3月の気温が高かったせいで、今年は春の動植物の初見が早い。新聞の報道では、気象台が観測したところでは、軒並み例年より早まっている。スイセン3月30日で例年より15日、サクラ4月10日で5日、ツバメ4月6日で3日、モンシロチョウ4月4日で5日早いといった具合だ。雑草地に蒲公英が咲いて、モンシロチョウが飛んでいる風景はやはり春の風物詩と言っていい。
蒲公英も最近ではセイヨウタンポポが主流だが、早春には丈の低いニホンタンポポが見られる。この地方では黄色がほとんどだが、四国、九州では白花のタンポポがあるらしい。
たんぽぽや日はいつまでも大空に 中村 汀女
蒲公英の花は、かって子どもたちの格好の遊び草であった。花のついた茎の切り口を裂いて水につけるとクルクルと反り返って花のような形になる。そのタンポポを見ながら、囃し歌を唄う。
タンポポタンポポ
わげー結って
爺がとけ嫁に行け
野原にはそんな子どもたちの遊ぶ声がいっぱいあった。野原を歩いていても、子どもたちが遊んでいる姿はめったに見かけない。淋しいことだ。