goo blog サービス終了のお知らせ 

マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

私がとらえた大和の民俗写真展⑧-火-待機解説の日

2020年05月26日 11時20分34秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
この日は、この年で8回目の開催になった「私がとらえた大和の民俗写真展-火-」の展示解説日。

立ち止まってくださった来館者に解説する担当日。

来られるか、来られないのか。

来られても足を止めてくださるのか、それとも見過ごして奥の特別企画展会場かイベントブース。

それとも常設展示会場なのか目的をもって来られる人が多い。

期間中に展示する写真を観られる人も目的があってのこと。

知る範囲であるが、ほとんどの人たちは写真家目的。

知り合いの写真家さんが出展する展示写真を観るのが目的なのか、それとも・・。

展示会場は奈良県立民俗博物館内の玄関ロビー。

普段なら200円の観覧・入館料は要るが、この日は「関西文化の日」。

施設入館料は無料になる。

これまで何度も、この「関西文化の日」に当番することが多い。

とにかく来館者数が凄い。

雑踏のような状況に見える会場に居られる人の移動に、写真展ブースに足を止めてもらう声かけ活動をするときもあるが、ふらっと立ち寄ってくださる来館者も・・。

展示会場の担当する時間枠は午後1時半から閉館の午後5時まで。

ちょっと早くに着いてぶらり散歩。

旧臼井家住居などがならぶ古民家施設。

入口ゲートを入ってすぐに左側に見えるイベントブース利用の来訪客が多い。

ここは併設する県立大和民俗公園内。

芝生の公園に設置したテントブースも多い。

今の時間帯は担当のほとんどの人も昼の休憩中。

500円で味わえる公園初のセグウエイ体験もお休み中だが、旧臼井家住居内でイベントしていた機織り体験は活動中だった。



設営した2基の機織り機は昼休憩でも忙しく動いていた。

向かい側にある旧鹿沼家の前で、会場来館者に食べてもらおうと”炊き立てごはん”を作って販売していた平城京再生プロジェクト統括マネージャーのT氏と名刺交換。

奈良県にはイロゴハンと称している素晴らしい郷土料理があると紹介した。

炊き立てご飯よりも、奈良に相応しい郷土料理のイロゴハン。

ふるさとフェスタにうってつけの食テーマだと思うので、是非とも検討を、とお願いした。



奥のブースはテント設営ばかり。



何を販売しているのか、ゆっくり見て廻る時間はない。

これほど多い関西文化の日。

県立民俗博物館事業としては「第5回なら民博ふるさとフェスタ」。

毎年が活況のフェスタである

その会場すぐ横にある施設は、現在工事中の旧萩原家住居・茅葺屋根の葺き替え工事。



2カ月前の9月より始まった葺き替え工事は、翌年の平成31年3月の完成を目指している。



工事中の建物には近寄れないので工事案内する立て看板の前から望んでいた。

併設する離れは旧赤土家離れ屋敷。



茅葺き状態にちょっと心配する。

茅葺屋根の差茅工事中の状況を撮っていた平成16年3月5日。

当時、活用していたシャープ製携帯電話のJSH53で撮っていた映像は記録もん。









工事から14年半後、早くも茅葺き屋根が崩れかけていたのであった。

その日はフイルムカメラも持参していたので同じ古民家をとらえる角度を替えて記録したが、この日のブログ記事は4枚のJSH53映像を公開しておく。

さて、茅葺き古民家はもう1軒ある。

旧萩原家・旧赤土家離れから見た向かい側に建つ旧吉川家もまた茅葺き屋根がやや崩れ。



県予算の関係もあって葺き替え工事は、傷みが酷く、危険状態の有無などを判断されて先送り。

それまでは見ての通り、安全確保のために工事中表示の虎カラー・バリケードを設置し通行禁止にしている。

関連施設にフェアの状況を把握してから博物館内に移動。

写真に関心を寄せる来館者に特別な話題提供も。

今回の展示テーマは―火―。

私の出展テーマは二つある。

一つは奈良県の東山間地に多くみられる伝統行事の「フクマル」。

もう一つは、日本全国にもみられるとんど焼きの習俗。

一部の地域では左義長とも呼ばれている小正月行事のとんど焼き。

