熟年新米弁理士のひとり言

平成18年に59歳で弁理士試験に合格した企業内弁理士です。弁理士試験、企業での知的財産業務について、気軽にお話します。

裁判員制度

2007-06-25 19:37:45 | Weblog
今日の日経朝刊に「裁判員制度と事件報道」についての記事が掲載されていました。
裁判員制度のスタートが二年後に迫る中、公正な裁判を実現するため、メデイアによる事件・犯罪報道のあり方を見直す必要があるのではないかとの議論が盛り上がりつつあるそうです。

これは、被告を犯人と決め付けるような報道が繰り返されると、裁判員に予断を与えかねないと考えられるからです。
表現の自由、報道の自由を守りつつ、どう懸念に応えていくのか、日本新聞協会も検討を始めているそうです。

容疑者、被告は裁判で有罪とされるまでは無罪と推定され(推定無罪)、裁判は証拠のみに基づいて審理されるのが刑事裁判の大原則です。
しかし、メデイア、特にテレビのワイドショーの報道は、かなり偏った報道がなされます。また、コメンテーターが感情に左右されやすい人が多く、視聴率を上げるための過剰な演出も目立ちます。

松本サリン事件のような誤った報道があると、裁判員が影響を受け、冤罪が起こる危険性が高いと思われます。
メデイアの冷静な報道が望まれます。

何年か前に、東京地裁で、日米模擬裁判が開催され、それを見学した経験があります。この模擬裁判は、同じ特許権侵害事件を日米の模擬裁判を行い比較するというものです。

日本の裁判は、当時東京地裁の三村裁判長が判事を務め、弁護士が原告、被告の代理人として審理がなされました。
米国の裁判は、陪審員制度で審理され、会場から選ばれた陪審員が、原告、被告の代理人である弁護士の主張を聞き、判決を出します。

この結果は、正反対のものとなり、会場が大きくどよめきました。私は、日本の裁判結果と同様に、米国の裁判でも被告勝利でしたが、なぜ陪審員が正反対の結論を導いたのか理解できませんでした。
その選ばれた陪審員の中に、大学院のゼミ生がいましたので、後で、そのことを質問したところ、陪審員の中に、声の大きい人がいて、その人にリードされて正反対の結論がでたそうです。
後で冷静に考えてみると、被告勝利が正しいことが分かり、ムードに影響されることの危険性を強く感じたそうです。

裁判員制度を有効に機能させるためにも、メデイアの冷静で、正しい報道が望まれます。


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