常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

趣味に生きる

2021年04月24日 | 日記
晴天が続く。コロナには関係なく花々が咲き乱れる。ハナカイドウは華やかで、空の青さを引き立てている。昨日、テレビで「プチ登山」というコーナーがあった。山形市の北東に標高400mの大岡山がある。ここを案内しているのは、81歳になる自分と同年代の清水さんという方だ。この人の日課はひたすらこの山を登ることだ。引き締まった身体、強靭な足腰。とても80代とは思えない。聞けば一日3回、毎日登るという。自分も週1以上のペースで山歩きをして、この年代で多い方と思っていたがとても及ばない。ウォーキングでも山形市の健康ウォーク、スクスクに登録してみると、自分の歩数の10倍も歩く人はザラである。

城を見て歩く趣味の人がいる。城といえば、白壁の天守閣、水堀に石垣のイメージでそこに住む領主の権威を競うものと考えていた。ところが国境の山城は戦国時代、国を守る砦の役割果たしてきた。城は土が成ると書く。自然の地形を利用して、登りやすい尾根に空堀を掘り、掘った土を盛りあげて土塁にしたり曲輪を設ける。城を辞書で引くと、「土石を積み重ねた、戦を防ぐためのとりで」とあった。数百年も前に造られた城の遺構を見ることを趣味とする城歩きは奥が深い。本丸への道は、鋭い角度でジグザクに切られている。死角になった曲がった所に弓を引く隊を置けば、攻め上がってくる敵を容易に射殺すことができる。山城のなかの堀に入り、人工の切り岸を見れば、ここから攻め入ることの難しさが実感できる。そこで戦う武士たちの息づかいが聞こえてくる気がする。先日案内してもらった長谷堂城では、斜面一面に植えられた射干の花が開花を迎える。この花さえ、敵が登る足を滑らせ、掴まれば抜けてしまう。長谷堂城の射干の花を見るのも一興だ。
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水芭蕉

2021年04月23日 | 登山
純白の美しさを知るのは、春の陽ざしをいっぱいに受けて水辺に咲く水芭蕉の花を見たときだ。遠い尾瀬まで足をのばさなくとも、この付近には水芭蕉のスポットがたくさんある。高度が高くなれば、咲くのも遅くなるので、夏の初めまでこの花を楽しむことができる。

「深夜独りで、懐中電灯を持ち、水芭蕉の咲く湿地のわきの小径を歩いて行くと、白い炎が限りなく続いていた。それは時々青味を帯び、更に微かな声さえ聞こえてくるように思われた。」(串田孫一)

もう夜道を水芭蕉を見に行くような元気はないが、この花を見ていると、串田の心境がわかるような気がする。夏の夜に蛍を見ることも、同じ陶酔を味わわせてくれるような気がする。

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ライラック

2021年04月22日 | 
この季節、戸外にでると期待した以上の出会いがある。この間一輪咲いたいライラックが3分ほど開き、芳香を放っている。吉井勇の歌に、

家ごとリラの花開き札幌の人は楽しく生きてあるらし

というのがある。札幌に限らず、この花が咲くと、花冷えの季節も終わり、人々の心も落ち着く。ライラックは英語、リラはフランス語、紫ハシドイは和名。この花には、その香りのせいか、ロマンの雰囲気が漂う。アカシアの花が咲くと、札幌の人はビールと欲しがる、という話を何かで読んだ。花は人々に季節を伝え、暮らしの色どりを変えていく。
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春の野

2021年04月21日 | 日記
青空に鯉のぼりがはためいている。妻をつれて、ワラビを探しに春の野に出かけた。膝関節の手術前は、山野を歩くなど想像もできなかったが、まだ小さなワラビを見つけて子どものように喜んだ。足が痛くなるからもう止めようと言っても、坂道でワラビを見つけて、なかなか止めようとしない。蕗の薹の花が咲いたもの、コゴミ、土筆など次々に採る。まだ覚束ない足どりではあるが、想像以上の回復である。ナズナを見つけて、「これも食べられる」という。昔住んでいた家の近くにたくさんあった。別名、ペンペン草、三味線草。

妹が垣根三味線草の花さきぬ 蕪村

老境の蕪村に、青楼に棲む年若い愛妓がいた。友人から意見されて、もうこの妓に会うのは止す、と手紙に書いた。その妓のいる楼の垣根で見つけたナズナの花を詠んだ句をその手紙に記した。嫁菜も食べられる野草だが、まだ、これと特定できない。代わりに、ナンマイ葉を見つけて、切り和えにできるほど分量を収穫して来た。
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穀雨

2021年04月20日 | 日記
今日、二十四節季の穀雨。百穀を生ずる雨、をあらわしている。昨日、降った雨が止み、陽がさんさんとさしている。桜の花にかわって芝桜、チューリップが咲いている。穀物の苗だけでなく、百花が咲き乱れる季節でもある。ライラックの花芽が伸びて下の方で咲き始めている。この花は例年であれば5月に咲く筈だが、今年はどの花も早く咲く。もう台風が、猛烈な勢いとなって沖縄を窺っている。

北海道の「ライラック祭り」は6月であるから、列島の季節は随分地域差がある、今年は北海道の花だよりも早いのだろうか。花冷えというのは、桜の季節に寒気がやってきて、思いがけぬ寒さに見舞われるこという。リラ冷え、という季語が北海道にはあるらしい。6月になっても、北海道では寒気がやってきて、「ストーブをつけたよ」という話題があったのを昨日のことのように覚えている。今日、東京では夏日、北海道には雪という話だが、その数日前に北海道は、初夏のような気温であった。

杜甫の詩に「春夜雨を喜ぶ」というのがあるが、野菜づくりを卒業した身には農作業のない春は、やはり少し寂しい。ベランダのプランターに葱の球根を埋め、伸びてきた芽に、水やりをして寂しさを紛らわせる。

好雨 時節を知り
春にあたってすなわち発生す (杜甫)
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