みどりの一期一会

当事者の経験と情報を伝えあい、あらたなコミュニケーションツールとしての可能性を模索したい。

「悩みのるつぼ」~働かない夫を更正させたい:上野千鶴子さん「家長」と「主婦」を両方続けますか」

2009-10-07 14:13:25 | ジェンダー/上野千鶴子
非常に強い台風18号が上陸する可能性が濃厚になり、
東海地方にも近づいてきそうな気配です。
50年前の伊勢湾台風並みの勢力で、「ここ10年では最大の風速」とのこと。
8日には勢力を維持したまま上陸、本州を縦断する見込みです。
もし上陸すれば、畑の農作物にも大きな被害が出る心配があります。

ということで、ともちゃんは、午後から外で台風対策をしていて、
わたしは、家にいて、NHKテレビの台風情報を見る役目。
ちょうど2時のニュースをやっています。
   
東海から関東地方にいちばん近づくのは、明日の日中とのこと。
わたしも風雨が強くなる前に、植木鉢とかしまわなくちゃ、と思っているところです。
   

土曜日の朝日新聞「be」の〔悩みのるつぼ〕、
先週土曜日の回答者は上野千鶴子さんでした。

毎月一回、上野さんに回答がまわってくるようです。

10月の相談者は、育児休業中の31歳女性。質問は「働かない夫を更正させたい」。
上野千鶴子さんの回答は、「『家長』と『主婦』を両方続けますか」

〔悩みのるつぼ〕
働かない夫を更正させたい
(相談者 育児休業中 31歳女性)
 
 現在、職場を育児休業中の31歳女性です。この秋に第2子が生まれますが、26歳の夫が仕事をせず、上の子の面倒もみないので困っています。 
 3年前に結婚した際、夫は大学生でしたが、まもなく退学。定職にも就かず、アルバイトも長続きしません。
 一昨年の息子誕生を機に、私は育休をとり、家事と子育ての日々です。貯金を取り崩して何とか生活しています。
 それなのに夫は、家でテレビゲームをするばかり。家事を頼めばしぶしぶ手伝うけれど、自分からは動きません。子守を任せても、一緒にテレビを見ているだけ。「仕事してよ」と迫っても、「わかってる」と答えるばかりです。
 口論もしました。「就職して」から「1日2時間だけでもパートに出て」「ゲームの時間を減らして」と、要求のレベルをだんだん下げましたが、ダメなんです。
 夫の両親にも訴えましたが、「仕方ない子ね」という反応で、彼に注意するでもありません。甘いんです。
 彼のことは好きだし、子どもがいるので別れたくはありません。次の子が生まれた後は、私がすぐに職場復帰し、彼に「専業主婦」をさせてもいいのですが、今のままだと、子どもを任せるのは心配です。どうすれば、無気力な彼を「更正」させられるでしょうか。

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(回答者) 社会学者 上野千鶴子 
「家長」と「主婦」を両方続けますか」


 夫が仕事をしないのは仕事をする理由がないからです。
 あなたが働いて収入があり、育休がとれるような有利な職場におり、家事と育児を一手に引き受けていれば、夫は何もすることがありません。
 たぶんあなたは「家長」と「主婦」の役割を同時に果たしており、その両方がこなせるほど有能な女性のようですね。甘やかされて育った夫は、自分の親に代わる新たな庇護者を、あなたに求めたのではないでしょうか。
 「彼のことは好き」とありますが、彼のどこがよかったのでしょう?  世間知らずの純粋さや甘さ、安きに流れる弱さを含めて愛したのなら。これからもあなたが「家長」と「主婦」の二役を引き受けて、「うちにはもうひとり子どもがいる」と覚悟することですね。
 これまでも、ギャンプル狂いの夫や、極道や芸事に入れこむ夫を、「もうひとりの子ども」と見なして肝っ玉母さんをやってきた女性はいっぱいいるのですから。昔と違うのは、あなたを含めて今時の女は「しかたないわね、男ってそんなもの」と許容できないこと。妻の夫に対する受忍限度は明らかに低下しました。
 あなたは彼に何を期待しているのでしょう? 自分と結婚生活を継続したいなら育児か家事のどちらかか、またはその両方を分担するか、を要求するなら、そういう環境をつくらなければなりません。「子どもを任せる」のもそのひとつ。「心配で任せられない」としたら、あなたにその気がないか、それとも完璧主義で子育ての水準を下げたくないか。他人が自分と同じ能力の高さを持っているとは期待しないことです。任せたら干渉しない。子どもが元気で育ってくれたらそれでよしとすることです。
 もしかしたら現実逃避的で競争を避けたいらしい夫は、あなたよりよい親になるかもしれませんよ。外で闘って帰るあなたにとっても、何よりの癒しになるかもしれませんし、もしそれでも無責任な夫なら、人間的に問題があると見限るべきでしょう。
 それでも「男とはこうあるべし」という期待をあなたがどうしても捨てられないなら、男をみる目がなかった、といさぎよく母子家庭になる方が、この先、扶養家族もストレスも少なくてすむでしょう。
(2009.10.3 朝日新聞)


今までの、上野千鶴子さん回答の「悩みのるつぼ」もいっしょに紹介します。

●「悩みのるつぼ」2~性欲が強くて勉強できません:
上野千鶴子「むずむずしたら自分でほぐしましょう」(2009.8.5)


●妻の体に触れたいのに(66歳男性)/
性欲?関係欲?「触れたい欲」?(上野千鶴子さん)(2009.9.9)<


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話しは変わりますが、
性犯罪に関する裁判員裁判の記事は、毎日新聞も精力的に書いていますが、
10月の始めに、朝日新聞に二つの提言がつづいて載りました。

ひとつは、10月3日の性犯罪被害当事者の小林美佳さんの、
「性犯罪の法廷 専門裁判所は作れないか」。

2009.10.3 朝日新聞

10月1日には、弁護士で犯罪被害者学の専門家の守屋典子さん(常盤大学大学院准教授)の
「裁判員裁判 性犯罪被害者には選択権を」が載りました。


2009.10.1 朝日新聞

webには出ていないのが、ザンネンです。

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