熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

リスクとリターン

2007-06-20 22:44:01 | Weblog
先日、ある証券会社のセミナーに出席しました。
そのセミナーで、講師が盛んに強調していたのが、
①株は勝ちに行く、資産管理は負けない運用
②リスクとリターンは同じ程度存在する
でした。

①は、投資の鉄則です。興味深いのは、②です。
いわゆる、ハイリスク商品は、ハイリターンが期待できる。
元本保証の安全な商品は、リターンを犠牲にしている。
つまり、一方的に良い商品はなく、良い点を強調した商品は、同時に悪い点も存在するということです。

これは、投資についてだけでなく、全てに通じる真理のような気がします。
「リターン(良い点)とリスク(悪い点)は、常に同じ程度存在する」です。

テレビ「ガイアの夜明け」で、地方のバス路線が危機的状況にあることが放送されていました。
バス・タクシーの規制緩和で新規参入が自由になり、その結果、競争激化で運賃が低く抑えられました。これが、規制緩和のリターン(良い点)です。
その反面、地方のバス路線が赤字で廃止に追い込まれ、利用者が悲鳴を上げています。これが、規制緩和のリスク(悪い点)です。
このように、リスク(悪い点)とリターン(良い点)は、常に同じ程度存在するので、リターン(良い点)にばかり目を向けると、判断を誤ることになります。

前回の衆議院選挙で、郵政民営化のリターン(良い点)を強調して大勝した自民党のリスク(悪い点)が出始めています。これから更にひどくなるでしょう。
リスクに目を向けることが必要です。

そうそう、悪いことばかりでは救いがないですね。
「ガイアの夜明け」で、地方の路線バスの復活に、NPO法人が名乗りを挙げ、地域住民と協力し、地方自治体の若干の支援を受けて、路線バスの運行を行っているそうです。
規制緩和をするか、しないかの二者択一ではなく、その中間の対応、すなわち、NPO法人と地域住民が協力して活動し、地方自治体が財政面でサポートすることで、財政支出を抑えながら公共交通を確保することができるわけです。

二者択一の議論は、単純で分かりやすいので、判断を誤る危険性があります。
「リターンがあるところに、同じ程度のリスクが存在する」ことを常に意識しながら判断することが重要です。

投資セミナーも案外役に立つものです。



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