さん、韓国の韓日歴史問題研究所長の南相九さんなどに登場してもらい、日韓関係悪化の影響をどうみるのか、正常化へいま求められることは何かの問題提起を続けています。
また、終戦記念日の15日付では「終戦74年 植民地支配の歴史に向き合うとき」を特集。「立ち返るべきは加害と被害の実態」(加藤圭木一橋大准教授)、「抜け落ちた記憶 『脱亜入欧』克服を」(山田朗明治大学教授)などの見解を紹介。歴史問題で問われているのは、植民地支配の歴史に正面から向き合うことだと問題提起してきました。
冷静な視点で
読者からは、「冷静に日韓関係を考える材料として、とても貴重な記事」「古賀茂明さんの発言に賛同します。韓国をたたきのめして何を得るのか。隣人とは手をとりあうべきです」などの感想が寄せられています。
これに対して、全国紙をはじめマスメディアは、「韓国が『反日』だといいますが、日本のメディアも『反韓』一色じゃないですか」(ジャーナリストの青木理さん、18日放映のTBS系「サンデーモーニング」)との指摘も出るほど、韓国たたきの大合唱です。その根底には、安倍政権同様、昨年10月、日本企業に賠償を命じた韓国大法院(最高裁)の「徴用工」判決を「(日韓の)関係の根幹を揺るがしかねない判決」(「朝日」)、「1965年の日韓基本条約を覆すような判決」(「毎日」)、「(両国関係の)基盤を損ねる不当な判決」(「読売」)などとする批判があります。“国と国との約束を守らない韓国”という非難は安倍政権と共通しています。
「赤旗」は、「徴用工」問題が日本の侵略戦争、植民地支配と結びついた人権問題であり、被害者の尊厳、名誉回復のため真摯(しんし)に向き合う必要があること▽たとえ政府間で「解決済み」だとの立場でも、「個人の請求権は消滅していない」ことは日韓の政府・最高裁ともに一致していること―を明らかにし、話し合いによる外交的解決を求めてきました。
また、「慰安婦」問題を含め、歴史問題で問われているのは、植民地支配の歴史に正面から向き合うことだと指摘。安倍政権が歴代政府の到達点さえ否定して植民地支配への反省を示そうとしないことを厳しく批判しています。
こうした論陣が張れるのは、「赤旗」が侵略戦争と植民地支配に一貫して反対してきた歴史をもっているからです。