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静岡の親戚から、朝掘りの筍が届いた。こちらの山地は、早いアサツキが出始めたばかりで、桜前線とともに筍の出にも、南北の時間差に驚く。辰巳浜子は『料理歳時記』のなかで、鎌倉に移り住んで、近所の人から筍をもらったときの感激を書いている。
「春のある朝、裏のお家から掘りたての筍を土だらけの手で抱えて届けていただきました。嬉しさとおどろきの声をあげながら、取る手もおそしとひと皮だけむいて、時間をかけてゆっくりとむらし、厚い輪切りにして鰹節、昆布をふんぱつして、じっくり煮ふくめて黄瀬戸の大鉢に盛り、裏の山椒の若芽を枝付のままスパーッと切って添えました。ひと口、口に入れたときの素晴らしさ、鎌倉でこんな嬉しさに逢えるとは思ってもいなかったので大感激でした。」
今日、裏に静岡の竹林がなくても、朝取りの筍がクール便で翌日には玄関先へ届く。辰巳浜子の感激を北国に住みながら味わえる。昨日の茹でて灰汁抜きした筍は、今朝の食卓に、キンピラとみそ汁になって供された。
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夜は筍ご飯と筍のみそ汁。筍づくしの一日。土から芽を出す筍は、すざましい成長のエネルギーに溢れている。春先、冬の保存食で耐えてきた身には、このエネルギーをもらって、元気になる。畑仕事にも精をだすことができる。
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