ごとう尚子さんの一般質問の傍聴に行ってきた。
8年間の議員生活を締めくくるすばらしい一般質問だった。
尚子さんの質問を聴こうと、傍聴席を埋める人たちもすばらしかった。
盲導犬をつれた女性、車椅子の男性、手話通訳つきの聴覚障害者、
障害児と一緒のお母さんたちが詰め掛けて傍聴席は立ち見が出るほど。
一般質問終了後、障害児のお母さんが
「なおこさんはわたしたちの手が届かない高いところにあった行政や議会を、
わたしたちがいる低いところにまで持ってきてくれた」
と話していたのが印象的だった。
障害者でも、子連れでもだれでも議会を傍聴できるようにしたのは
障害者や弱い立場の人たちに寄り添って、
市民派議員として8年間はたらいた尚子さんの功績だ。
無党派・市民派議員がいるだけで議会がこんなにかわるなら、
無党派・市民派首長になれば自治体はどんなに変わるだろう。

NHKで「東京都知事選 浅野氏立候補表明」のニュースが流れた。
わたしたちがまだ日進にいた、4時から記者発表だったとのこと。


生中継は見逃したけれど、webに動画が配信されていた。
すべて見せます!浅野氏の都知事選出馬会見
前宮城県知事・浅野史郎氏が6日午後、都庁で会見を開き、
都知事選への出馬を正式表明した(NNN日本テレビ系)
会見のもようを動画で配信(約15分)/font>
4月の統一選には、東京都など13都道県で知事選があるそうだ。



東京都知事選挙出馬の理由
記者発表資料全文(PDF版)
私、浅野史郎は、来る3月22日告示、4月8日投票の東京都知事選挙に立候補することを、ここに表明いたします。
三期12年宮城県知事を務め、「知事業は卒業」と考えていた私が、今回の都知事選挙に立候補することを決意した最も大きな要因は、東京だけでなく、全国各地の人たちから寄せられた「石原都政はもうたくさん」という悲鳴にも似た声です。社会的弱者に対する差別発言、都政の私物化、公私混同、側近政治、恐怖政治のような教育現場など、石原都政がもたらした数々の問題点を指摘しながら、その変革を必死になって願うメールや意見に接するうちに、誰かがこういった都政を変革するために立ち上がらなければならないと思うようになりました。
その誰かが私である必然性は感じられませんでしたが、二期目以降の石原都政の実態を詳しく知るにつれ、私の心の中のコップに水が注がれて、徐々にその量を増し、いつかコップからあふれ出すかの如き感じで、何かが変わったのです。今、ここで立ち上がり、石原都政にストップをかけなければ、東京や都民にとってだけでなく、日本の政治にとっても取り返しのつかないところまでいってしまう。そういった危機感を、私も共有するに至りました。その危機感をしっかりと受け止めて、私は、今、都知事選挙に出馬することを決意しました。
そういった決意をしたうえで、改めて東京都政を見直してみると、未来に向けてのいくつかの課題が見えてきました。
慶應義塾大学で地方自治について、学生相手に一年間論じてきました。その中で、国と地方との関係、地方分権をいかに進めていくか、私自身が深く考えました。東京都も地方自治体です。その東京都が、地方分権を進めていく戦いの中で、必ずしも中心的役割を果たしていないのではないかということは、宮城県知事として最大限努力をしてきた中でも、私が強く感じてきたことです。最大・最強の地方自治体である東京都が、本気で立ち上がらなければなりません。他の自治体とともに、真の地方分権を進めていく体制の中で、牽引車的な役割を果たす必要があります。知事として、私はその役割を果たすべき立場を引き受けたいと考えました。
最近、国民の間で、政治に対する無力感が募り、政治家に対する不信感、嫌悪感も顕著になっています。こういった風潮が蔓延していったら、日本はどうなるのでしょうか。現在の東京都政に疑問を感じながら、問題意識を研ぎ澄ませている人たちが、東京以外の全国各地にもいることを、今回、私に出馬を促す多数のメールなどから知りました。この国の政治のありように関して、国民の間で閉塞感がどれだけ深まっているか、そして、その突破口を求める人たちがいかに多いかを痛感しました。
「政治をあきらめるな」ということも、私を都知事選挙出馬へと突き動かした要因です。
政治に期待したって無駄だ、政治なんて国民には変えられない、選挙にはまったく興味ない、誰が選ばれても同じだ、自分の一票では何も変わらないということを言う人も増えています。明日の天気は変えられませんが、明日の政治は変えられます。ここであきらめてはいけないのです。
「地方自治は民主主義の学校」と慶應義塾大学の授業で言い続けてきました。学校なら、まず入学し、行動すべきです。この都知事選挙を契機に、政治は信じられる、期待していいということを、都民みんなで確認する場にしたいと強く願っています。そのことを実証するために、私はここに東京都知事選挙に出馬することを決意しました。
都政運営の基本姿勢
