常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

種まき藤

2014年05月04日 | 農作業


畑で農作業をしていると、近くに経験豊富な人がいて、聞くと色々と教えてくれる。「オクラの種はもう蒔いて大丈夫ですか」と聞くと、「うーん、5月8日と決まっているな。だが、家の庭の藤が満開だから、もうみんな大丈夫だよ」と答えてくれる。この人は、藤の花が咲く時期を目安に種まきの時期を決めているようだ。今朝、先日蒔いたシュンギクが、小さな芽を出した。2mmにも満たない小さな芽をみるときある種の感動を覚える。小さな芽を守り、立派に育てようという意識が強くなる。

八甲田山の雪がとけて雪の形が老爺に姿に似てくると、「タネマキオッコ」と言って苗代の種まきしたという。この種の話は各地にあって、種まき爺、代馬など農家の人たちは山の雪解けを見ながら、農作業の暦に利用してきた。村山市の土生田の山中に、種まき桜というのがある。これは山桜の大木であるが、この花が咲くとやはり苗代に種を蒔いたという話を聞いたことがある。

花や山の雪だけでなく、鳥が時を知らせることもある。「カッコウが鳴いたら、蛭が卵を産む。せりを摘んではいけない。」「ほととぎすが啼くと麦が熟れている。」「立ち葵の花が先端まで咲いたら里芋を掘る」などなど、畑の隣人から聞いた俚諺である。田に稲を植えたり、畑に作物を作ってきた農民は、いろんな自然現象を観察して、種を蒔いたり、収穫時期を決める参考にしてきた。長く続いててきた言い伝えには、無視することのできない、生きた経験が詰まっている。

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コメント (2)
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