焼くそのものではなく、そこに居た服忌の家族を思い出して、これしかないと決めた「遠慮のトンド」。

詳しくは図録で見ていただければいいのだが、在庫はない。

申しわけないが、当ブログにアップしているので参照いただければ幸いですので、取材したそれぞれをリンクしておく。

フクマルは、山添村広瀬の「フクマル呼び」。

山添村切幡の「迎えの痕」。

山添村菅生の「戸締めの福火」の三つ。

「遠慮のトンド」は、大和郡山市豊浦町の「不浄の小トンド」。

大和郡山市矢田町・寺坂垣内の「服忌の小トンド」。

大和郡山市矢田町・垣内の「遠慮の時間」の三つである。

それぞれのテーマに選んだ3枚組。

ブログから推定してみるのも良かろう、と思っている。

図録には、それぞれ400文字で綴った解説文を載せているが、敢えてこのブログには公開しない。

そうこうしているうちに館内はいっぱいの来館客で賑わっていた。

その場でお会いした知人たち。

一年ぶりにお顔を見るGさん。結婚され、お子さんも誕生したGさんは、以前、当館で受付をしていた女史である。

続けてお会いしたMさんもまた当館で仕事をしていた女史。2人の小学生女児を連れて館内見学。写真展も見てくださるのが嬉しい。

どこかで見たことのある、と思った男性。

「遠慮のトンド」に関心を寄せてくださった男性に、弔いの民俗がとんど焼きにあると説明した男性は、取材地の奈良市旧都祁の南之庄にお住いのNさんだった。

N邸は、存じている石垣組みが土台のお家。

2年前の7月3日に通りがかったときに見つけた石垣の民俗に思わずシャッターを押したことがある。

石垣の角に立ててあった小幣って何だろうか。

向かいの家に住む、当時村神主役を務めていたKさんに教えてもらった初宮参りに印す小幣とわかって、できるなら初宮参りを取材したいとお願いした。

ところが、そのKさんは1年前に亡くなった、という。

南之庄の行事を初めて取材したときからお世話になっていたKさんに・・合掌。

また、Nさんは、同都祁村の一角にある上深川のトーヤのマツリも取材してほしい、と願われたが・・。

次にお会いしたのは、今回の写真展に参加協力してくださった吉崎喜寿さん。

初の出展テーマは「野の煙」。

県の東山間地、主に山添村の風景写真を撮っておられる写真家の吉崎さんである。

民俗の様相をもとらえた風景写真に、私自身が感動、魅せられた映像に、今回の写真展に参加要請のお願い。

受けてくださったのが嬉しくて・・さすがの映像に感服している。

次の来館者に、えっ、今年も来てくれたの、と思わず声が出た元会社の同僚夫妻のTちゃん夫婦。

ほぼほぼ毎年に出かける十津川遊びの仲間。

昨年も来てくれた夫妻であるが、そのときも関西文化の日だった。

ネット調べに無料で拝観できる施設を探して大阪からわざわざ奈良まで足を運んでくれた夫妻。

今年は、アップした当ブログ日程を意識して来た、という意図が嬉しいよな。

次の来館者は、テーマ「浄火」を出展している写真家脇坂さんの作品目当てに来られたAさん夫妻。

この日、お仕事がお休みだった現館内受付の女史さんは、こうして展示している私の作品に興味をもったそうで。

民俗写真にすごく関心を寄せてくださった女史は、来館者の案内に役立てたいと熱心に聞いてくださるもまた嬉し、である。

また、かつて当館に勤めていたSさんも来てくれた。

勤め先は替わったが、この日は休み。

ならば行ってみよう、とやってきた旧知の職員にお願いして取材した民俗がある。

6月の6のつく日に行われるお家の習俗。

下の世話にならんように、という女性が願う魔除けのあじさい、である。

この場を借りて感謝申し上げる次第である。

その他、壮年男性に閉館間際までじっくり見ていた40歳代の女性も。

紹介しきれないほどにたくさんの来館者に、ありがとう、だ。

(H30.11.10 SB932SH撮影)

私がとらえた大和の民俗(9)―つくる―古民家写真展

2020年02月16日 22時50分36秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
奈良県立民俗博物館の古民家にて、8人のカメラマンが出展する「第9回 私がとらえた大和の民俗―つくる―」写真展は令和2年2月8日(土)より始まります。

