
春の最後の二十四節季の穀雨である。しとしとと降る雨が大地を潤し、播種に適した季節である。日本では昔から、菜種梅雨の名で知られている。この季節になると、畑の仕事に向かわなければならない。中国南宋の詩人范成大の詩に、この季節が詠われている。題して「四時田園雑興(春日)。
土膏動かんと欲して雨頻りに催し
万草千花一餉に開く
春がきて大地がゆるみ地中の養分が動こうとすると、雨がそれをしきりに促す。あらゆる草や花がたちまち芽吹き、たちまちのうちに開く。まさにこの詩の通りに、野原はそこかしに草の緑や花の色で装って行く。ただ降る雨はしとしととしたものではなく、強風と空を黒く染める雨雲から、短時間に集中して降る大雨である。そんな、悪天候をものともせずに花々は咲き誇っている。