常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

白鷹山

2016年03月12日 | 登山


ふた月ぶりの山行である。予定していた西黒森山は、積雪がなくブッシュに悩まされるという情報を得て、急きょ白鷹山に変更した。登山コースは、白鷹町の細野集落の兜松コースである。登山道の入口に、松の古木がある。樹齢は数百年といわれ、10mほどの高さだが、樹の姿が武士がかぶる兜を思わせる。米沢藩の殿様が、白鷹山の山頂にある虚空蔵尊を参拝したおりに、この木の下で休んだが、兜に似た松の姿を褒めた。そのときから兜松と呼ばれたと言い伝えられている。

昨日までの荒天が去り、薄く積もった新雪が日を受けて輝いている。降り残った小雪も太陽の光を受けて、ダイヤモンドダストのように輝いて見えた。しかも山中の雪は堅雪になっていて歩きやすい。急斜面ではアイゼンを使って快適な山行を楽しめた。登山口付近で林道を歩く中年女性に会った。しきりに青空のある木々の梢を眺めている。話しかけると、「今日はすばらしい日ですね。こんなに晴れてきれいな山は久しぶり。ダイヤモンドダストが見えますよ。」長靴をはいて近くに自宅から散歩を楽しんでいるらしい。こんないい天候に恵まれることのしあわせを感じた。



兜松コースは集落からの林道をやや長く歩くが、尾根道にでるまで急登である。しかし、堅雪になった雪道は登りやすい。杉や雑木の尾根を2時間半ほど登ると頂上に着く。頂上には虚空蔵尊を祀った白鷹山神社がある。白鷹山の話をすると、「私の守り本尊は白鷹山の虚空蔵尊だよ」という話をしばしば聞く。虚空蔵とは尽きることのない知恵や富の蔵を意味するらしい。丑年生まれの守り本尊で、この神社にお詣りして、知恵や富を授かるという信仰が古くからあった。またこの山は上杉藩の鬼門にあたり、藩主がここを参詣した。中興の殿様で鷹山公の名もこの山に由来するらしい。白い羽の鷹が13度、この山に飛び降りたという伝説の山である。



神社の裏手からの朝日連峰の眺望がすばらしい。手前の雑木で写真は十分には撮れないが、そんな欠点も気にならほど素晴らしい朝日連峰の雪景色だ。小屋で昼食、片隅には焚き火用の木が堆く積まれている。今回の山行は男4人と女性1人の5名。最高齢者は、白鷹山を守り本尊にする85歳のsさん。頂上手前で、ここで下山を待っている、との発言もあったが、sさんを先頭にゆっくりペースで登ったが雪道のペースにしては早い登頂であった。



今回はいい条件が3つ以上も重なって、登山の素晴らしさを満喫することができた。一緒に登る仲間も長い付き合いになっているので、何でも言いあえる会話もまた楽しい。少し残念なことは、若い仲間がいないことだ。前回の冨神山では、若い人のグループにも会えたが、今回は我々の貸し切りコースのようで、登山口の中年の女性以外は誰に会うこともなかった。


コメント
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