1.東京から新しい風を起こす
東京都政を転換することにより、この国の政治への不信感を払拭する。それによって、閉塞感に風穴を開けて、生き生きとした日本を蘇らせる。
2.人と自然にやさしい首都を創る
都政の手法として、強制、管理、抑圧といった側面を強調するような手法とは決別する。社会的に弱い立場にある人たちが、生きやすい環境を作り出す。
3.透明性のある都政、風通しのよい都政にする
情報公開こそ、都政を貫く基本姿勢であるべきもの。政策立案の過程も外から見えるようにし、都民、職員が積極的に参加する形の意思決定ができる体制に転換する。
4.納税者のお金を大切に使う
都民から預かる税金について、都民にわかりやすい説明をしながら大切に使う。都民に説明がつかないようなお金の使い方はしない。
5.都民のために、誠心誠意、全力を尽くして働く都政を確立する
都職員全員が、「公僕」の名に値する仕事ぶりになるよう徹底する。それを率いる知事本人は、全身全霊で都政に情熱を傾ける。
政策の骨子
「誰もが誇りを持てる東京の実現を」
豊かなはずの東京で、いま都民が直面するのは大きな不安である。全国を上回るペースで進む少子高齢化、経済や年金の先行きが不透明なままに広がる格差、近い将来必ずやって来る大地震。高齢者や若者をはじめ多くの都民が、未来が見えない不安を胸に抱えているが、こうした都民の不安を現在の都政は汲み取ることが出来ないでいる。
地方分権の実現についても、東京は全国自治体の牽引役を果たせていない。それどころか、これ見よがしに財政力を誇示する態度が、全国からの孤立化を招き、地方の反発を招いている。
いま求められているのは、オリンピック招致の前に、財政に余力がある今の時期に、現在の東京の未来に投資し、都民の不安を解消することである。また全国の自治体の先頭を切って、地方分権の実現へ向けて真摯に努力することである。
私は、都政が都民のため、国民のために、持てる本来の力を十分に発揮できるよう、全身全霊を尽くしたい。
Ⅰ 東京に安心を取り戻す
1. 震災の不安
東京に大地震は必ずやってくる。
震災で一人の犠牲者も出さない東京にする。
遅れている耐震改修策で東京が全国の先頭に立つ。
2. 高齢化への不安
東京の高齢化は地方より一拍遅れで急速に進行する。東京都の介護保険3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)の人口当たりの定員数は全国最低水準である。
グループホーム、在宅療養支援診療所での機能強化など地域で住み続けるための施策を大幅に拡充するために緊急プランを作成する。
3. 若者の不安
若者を中心として東京の一般労働者と非正規雇用労働者の賃金格差は広がっている。
若者への就労支援策を拡充し、高齢者にはセーフティネット施策を整備する。
4. 地域の安全への不安
地域での連帯のきずなが崩れ、孤立する家族が多くなり幼い子どもたちへの犯罪を防ぐことがむずかしくなっている。
団塊の世代を中心として、地域のシニアの地域活動への参加を促進する。
5. 環境の不安
地球環境問題をはじめ、環境問題への対策は待ったなしである。
「環境先進都市・東京」を目指し、日本の環境問題への解決策を東京から発信する。
Ⅱ 東京で連帯を進める
1. 多摩・島嶼と23区の連帯
多摩・島嶼と23区との格差是正に向けて積極的に取り組む。
2. アジアとの連帯
多文化都市東京を目指す中で、まずアジアとの連帯・共生を進める。
3. ふるさと(地方)との連帯
東京は、全国各地からの出身者の寄り集まりである。それぞれがふるさとを持っている。そのふるさとのために、東京として何が出来るか。「東京マーケット(仮称)」などを拠点に、ふるさととの連帯を進める。
4. 障害を持つ人、持たない人との連帯
東京の地域の中では、障害者、高齢者、外国人などさまざまな人が混在して住み続けている。障害者の地域生活の支援を進める。障害者差別撤廃条例の制定を目指す。
Ⅲ 東京の未来を切り開く
1. 歩くことが楽しくなる都市東京へ
ゆったりと歩きたくなる、魅力あふれる都市・東京をつくるために、街の安全を確立し、身近な自然を大切にする街づくりを目指し「東京まちづくり百年プラン(仮称)」を策定する。
2. 子どもが愛情に包まれて健やかに育つ東京へ
のびのびと学べる学校環境をつくることが、いじめ、不登校、学級崩壊を防ぐ道である。スクール・カウンセラーの小学校への配備、少人数学級の導入、複数担任制度の導入を進め、フリースクールへの支援を行う。
親の就労形態の多様化に対応して、保育サービスの多様化を図る。地域や会社も含めた子育て支援ネットワーク、会社での育児休業制度やデイケアの充実も図るべきである。
3. 地方分権改革の先頭に立つ東京へ
全国の自治体と連携し、地方分権の確立に向けての改革において、その先頭に立って推進する役割を確実に果たす。
4. 文化の花咲く東京へ