今回で9回目を迎えた写真展の期間は令和2年3月8日(日)まで。

8人の写真家が、奈良の民俗行事・習俗・景観を写真作品にする競作展は、今年で9回目を迎えました。

毎年テーマを設定し、そのテーマにちなんだ奈良の民俗行事を写真作品にし、広く公開する試みとして、平成23年度(2011)より奈良県立民俗博物館で展示してきました。

今回のテーマは「つくる」です。

「日々の暮らしや営みのなかにある“つくる”、専業的な“つくる”、信仰のなかにある“つくる”、あるいはつくられたもの、つくるための道具など、さまざまな視点から奈良の“つくる”を切り撮った風景を紹介します。写真家がとらえた映像ら、奈良の行事や暮らしの移り変わりを考える機会になれば幸いであります」。

なお、2月8日(日) 13時半より、出展されるカメラマンたちが語る「写真家座談会~奈良に伝わる“つくる“~」があります。(無料) ・・・終了しました 

座談会会場は、写真展展示会場である奈良県立民俗博物館併設の大和民俗公園内施設の古民家(旧萩原家住宅・旧赤土家離れ座敷)になります。

古民家で開催する初の写真展。

旧家の風情、造りも観ていただければ幸いです。

私がとらえた大和の民俗(9)―つくる―古民家写真展

展示場所 奈良県大和郡山市矢田町545 奈良県立民俗博物館
     会場 旧萩原家住宅・旧赤土家離れ座敷 (入場無料/参加無料/申込不要)



会期   令和2年2月8日(土)から3月8日(日) <観覧無料>

<月曜日が休園日になりますが、2月24日は開園、25日が休園>

開園時間 午前9時~午後4時

開催期間中の金曜、土曜、日曜、祝日の午後1時から4時までは出展者が交替当番して滞在



展示作品(敬称略)
       「大和茶」(吉崎喜寿)/「掛鯛(かけだい)」(川島朱実)/「カンピョウ」(田中眞人)
       「稲作」(浦 聡)/「性(さが)」(森川光章)/「特別な箸」(志岐利恵子)
       「出雲人形」(的場 啓)/「秘密基地」(川畑秀樹)
当番日(敬称略)
       2月 9日(日)    川畑秀樹  ・・・終了しました 
       2月11日(火・祝)  田中眞人 盛況・・終了しました
       2月14日(金)    志岐利恵子 ・・・終了しました
       2月15日(土)    田中眞人  ・・・終了しました
       2月16日(日)    的場 啓  ・・・終了しました
       2月21日(金)    吉崎喜寿  ・・・終了しました
       2月22日(土)<雨天>森川光章  ・・・終了しました
       2月23日(日)    川畑秀樹 盛況・・終了しました
       2月24日(月・祝)  浦 聡  盛況・・終了しました
・・・・・・・・・27日(木)より以降3月8日(日)まで、急遽、中止・・・・・・・・・・・
       2月28日(金)<中止> 的場 啓
       2月29日(土)<中止> 志岐利恵子
       3月 1日(日)<中止> 森川光章
       3月 6日(金)<中止> 吉崎喜寿
       3月 7日(土)<中止> 川島朱実
       3月 8日(日)<中止> ほぼオールキャスト

下記期間に開催される季節イベント「古民家でひなまつり」があります

会場    大和民俗公園内施設の古民家(旧臼井家住宅)

会期    令和2年2月15日(土)から3月8日(日)・・27日より以降3月8日まで急遽、中止

開園時間 午前9時~午後4時

梅の花も見ごろを迎える時季、是非、お越しくださいませ。

(R2. 2. 4 SB805SH撮影)
(R2. 2. 7 記)
(R2. 2.11 SB805SH撮影)
(R2. 2.27 記)

写真展私がとらえた大和の民俗ー水―in旧臼井家民家で語る写真家座談会

2019年03月16日 09時22分46秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
今回で7回目になる「私がとらえた大和の民俗」写真展。

