常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

山形霞城公園の桜

2015年04月17日 | 日記


桜が咲いて、感動的な景色に浸れるのは、山形ではやはり霞城公園ということになる。明日からの花見イベントを前に、早朝から花見の人たちで賑わった。夜のライトアップよりも、朝日を受けて城の石垣に映える桜、そしてお堀の水に映る桜の方が断じて感動的である。桜に向けてカメラを向ける人も少なくない。「写真なんか撮るよりも、桜は肉眼で見るに限る」とつぶやいている人もいた。カメラを持ったからといって、桜を肉眼で見ていないわけでもない。その感動を、記録するのがカメラだ。

現在見られる山形城址は、最上義光が天正から文禄にかけておこなった大改築によるものである。山形の地形が東にある奥羽山脈の扇状地であるため、東西に大きな高低差がある。堀は低い方から掘りはじめ、水を落としながら高い方へ堀り進めていく必要があった。この城の東西の高低差は20mもあった。堀に囲まれた本丸は、現在復元工事がすすめられている。城に配された桜に感動するは、この城の歴史を語っているからであろう。



南追手門には、朝の光が十分には届いていない。石垣にしても、城址を整備するために手を加えられいるが、堀や桜に届く朝日は改修工事の雰囲気を再現している。最上義光の墓所のある光禅寺もまたその参道はみごとな桜並木である。義光が桜を愛したことは疑いのない事実だ。連歌師として名高い里村紹巴らと同席した連歌の座で、飛鳥井雅庸の句に義光がつけた句がある。

変わらじとのみ契りつる仲 雅庸
花ゆえに馴れそめけるも縁あれや 義光

いつまでも変わるまいと固い約束をした二人の仲と詠んだのを受けて、義光はそれは春の花見が縁でしたねと、城に咲く桜を持ち出してたくみに応答している。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする