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ところで、
強制わいせつの事件をめぐって最高裁が判例を変更しました。
強制わいせつ罪は「被害者の受けた被害の内容、程度にこそ目を向けるべきだ」として、
「性的意図」がなくても成立するという判決で結果オーライ、
とはいえ、
最高裁判事の問題意識のは高いとは言えず、歯切れの悪い判決文ですね。
判決全文(平成28(あ)1731 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の
保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件)
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ところで、
強制わいせつの事件をめぐって最高裁が判例を変更しました。
強制わいせつ罪は「被害者の受けた被害の内容、程度にこそ目を向けるべきだ」として、
「性的意図」がなくても成立するという判決で結果オーライ、
とはいえ、
最高裁判事の問題意識のは高いとは言えず、歯切れの悪い判決文ですね。
【社説】性犯罪の新判断 「社会の変化」と最高裁 2017年11月30日 中日新聞 強制わいせつの事件をめぐり、約半世紀ぶりに最高裁が判例を変更した。「性的意図」がなくとも犯罪は成立すると断じた。性犯罪に厳しい社会の流れ、被害者に目を向けた新判断を評価する。 「知人から金を借りる条件として、女児のわいせつ画像を要求された」と被告が述べた事件だった。女児の体を触り、携帯電話で撮影したが、「性的意図はない」と否認したことが問題になった。 基になった最高裁判例は一九七〇年にある。主文は破棄差し戻しだが、こんな一文がある。 <性欲を刺激興奮させ、または満足させる等の性的意図がなくても強制わいせつ罪が成立するとした第一審判決および原判決は刑法の解釈適用を誤った> 普通の犯罪ならば、「行為」と「故意」によって成立する。だが、強制わいせつには「行為」と「故意」だけでなく、「性的意図」を必要とした。性的意図とは性欲を満たそうとする、いわば心の中の「主観」である。 だが、約半世紀前のこの判決には反対意見もあった。入江俊郎判事である。終戦直後の法制局長官で、日本国憲法の立案責任者だった人物だ。 <相手方(被害者)の性的自由を侵害したと認められる客観的事実があれば、当然に本条の罪は成立すると解すべく、行為者(犯人)に多数意見のいうような性的意図がないというだけの理由で犯罪の成立を否定しなければならない解釈上の根拠は見いだしえない> 今回の判例変更も、これとほぼ同じ論法である。付け加えるならば、「社会の変化」論であろう。 つまり二〇〇四年に強制わいせつなどの法定刑を引き上げた。今年七月にはさらに性犯罪の厳罰化が施行されている。百十年ぶりの性犯罪に関する刑法の大幅改正だった。強姦(ごうかん)罪の名称を「強制性交等罪」と変えたり、被害者の告訴を必要とする「親告罪」の規定を削除する内容だった。 今回の判決は、これらの法改正は「被害の実態に対する社会の受け止め方の変化を反映したものだ」と述べる。つまり「社会の変化」論である。そのうえで強制わいせつの解釈も「被害者の受けた被害の内容、程度にこそ目を向けるべきだ」とした。同意する。 セクハラはもちろん許されなくなったし、ネットの発達で児童ポルノなども拡散し、保護がいっそう必要になっている。国民の処罰感情も高い。判例が社会の変化に対応するのは当然といえる。 |
判決全文(平成28(あ)1731 児童買春,児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の
保護等に関する法律違反,強制わいせつ,犯罪による収益の移転防止に関する法律違反被告事件)
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強制わいせつ罪の成立要件 最高裁が47年前の判例を変更 11月29日 NHKニュース 他人にわいせつな行為をしても性的な欲望を満たす目的でなければ強制わいせつの罪は成立しないという判例について、最高裁判所大法廷は「被害の有無や内容に目を向けるべきで、行為の目的を一律に要件とすべきではない」という判断を示し、47年前の判例を変更しました。 強制わいせつの罪は「暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした者」が罪に問われますが、昭和45年の判例で最高裁判所は「性的な欲望を満たす目的でなければ罪は成立しない」という判断を示しています。 