テーマは「水」である。

展示会場は奈良県立民俗博物館内の玄関ホール。

奈良の民俗行事や民俗に関わる風景をとらえる写真家の競作展
である。

この日は水にまつわる信仰や芸能、生業、造構など、写真作品を交えながら紹介する座談会。

8人の撮影者が出席した。

座談会の会場は大和民俗公園内にある動態保存する茅葺民家。



施設旧臼井家住居が場である。施設にある竃に火を入れて暖房するが、県内外から多数の聴講者が来てくださった。

この日、映像取材が入っていた。

奈良県の報道番組である県政フラッシュであるが、どうやら公開されなかったようだ。

配布資料は作者それぞれが揚げたテーマに3作品のタイトル並びに撮影地である。

カメラマンはどの地域に出かけているのか撮影地を地図に落としてくださった。

撮影者10に色マーク。

どなたがどの地域に行ってとらえているのか一目でわかるように工夫された資料である。

参加した写真家の心情、考え、意見に批判、思想までも。

一枚の写真を通じて伝えたい思いを伝える。

その人なりの思いが聴講者にどう響いたのか・・・。

共有化できるようにしたいものだが・・。

司会進行者が、質問ありませんかの声に手を揚げる人がいた。

何度も、何度も質問をされるが、写真家に対するものでなく、内容といえば、あそこ行ってきた、これも見たことがあると、ご自身の体験を話されるだけ。

質問ではなく、体験の思いを伝えたいだけのようだった。

後日、この日に来訪してくださった区長さんが、「お一人、場違いのお客さんがおられて、進行の妨げをされる場面がありましたが、なかなか面白い試みだったと思います」とコメントをくださった。

質問は写真家を刺激する課題になることもある。

質問の内容によって奮い立たせる撮影魂。

いつまでも挑戦者でありたい。

ちなみに区長には感謝している。

今回の私のテーマは区長の思いを伝えたかった。

だが、第三者では見えない部分は多々ある。

写真の解説を地元の声を代表してお話ししてくださった区長にまた感謝である。

(H29.12. 3 SB932SH撮影)

関西文化の日の初日は雨天

2019年02月22日 09時54分08秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
天気予報がどんぴしゃの大当たり。

