
気温が上がって、ベランダにヒヨドリの姿が見えなくなった。梅の花が咲いたり、草木の芽が伸び始めたので、ベランダの乏しい餌に魅力がなくなったのかも知れない。そこで、カボチャの種を干してあったのを、フライパンで炒って、さらに堅い殻をはずし実だけを置いてみた。それでも、ヒヨドリはやってこない。今年はもう来ないのだろうと諦めかけていたところへやってきた。カボチャの種を見つけたたしく、十分に餌を食べると、ベランダの手すりにとまって去る気配がない。カーテンの側にいっても、じっととまったままだ。カメラを取り出して、カーテンの隙間から盗撮するような状況で映像を収めた。こんな近くから、ピントもぶれずに撮れたのは初めての体験だ。
あたためし言葉を鵯に攫はれつ 石田あき子