おととし、女の子にわいせつな行為をして画像を知人に渡したとして強制わいせつの罪などに問われた40歳の被告は「金を得るのが目的だったので罪は成立しない」と主張しましたが、1審と2審で「判例は妥当ではない」として実刑判決を言い渡され、上告していました。 29日の判決で、最高裁判所大法廷の寺田逸郎裁判長は「性的な被害に関する規定は社会の受け止め方を踏まえなければ処罰対象を適切に決めることはできない」と指摘しました。そのうえで「強制わいせつ罪の成立を判断する際は、被害の有無や内容、程度に目を向けるべきで、行為の目的を一律に要件とすべきではない」という判断を示して判例を変更し、上告を退けました。 性犯罪をめぐっては刑の重さを見直す法改正が行われるなど被害者の声が重視されるようになっていて、29日の判決はこうした流れをくんだものといえます。 批判的意見ある中での判例変更 29日の判決で変更された昭和45年の判例は、当時から専門家の間で批判的な意見が出ていました。このときの裁判では、女性を裸にして写真を撮影した被告が「報復するのが目的だった」と主張し、当時の最高裁判所は罪が成立するには暴行や脅迫によってわいせつな行為をしただけでなく、自分の欲望を満たす目的がなければならないという判断を示しました。 しかし、詳しい理由は示されず、小法廷の5人の裁判官のうち2人は反対意見を述べていました。また刑法学者の間でも「刑法の条文に規定されていない内容で、根拠がない」などという批判的な意見が出ていました。 その後の裁判では犯行の目的が欲望を満たすことだったかどうかが争われるケースはありましたが、判例そのものが妥当かどうかが争われることはほとんどなく、50年近くが経過して判例が変更されることになりました。 最高裁判所の大法廷で犯罪の成立要件をめぐって判例が変更されたのは、平成15年の業務上横領罪の判決以来です。 最高検「妥当な判決」 最高検察庁は「検察官の主張が認められたもので、妥当な判決だ」というコメントを出しました。 弁護団「判例変更は不公平」 判決のあと被告の弁護団は会見を行い、奥村徹弁護士は「これまでの判例を踏まえると被告は無罪なのに、この事件から判例を変えるというのは不公平だ」と訴えました。 |
強制わいせつ罪で最高裁が47年ぶりの判例変更 気になる歯切れの悪さと今後の捜査公判への影響 前田恒彦 | 元特捜部主任検事 11/30(木) yahooニュース 強制わいせつ罪の成立要件について、最高裁が性的意図を一律に求める47年前の判例を変更した。結論は妥当だが、歯切れの悪さも気になる。判決文に基づき、判決理由や今後の捜査公判への影響について触れてみたい。 【これまでの経過】 今回の事案は、被告人が、知人から借金をする条件として、その要求に従い、7歳女児に対し、自宅で自己の陰茎を口にくわえさせるなど、性的虐待を加えた上で、その状況をスマートフォンで撮影し、知人に送信したというものだ。 この点、1970年に下された最高裁の判決では、強制わいせつ罪の成立要件について、行為の性質や内容にかかわらず、犯人の性的意図を要するという一律必要説が妥当だとされていた。 被害女性の手引で内妻が逃げたと信じた男が、報復のためにその女性を脅して裸にさせ、写真撮影したという事案に対し、男に性的意図が認められず、強制わいせつ罪は成立しないと判断したわけだ(強要罪は成立しうる)。 他方、そうした判例を前提としつつも、その後、これまで今回のような事案と同種のケースが起訴されると、裁判所は、たとえ加害者が性的意図を否認していても、犯行の内容や状況などから性的意図があったと認定してきた。 今回の事案でも、当初、検察側はその旨の主張をしていた。 しかし、一審が、証拠上、被告人に性的意図があったと認定するには合理的な疑いが残ると判断したことで、異例の展開となった。 もし必要説に立てば強制わいせつ罪は無罪となる一方、不要説に立てば有罪となる(どちらも児童ポルノ製造・提供罪では有罪)。 これに対し、一審、控訴審とも1970年の判例の立場を否定し、次のような明確な不要説に立ち、有罪とした上で、児童ポルノ製造罪などと併せ、被告人を懲役3年6月の実刑とした。 「強制わいせつ罪の保護法益は、被害者の性的自由と解されるところ、犯人の性的意図の有無によって、被害者の性的自由が侵害されたか否かが左右されるとは考えられない」 「犯人の性的意図が強制わいせつ罪の成立要件であると定めた規定はなく、同罪の成立にこのような特別の主観的要件を要求する実質的な根拠は存在しない」 「客観的にわいせつな行為がなされ、犯人がそのような行為をしていることを認識していれば、同罪が成立する」 これを受け、判例違反などを理由として弁護側が上告していたところ、最高裁は47年ぶりの判例変更を行い、上告を棄却したというわけだ。 