ほんとうの満月がみられるは、今日9月9日とのこと。
それも「スーパームーン」という大きな月だそうです。
きのうはお月見をしただけで写真を撮らなかったので、
きょうこそは、と夕ご飯を食べてから、
デジカメを持って庭にでました。
昨夜は雲一つなかったのですが、
今夜は雲がかかっていて、風情があります。
刻々とかわるお月さま。
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青い月。
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赤い月。
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夜景モードで撮った、白い月。
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雲が切れたら「スーパームーン」がでてきました。
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ところで、9月の5,6日の、
朝日新聞の「見えない子」の連載、よかったです。
「無戸籍」ではないのですが、阪神大震災の被災者の救援活動をしているとき、
わけありの父親に連れられて岐阜に来た男の子がいました。
救援で受け入れてくれた方の家からも、突然いなくなってしまい、
数年後に、大きくなった青年が、父親の元をにげだして、
記憶をたどって、訪ねてきてくれました。
父親は、なぜかその子を連れて逃げ回っていて、
子どもを何年も学校に行かせていなかったのです。
その青年は、ずっと探して帰ってくると信じて待っていた母親と再会して、
学校(夜間中学)へ行きなおし、いまは平穏に暮らしていると、
きちんとした字で書いた、年賀状を送ってくれていました。
すべての子どもが、ひとりの人間として大切にされる社会にしたいです。
(見えない子:上)学び奪われ20歳 無戸籍、社会復帰へ ひらがな・足し算から (2014年9月5日 朝日新聞) 7年前の夏、埼玉県鳩ケ谷市(現・川口市)の市立教育研究所長だった宮原重則(70)は、研究所の一室に当時21歳の男性を迎えた。 男性は出生後も親が戸籍を作らず、学校に一度も通ったことがなかった。元小学校長の宮原は男性に中卒程度の学力をつけようと、週2~3回のマンツーマン授業を始めたが、のっけから途方に暮れた。 ひらがなや数字は少し書けたが「8」は団子二つ、「6」のなぞり方は逆。足し算引き算は両手指で数えた。宿題を出してもやってこない。問題がわからないと身を硬くしてじっとした。「固まるのが彼の最大の武器だった」。どう教えればいいのかわからなかったという。 男性は20歳まで家族以外に知られることなく生きてきた。存在を知られたのは、自身が犯した事件がきっかけだった。 2006年10月、男性はスーパーでの窃盗などの容疑で逮捕された。警察の調べで住民登録をしていなかったことが判明。同居の母親に照会すると借金があり、債権者に居場所を知られたくないと、出生届も出していなかった。「テレビとゲームだけが友人という生活」(弁護人)を送っていたという。 「家族以外の社会との関わりをほとんど持たないような単調で閉鎖的な生活を繰り返し、生活空間の広がりが見られないまま成長してきた」。07年3月、さいたま地裁は男性の生い立ちを踏まえ、「教育と基本的な生活習慣や社会常識を身につけさせることが急務」と、執行猶予付きの判決を言い渡した。 「まさかの世界、でしたね」。市長だった現さいたま市副市長の木下達則(66)は言う。市は男性の戸籍を作り、自立支援に向けた庁内会議を開いた。小学校の1年生の教室に机を置くことを複数の学校長に打診したが、断られた。やむなく市役所の会議室でお辞儀の仕方や靴のそろえ方から教えたが、専従教師を配置できず、担当は日替わりだった。 見かねた宮原が受け持った。小学1年の教科書から始めて2年の教科書を開き始めた08年3月、契約更新されずに退職。その後、市が男性を支援した目立った形跡はない。当時の市幹部は「川口市との合併(11年10月)準備に追われ、支援チームは自然解消した」と言う。 男性は関東の夜間中学に入学した。市の関係者が世話をしたらしい。 「寡黙だけどわからないところは一生懸命に聞いてきた」「一つのことを飽きずにこつこつできる子だった」。学校関係者の話から浮かぶ彼の姿は、宮原の知る彼とはまるで別人だ。中学レベルの数学もこなした。礼儀正しく、年下の同級生にも丁寧語で話した。