この日は関西文化の日。

関西一円の博物館など文化的施設はどことも無料で拝観できる。

奈良県民俗博物館では今年4回目になる「なら民博ふるさとフェスタ」が開催された。

だが、この日は昨夜から降り続ける雨はやまずに、午前中いっぱいは降り続けた。

博物館内では常設展示に企画展、写真展がある。

館内においても手造り体験コーナーもあったが、客待ち状態。

外のイベントは残酷なくらいに客数が少ない。

昨年は駐車場も満杯で臨時駐車場も設けて応対したぐらいだった。

昨年は快晴。

日中の照りに汗もでるくらいだった。

そんな状況であってもお客さんがやってくる。

昨年と比較するのは申しわけないが、ざっと見渡して客数は昨年の1/10以下かもしれない。

昨年なんかは写真展でさえごったがえしになるぐらいの盛況ぶり。

今年もそうあって欲しいと願って担当する解説日は展示室で待機する。

雨は止んだが、外は曇天。

展示室も暗いであろうと思ったが、今年はかねてより懸案事項だったスポットライト装備ができあがった。



写真展を担当している学芸員のご尽力の賜物で、ようやく実現することになった。

効果は見事に発揮されて写真家たちの作品がよくわかるようになった。

駐車場も、外イベントもガラスキ。

冷たい雨にもめげずにお客さん対応されてきたが、身体を温めるには芯から。

温かいトン汁でもあったら飛ぶように売れたことだと思う。

外イベントで楽しんでもらった来館者は博物館内にも来ていただくのが狙い。

私が知る範囲内でも数組の親子連れがそうされていた。

うち1組は幼子も入れて子供さんが4人の家族連れ。

森川光章さんが出展していた「手水場」に浮かんだスイカに目がいく。

一緒に浮かべているのは黄色いマッカ。

ご両親に尋ねてみればマッカウリ。

よくご存じであるが、私ら子供のころはスイカよりも黄色いマッカ(キィマッカと呼んでいた)が主力だった。

もう一人の子どもは漢字が読めるらしく、覚えている漢字でタイトルを読みあげてくれた。

嬉しいことであるが、写真には興味がなかったようだ。

そういえば、一部の文字には子どもさんでも読めるようにふりがなをふってくれていた。

さて、“読み”は合っているのだろうか。

午後1時ころともなれば冷たさも一段落。

来館客もすこしは増えたようだが・・。

男性2人組が2組も見てくれはるが、視線の動きは早い。

どれか気になったものはありますか、とお声をかけたら、森川壽美三さんの「番水(ばんみず)の時計」。

田んぼにとって必要な山の水を地域の村に供給、その水は時間を分けて地域に流す、時間割で決まる水量、昔は分配する時間割などで水争いがあったと話した。

ずいぶん前に亡くなられた会社上司の出身生活地が御所市の櫛羅(くじら)だった。

先祖の時代に隣村などに水争いがあったという歴史的な事件は血なまぐさかった。

上司が話してくれたことは今でも印象的に覚えている「番水」である。

「水」は農家にとっても、以外の人たちにとっても生活するうえで絶対的に必要とするもの。

「水」がなければ生きていけなかった当時に現実があったが、今ではそんなことすら気にならない時代。

捻るとジャーではないが、蛇口を廻せば簡単に水を得ることができる利便な時代に昔の人がタイムマシンに乗って現在にやってきたら驚くだろうな。

そんな水道水蛇口に直接口を当てて飲んでいた中学生時代。

これを鉄管ビールと称していたのは、住んでいた住之江地区だけだったのか・・。

夫婦が1組に親子連れが2組。

そのころにわざわざ見にきてくれはった風景写真家の吉崎喜寿さんに図録を、受領しにきた写真家の森川光章さんも一緒になって、一挙に賑やかさ。

その間に訪れた若夫婦にお声をかけたら、田植え直後の水田が美しいと。

天から降った水は水田を潤す。

この時期は梅雨入りもあるからほどほどの雨量が田んぼを潤す恵みの水も、天地がひっくり返るような大雨になれば水害を起こすタネにもなる。

今年の10月は長雨に台風が運んできた雷雲によって奈良盆地は大雨に田んぼが水に浸かった。

昭和57年の大雨に大和川が溢れて王寺駅が水ツキを思い出される吉崎喜寿さん。

私が思いだすのが当時住んでいた大和川が流れる大阪市内の住之江。

幼少期の台風は水かさを増して堤防スレスレになったことは鮮明に覚えている。

上流は奈良県。

王寺を流れる大和側はそれぞれの支流から集まって大河となる。

未だに地滑り対策をしている亀の瀬を通ってからは大阪南河内郡を流れてきた石川と合流する。

集まった水量はどっと流れて大阪湾に。

大河を流れる合流にビビったことがある幼少期。

たぶんに昭和36年の第二室戸台風だったと思う。

地域の大人はその状況を見てこのままでは堤を越えて氾濫する。

そうであれば通天閣がある天王寺さえも水浸しになってしまう。

大昔はそんなことになったこともあると必死の形相で子どもたちに伝えていた。

それがあってかどうかわからないが、堤防は嵩上げ工事が施行された。

嵩上げは何メートルになったのか計測していないが、昔の面影は、写真でしか思い出せない。

昭和28年ころの白黒写真
に写っている右の女性はおふくろだ。

赤ちゃんは実弟の次男。

隣の男の子は近所の子ども。

