アンデルセンの童話に「親指姫」という話がある。親指姫はチューリップの花から生まれた親指ほどの大きさしかない小さな少女だ。ある日、ヒキガエルに誘拐されて池に連れ込まれる。そこで親指姫は、魚たちに助けられて何とか池を脱出する。池から出たものの今度は、コガネムシに誘拐されて道端に置き去りにされてしまう。秋になって親指姫は野ネズミのお婆さんの家に居候をさせてもらうことになった。ところが、隣家に住むモグラがやってきて、親指姫に結婚を迫る。親指姫はモグラが嫌いで、結婚は断りたかったが、強引に話を進める。
親指姫は心のやさしい少女であった。モグラの家には、瀕死の状態で飛べないツバメがいた。親指姫は、毎日ツバメを介抱して病気を癒してやった。いよいよ、モグラとの結婚式の当日、ツバメに連れられて、花の国に逃げっていった。親指姫は、花の国でそこの王子さまに見初められ、結婚することになった。「親指姫」は子どもたちの心を揺さぶる童話である。
今日は年金の日。銀行に行くと、チューリップの鉢をプレゼントに貰った。赤い花と、黄色い花があったが、黄色い花を選んだ。オランダでチューりップの栽培が盛んで、毎年収穫する球根は12億個とも言われている。日本で一般に栽培されるようになったのは、明治以降のことである。
チューリップ開くを真上より覗く 鎌田 健一