花桃
2019年04月23日 | 花
桜が終わると、花桃の美しが際立って来る。梅だけでなく、この花木も中国から伝えられた。そもそも、中国で大事されている花と言えば、桃と牡丹だ。中華料理の店に、桃香苑、桃華楼などの名を見かけることが多いことでも、桃がいかに大事にされているかが分かる。桃源郷はユートピアの中国版であるが、そこには咲き誇る桃の花がある。西王母の伝説でも、三千年に一度咲き、三千年に一度実をつける話が出て来る。
花桃は花を観賞するための桃で、日本で更に観賞用として、品種改良が行われた。花を盛んに植え付けるようになった江戸時代から、日本ではこの花が愛でらて来た。白とピンクの咲き分けがあるのは、盆栽の皐月と同じである。実はつけるが、小さく、食用には用いられない。
ネットを開いて見ると、この花の名所が紹介されている。群馬県みどり市、茨城県古河市、埼玉県ときがわ町、長野県須坂市などなど、東北では福島県の花見山公園だけが載っている。写真で見るだけだが、5000本もある花桃が咲き咲き誇っている景観は見事というほかない。
中国人の桃への思い入れ、それにプラスして日本人の花を愛でる文化がこの花を生み出した。今、ここでも、愛好家が庭にこの花を植えている。朝の散歩で、この辺で見かけた思いながら歩いていると、ここにも、あそこにも、見事な咲き分けの花が咲いている。