当時の作文には学校生活について「楽しい」と繰り返し書かれている。 「集団には相互に刺激し合い、励まし合う力がある」と宮原。「本当は、成長段階で学校に身を置かせてあげたかった」 男性は夜間中学で3年間学び、卒業。周囲に「自立したい」と話していたが、アパート2階で母親と暮らす。 今年8月、電話で取材を申し込んだ。現在28歳の彼は自身の生い立ちをどう受け止めているのか、社会の一員になって内面にどんな変化が起きたのかを聞きたかった。応対した母親は「障害者の福祉施設で働いています。楽しく暮らしています。そっとしておいてください」と言って、電話を切った。=敬称略 (後藤泰良)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
(見えない子:下)寄り添う心が支え 戸籍・短大進学…児童館が奔走 (2014年9月6日 朝日新聞) 日本最大の日雇い労働者の街、大阪・釜ケ崎にある児童館「こどもの里」は、カトリック団体の学童保育を前身に1980年開館した。まもなく常連になった女の子は来館すると決まって国語のドリルを開いていた。 「これ、今日の宿題やねん」。当時、小学3年生のふりをしていた大谷純(42)だ。ドリルは借り物。下校時間を見計らって児童館に顔を出した。なぜ自分だけ学校に通わないのか、わからなかった。ただ周囲に知られたくなかった。 釜ケ崎のドヤ(簡易宿泊所)の4畳半と3畳の2室で両親と3人の弟の6人で暮らした。日雇いの手配師の父は、稼ぎをアルコールやパチンコにつぎ込んだ。家計は母がたこ焼き屋やドヤ掃除の手伝いでしのぐ自転車操業だった。 純が最も頼りにしたのが、児童館の職員の荘保共子(しょうほともこ)(67)だった。時々、母のつかいで荘保に弟たちのミルク代を借りに来た。いつも天真らんまんな子が、このときばかりは表情が硬かった。涙をこらえている。荘保にはわかった。どんなにつらくても人前で泣かない。純の涙を見たのは、今に至るも2回しかない。 純が本来なら小5の年、荘保は小学校の運動会の応援に向かった。どこを捜しても純の姿が見えない。ドヤに走った。部屋に母子がいた。「学校、行ってなかったんやね」。うつむき涙する母にわけを聞いた。 配偶者がそれぞれ別にいる純の父と母は同居して4人の子をもうけたが、出生届を出していなかった。無戸籍だから学校にも行けないと、母は誤解していたらしい。戸籍がなくても就学できる。荘保はそんなケースを知っていた。 「純ちゃん、学校に行きたいんちゃうの?」。荘保の問いに、純の涙は止まらなくなった。純は小5、すぐ下の弟は小3で初登校した。荘保と仲間たちの奔走で、後に戸籍も作った。 荘保は純を支え続けた。純が小6のとき4人目の弟が生まれた。一家は家賃が払えず、生活保護を受けて6畳一間のアパートに移った。まもなく父が蒸発。高3のときに母も消えた。 きょうだい5人離散の危機に荘保は児童館が後ろ盾となって一緒に暮らせるよう区役所にかけ合った。親の借金をめぐって業者と交渉し、利子を放棄させた。 短大進学も後押しした。純は高校を卒業して大阪の特別養護老人ホームに勤めたが、児童館に出入りする純に「先生になったら」と勧めた。短大で学ぶために仕事をやめたら、生活保護を受けられるのか。純は区役所に相談したが、生活保護法は大学や専門学校に通う人を保護の対象にしない。 「生活保護のくせに短大に通うの?」。職員のことばに、荘保に2度目の涙を見せた。荘保は仲間にカンパを呼びかけ、2年分の学費200万円を集めた。 純は大阪成蹊女子短大(現・大阪成蹊短大)卒業後に結婚。子育てしながら32歳で堺市の小学校支援学級の介助員になり、翌年教壇に立った。 「血のつながりがあってもなくても、寄り添い認めてくれ、期待してくれることが力になる」と純。「子どもが抱える現実は行政サービスの枠に収まりきらない。家族の問題に踏み込まないと、子どもは幸せになれない」と荘保。 純は今、夫と離婚し高3と中3の息子2人と暮らし、雑貨店を手伝う。「10年後には、どこかの田舎で里親をしてるかな」。荘保と未来の自分の姿を重ね合わせる。=敬称略、おわり (田中章博) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
最後まで読んでくださってありがとう
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明日もまた見に来てね
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