今週の山行は宮城県大和町の七つ森である。仙台の北18キロ、宅地開発の進む富谷町の西にある200m~300m位の里山が7つ並んでいる。仙台在住の人たちは、この山を7つかけて踏破することもあるようだが、今回我々の計画はその内の三つである。七つ森という名の通り、7つある里山のうち、たがら山、遂倉山、鎌倉山の三つだ。春の訪れとともに、山の様子は日一日と変わっていく。雑木林の新緑、そして目を足元に落とせば可憐な山の花との一年ぶりの再会となる。日当たりのよい場所では、もうカタクリの花は終わっていたが、所々に凛とした姿を見せる。
カタクリの花の脇で、咲いたばかりの美しい花はスミレ。タチツボスミレというのもあるが、その名の由来は、花の形状が大工道具の墨つぼに似ているからこの名になったという説がある。写真のスミレがタチツボスミレであるかどうかは定かではない。カタクリにしろスミレにしろ、木々の葉が繁る前に、たっぷりと日を受けて可憐な花をつける。この日、我々の登山仲間は7名であったが、山中で仙台のグループ14名、7名。そのほか、カップルで登る組みも2,3あった。いずれも、里山に春を告げる花々との出会いがその目的らしい。そのために、女性登山愛好家の姿が目立った。
宮城の山は、山形に比べて1週間ほど春が早くやってきているようだ。萌え出たばかりの新緑は、山に春がきている証である。ウグイスの初鳴きが、山のあちこちで聞こえている。加えて、木の芽、アイコ、コゴミなどの山菜も顔を見せている。天候に恵まれて、春のそよ風のなかの山歩きは快適である。里山の特徴として所々に急な斜面の登りや下りがあるが、足元に注意すれば、難所も短時間で通り過ぎる。
ニリンソウの群落に出会う。沢筋の雪解けあとにでるが、斜面に広がる花はお花畑のようだ。この若芽も山菜として食用になるが、葉の形状がトリカブトに似ているため、誤食すると命にかかわる。ニリンソウはこのように白い花を咲かせるから、間違わないためには花を確認した方が確かだ。キノコもそうだが、山菜という食材は人間が採取生活したころから、その安全性が確認されてきた。動物は本能的に食べるものを選択するが、人間は語り伝えられて知識によって安全性が守られる。山にある知らないものをむやみに食べるのは、厳に慎みたい。
エンレイソウの花は小さく、緑に包まれて地味な花だが、それだけに珍しく可憐である。こんな可憐な花に出会えるのも、春の山歩きである。カメラを携えたカップルが、珍しい花を見つけた写真を撮っていた。春山で山の花の知識を増やすものその醍醐味のひとつである。
鎌倉山の頂上への登りで、下山してくるグループにであった。この人たちは、7つのうち4つ登るという話であった。鎌倉山の頂上は14名のグループが昼食。コッヘルで湯を沸かしラーメンに舌鼓をうつ組もあった。本日の歩行距離4キロ、歩行時間3時間半。鎌倉山の下山中に風がつよくなった。下山後の温泉は滝ノ原温泉、ちどり荘。入浴料500円であった。