「コウライテンナンショウ 自然派お寿司」
冬はカメラの対象物が少なくてさみしくなります。
街路樹として植えられているナナカマドの実は、昨年暮れはあまり実を付けていません。一昨年はたわわに実をつけていたのにと思いながら実を眺めています。
ナナカマドの赤い実に降り積もった雪は、赤ら顔した小人にさえ見えます。「ナナカマド 赤ら顔して 雪帽子」
この冬は野山に木の実も少なかったのでしょうか 先日の大雪の朝ムクドリがナナカマドの実をついばみに来ていました。
野鳥はこのごろ用心深くなり、カメラを向けるとさっと飛び去って行きます。このムクドリも同じで、ナナカマドの赤い実とムクドリのコラボレーション姿はカメラに納めることができませんでした。
年の暮れから今年の1月15日まで、これと言って雪が降らなかったせいでしょうか、ナナカマドの実がむき出しの日々で、もうすでに柔らかく(うんで)なり、ムクドリたちの餌になっているのでした。例年だと2月後半頃に、小鳥たちが群れて食べに来るのに、今年は自然界に異常が起きているようにさえ思われます。
★さて表題の「自然派お寿司ですが」、昨年の秋に自然豊かな日高路の森に入りました。そこで、なんと可愛しらしい「自然派お寿司」に出会い、さっそくモデルになってもらいました。
こちらの写真はユキザサの実です。秋が進むと実は赤くなります。
本格的な秋の手前の頃で、コウライテンナンショウの実が赤と緑を織り交ぜて実ってました。「これってかわいんじゃない」とラビ妻と競って撮影したのです。コウライテンナンショウは元来食べられない植物ですが、アイヌはこの植物の根茎を食したと言います。しかし根の中心部には毒性が強く、それ取り除いて食べたらしいのです。
お寿司の様に見えるコウライテンナンショウの姿は面白みがありますが、現在は人は手に取ると気持ち悪いらしく、誰も取ることなく野に残りますので、赤い実は野山を散策する人の心を和ませてくれています。
2015・9・5日 カムイラビット撮影
今までにもいろいろなコウライテンナンショウの実を見ていますが、海苔巻き姿の実を見たのは始めてです。
野山を散策すると愉快な体験をすることもあるのです。