バスに乗って六魂祭の会場へ。笛や太鼓、祭りの音が会場を包んでいる。ここは非日常の世界である。立錐の余地のないような人の群れのなかを、東北六県の祭りのパレード踊りながら通る。山形市の中心街に集まった人は13万人、2日間で26万人を超えた人が集まったことになる。震災の復興を願って各県が持ち回りで行っているイベントだ。正午から始まるパレードにこれだけの人が集まるのは、初めてだし、今後ももうないのではないか。
笛そへば祭太鼓の高くなる 中村 汀女
青森のねぶた祭り、秋田の竿灯、仙台の七夕、そして山形の花笠。加えて岩手からさんさ踊り、福島のわらじ祭りの揃い踏みである。山形市内は交通規制が行われ、このイベントで街中が祭り会場の様相を呈した。
祭りはそもそも、人々の神への願い、感謝を厳しい禁忌のなかで行うものであった。その禁忌があけた直会において、無礼講となり、ご馳走を食べ、酒を飲んで踊りあかす夜となる。六魂祭の願いは、震災の復興。神への願いの色合いは薄くなり、直会の意味が増し、観光の色彩が強いものなっている。こんな、人波のなかに半日身を置いて、パレード見たり、写真を撮ったりした。非日常の興奮がしずかに身体のなかに入り込み、遠い日の祭りの思い出に浸った。
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