常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

到来、桜前線

2015年04月08日 | 日記


都心で葉桜に雪が舞う天気になった。そんな中で、桜前線は山形に着き、近所の川岸の桜を開花させた。気温が高ければ、桜は勢いよく花を咲かせ、そして風雨で散っていく。その散り際は惜しまれるが、潔いものとして軍歌の「同期の桜」などで歌われもした。

西行法師が桜を愛したのは、もっと深い訳がある。平家の滅亡から、鎌倉幕府の創設。西行の生きた時代は乱世であった。京の町には死屍累々の惨状が続き、桜の花びらはその亡骸の上に降りそそいだ。その乱世に生きるよすがとなったのは、夜空に見る月であり、吉野の山を染め上げる桜の花であった。「花は、頭上いくばくもない中空に懸って現世を荘厳し、地上を浄化する。」と西行の花を看破したのは、上田三四二であった。つまり、花の咲く山々こそが、西行にとっては浄土であった。

吉野山こずゑの花を見し日より心は身にも添はずなりにき 西行法師
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