東京都交響楽団への助成の大幅削減など、東京都の文化予算はこの5年間で16%削減されている。
東京の文化を振興するために、東京都としてやるべきことをやる姿勢をとり戻す。
Ⅳ 緊急提言
1. 石原都政のゆがみを正す
私物化・側近政治による都政のゆがみを直し、都政を正常化する
・ 情報公開制度の拡充で、都民の目による監視の制度化
・ 都民、NPO、企業市民や職員が積極的に参加できる民主的な体制づくり
・ 高額給与の特別秘書の廃止、交際費などの抜本的見直し
2. 「都民のための都庁プラン(仮称)」の策定と実行
・ 思いつき施策の点検、終息にむけてのプロセスの検討・明示
・ 都政全体を総点検し、人と自然にやさしい首都づくりにむけて具体案を示す
3. オリンピック招致計画の見直し
2016年のオリンピック招致にかける費用、人員、労力が多大なものいなることを考えれば、都政における数々の課題の中で、真に優先すべきものであるかどうかは、慎重に考え直す必要がある。9月の正式申請まで時間はある。ここで、いったん立ち止まり、基本に立ち返って考え直すべきものである。
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新聞各紙もweb配信開始。夕刊には、まだ出ていなかった。
浅野氏が正式出馬表明 都知事選、石原氏と対決色(北海道新聞2007/03/06)
前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎氏(59)は6日、東京都庁で記者会見し「都政を転換させ、この国の政治への不信感を払拭したい」と述べ、4月の都知事選出馬を正式に表明した。
浅野氏は「透明性のある、風通しのよい都政にする」と述べ、情報公開の徹底などの公約を発表。3選を目指す石原慎太郎知事(74)への対決色を鮮明にした。
知事選には共産党推薦の元東京都足立区長吉田万三氏(59)、建築家黒川紀章氏(72)が既に立候補を表明しており、首都決戦の立候補者がほぼ出そろった。
自民党は石原氏、民主党は浅野氏をそれぞれ支援するため、夏の参院選の前哨戦として与野党対決の構図も注目されそうだ。
吉田氏以外の3氏は政党の推薦を受けず、無党派層の取り込みを狙った選挙戦を展開するとみられる(共同)。
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都知事選 浅野氏が正式出馬表明
前宮城県知事で慶応大教授の浅野史郎氏(59)は6日、東京都庁で記者会見し「都政を転換させ、この国の政治への不信感を払拭(ふっしょく)したい」と述べ、4月の都知事選出馬を正式に表明した。
浅野氏は「透明性のある、風通しのよい都政にする」と述べ、情報公開の徹底などの公約を発表。三選を目指す石原慎太郎知事(74)への対決色を鮮明にした。
知事選には共産党推薦の元東京都足立区長吉田万三氏(59)、建築家黒川紀章氏(72)が既に立候補を表明しており、首都決戦の立候補者がほぼ出そろった。
自民党は石原氏、民主党は浅野氏をそれぞれ支援するため、夏の参院選の前哨戦として与野党対決の構図も注目されそうだ。
吉田氏以外の三氏は政党の推薦を受けず、無党派層の取り込みを狙った選挙戦を展開するとみられる。
(2007年3月6日スポーツ報知)
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記者発表ぎりぎりまで、自分で原稿をPCで打ち、
ホチキスで記者会見用の資料10枚をとじたという。
最後に、「選挙についての基本姿勢」で浅野さんはこう結んだ。
「いい知事になるためには、いい選挙をしなければならない。「いい選挙」とは、都民の一人ひとりが関わっていける、行動していける選挙のことと考えています。「いい選挙」は、それに関わった都民の意識と行動を変えます。結果の如何にかかわらず、関わった都民にとっての大きな自信につながり、目減りのしない財産になります。こういった過程を経て日本の政治風土が変わっていくことを確信しています。・・・・・・」
「公職選挙法を厳正に守ること、選挙の運営について情報公開を徹底すること、最小限の予算で選挙を終えること、「小さな選対、大きな人の輪」といった基本的な姿勢は、私が過去に候補者として関わった宮城県知事選挙の場合と同様です。今までの東京都知事選挙ではなかったような形の選挙を、今回の選挙でぜひ実現したいと考えています。それによって、都民が変わります。政治が動きます。期待していてください。」
マニフェストは間に合わなかったようだけど、
争点(対立軸)を鮮明にした、浅野さんの思いあふれる
「スタンスと政策」になった。
「選挙のありようが、その後の知事任期のありようを決定づける」
という浅野さんらしい公正で自由な選挙をしてほしい。
最後まで読んでくださってありがとう

「一期一会」に