【陳腐化した1970年判例】 その理由として、まず最高裁は、おおむね次のように述べ、これまでの判例の問題点を指摘した。 ・強制わいせつ罪が成立するか、法定刑の軽い強要罪等が成立するにとどまるのか、性的意図の有無によって結論を異にすべき理由が不明。 ・強姦罪の成立には故意以外の行為者の主観的事情を要しない。 その上で、最高裁は、おおむね次のような理由を挙げ、「今日では、強制わいせつ罪の成立要件の解釈をするに当たっては、被害者の受けた性的な被害の有無やその内容、程度にこそ目を向けるべき」とし、47年前の社会情勢などを前提とした1970年の判例はもはや維持し難いとした。 ・性的被害に係る犯罪規定やその解釈は、社会の受け止め方を踏まえなければ、その処罰対象を適切に決することができない。 ・1970年以降、諸外国において、その時代の各国における性的被害の実態とそれに対する社会の意識の変化に対応し、各国の実情に応じて犯罪規定の改正が行われてきた。 ・わが国でも、性的被害に係る犯罪やその被害の実態に対する社会の一般的な受け止め方の変化を反映し、2004年の刑法改正で強制わいせつ罪や強姦罪の法定刑を引き上げ、2017年の刑法改正でも強制性交等罪を新設、法定刑を更に引き上げ、監護者わいせつ罪や監護者性交等罪を新設するなどしている。 確かに、もし現時点で被告人が同じ行為に及べば、強制わいせつ罪ではなく、強姦罪改め「強制性交等罪」が成立し、懲役5年以上の重い刑罰が科される。 膣内挿入のみならず、肛門内や口腔内への陰茎挿入も強制性交等罪で処罰されることになったからだ。 もっとも、最高裁が犯行後に行われた刑法改正の事情までをも挙げ、犯行当時に遡って法解釈を左右させたのは、理由付けとして必ずしも妥当とは言い難い。 児童に対する性的虐待を児童ポルノ製造・提供罪で有罪とするにとどめ、強制わいせつ罪について無罪放免とすることは被害の実態からかけ離れている上、到底許しがたく、何とかそれを併せて処罰したい、という価値判断が強く働いたからではないか。 【「わいせつな行為」とは】 では、最高裁は、性的意図の有無を検討する必要などないとまで言い切っているのか。 この点については、最高裁もなお必要説に未練を残しているようで、おおむね次のように述べている。 ・刑法176条にいう「わいせつな行為」と評価されるべき行為の中には、(1)強姦罪に連なる行為のように、行為そのものが持つ性的性質が明確で、行為が行われた際の具体的状況等如何にかかわらず当然に性的な意味があると認められ、直ちに「わいせつな行為」と評価できるものと、(2)行為そのものが持つ性的性質が不明確で、行為が行われた際の具体的状況等をも考慮に入れなければ性的な意味があるかどうかが評価し難いような行為もある。 ・しかも、強制わいせつ罪の法定刑の重さに照らすと、(1)(2)の全てが「わいせつな行為」として処罰に値すると評価すべきではない。 ・いかなる行為に性的な意味があり、処罰に値する行為とみるべきかは、その時代の性的被害に係る犯罪に対する社会の一般的な受け止め方を考慮しつつ客観的に判断される。 ・「わいせつな行為」に当たるか否かの判断を行うためには、行為そのものが持つ性的性質の有無及び程度を十分に踏まえた上で、事案によっては、行為が行われた際の具体的状況等の諸般の事情をも総合考慮し、社会通念に照らし、その行為に性的な意味があるといえるか否かや、その性的な意味合いの強さを個別事案に応じた具体的事実関係に基づいて判断せざるを得ない。 ・そのような個別具体的な事情の一つとして、行為者の目的等の主観的事情を判断要素として考慮すべき場合があり得る。 【歯切れの悪さ】 すなわち、最高裁は、一審、控訴審のような明確な不要説を支持したわけではなく、一律必要説に立つ1970年の判例の立場は取り難いとしたものの、さらに一歩踏み出し、その判例を完全な間違いとし、「一律不要」と断言するまでには至らなかった。 その上で、今回の事案については、行為そのものが持つ性的な性質が明確であるから、その他の事情を考慮するまでもなく性的な意味が強く、客観的に「わいせつな行為」であることが明らかだとした。 一審、控訴審の有罪判決を是認しており、結論としては妥当だが、判例変更の範囲を最小限のものにとどめており、歯切れの悪さを残す形となった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ |
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