大和川堤防が昔のまんまの姿。

コンクリート護岸もしていない時代の河川敷は草がぼうぼう。

私が子どものころはこの河川敷で遊びほたえていた。

長めの草と草を縛って罠を仕掛けたこともある。

また、大きな穴を掘って落とし穴作り。

河川敷は砂地だったので穴は掘れば掘るほど砂が崩れる。

途中で危険を察知して埋め戻した記憶もある。

話しは脱線したが、大水害がもっと奥の上流になれば山崩れにもなる。

10月の台風21号によってがけくずれが発生した吉野町楢井を通る国道169号は全面通行止めが今でも続いている。

崖崩れが再発でもなれば工事していた人たちが二次災害を受けることになる。

再発しないと判断されるのはちょっとやそっとの期間ではない。

その道を利用していた生活者は不便をかけるが、前面開通するまでは大迂回ルートに頼らざるを得ない。

台風の影響で紀伊半島に豪雨をもたらせた平成23年10月。

十津川村の景勝地である笹の滝に行く道が崖崩れになった。

いつ崩れるともわからない状態が長期間に亘った。

安全が見込まれてようやく工事に入ったときは平成24年度。

全面開通に至ったのは平成26年の9月であった。

復旧するまで丸3年もかかった。

そんな水害の話題をしていた3人。

写真家は記録だけでいいいのか、それとも復帰、復活できるような希望をもった映像にすべきか・・・。

それは掲載、掲示する媒体によって選ばなければ・・と思っている。

他にも閲覧者が通り過ぎる。

男性一人組が2組も。

洞川のごろごろ水は知っているけど豆腐屋さんがあったとか、大滝ダムは動いているのですかとか、私は鳥屋のネイチャーフォトカメラマンも見てくれるが・・。

ある親子が子どもに話しかけた言葉にはっとする。

親が指をさした映像は志岐利恵子さんがとらえた「誕生」に「おまえもこうやって生まれてきたんやど」である。

親子のように、私はどの写真であって閲覧者が会話をするような写真を展示したいと思っている。

できればそうしたいが、閲覧者が育ってきた環境も違えば育ちも違う。

当然ながら生まれて育ってきた時代も違う。

育ちは、そのとき、その年の生活文化によってくるまれている。

生活文化は暮らし。

家の暮らしもあれば地域や職業柄というのもある。

民俗はその人の暮らした環境、時代によって体験が違うから、共通の話題を求めるのはちと苦しい。

ですが、一つでもなにかを感じてもらえば嬉しいのである。

7回目の民俗写真展のお題は「水」だけに雨の日。

足元が濡れる日にご来館いただき、ありがとうございました。

辛口評も、次年度のお題もいただければ幸い。

次回も民俗写真に挑戦したいと思っている。

(H29.11.18 SB932SH撮影)

私がとらえた大和の民俗(8)―火―玄関ホール写真展

2018年11月20日 10時34分11秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
奈良県立民俗博物館の玄関ホールにて、8人のカメラマンが出展する「第8回 私がとらえた大和の民俗―火―」写真展は平成30年10月27日(土)より始まります。

今回で8回目を迎えた写真展の期間は平成30年12月16日(日)まで。・・終了しました・・

今回のテーマは「火」。
写真家8人が、奈良の民俗行事・風景を写真作品にする競作展は、今年で8回目を迎えました。毎年テーマを設定し、そのテーマにちなんだ奈良の民俗行事を写真作品にして展示します。
今回のテーマは「火」です。近年の住宅事情ではますます「日常の火」が少なくなり、直接火を扱う経験は少なくなっています。その一方で民俗行事では、現在もさまざまな場面で火が用いられています。写真家が切り取った「火」のある風景から、奈良の行事や暮らしの移り変わりなどを紹介します。

なお、12月9日(日) 13時半より、出展されるカメラマンたちが語る「写真家座談会~火~に関する奈良の民俗」があります。(無料)・・終了しました・・
座談会会場は併設の大和民俗公園内施設の古民家(旧臼井家住宅)ですが、変更する場合もありますのでよろしくお願いします。
                 
是非、お越しくださいませ。

展示場所 奈良県大和郡山市矢田町545 奈良県立民俗博物館 玄関ホール(入館観覧料200円)
  ※ 11月10日(土)、11日(日)は「関西文化の日」のため、入館観覧料は無料 
開館時間 9時~17時 (入館は16時半まで)
展示日程 平成30年10月27日(土)~平成30年12月16日(日)・・終了しました・・


  
関連イベント 平成30年12月9日(日) ・・終了しました・・
<―出展写真家が語る「写真家座談会~火~に関する奈良の民俗―」13時半~>(無料)
奈良県内の火に纏わる信仰や芸能、生業、遺構など、 出展写真を交えながらご紹介します





なお、後日の12月11日(火)午後10時54分、奈良県政の出来事を報道する「県政フラッシュ」に取り上げていただきました。
ありがとうございます。
    
出展者および作品テーマ(図録順)・・・・・写真家在館解説日(午後1時半~)
吉崎喜寿      【野の煙】・・・・・・・・・・11月25日・・終了しました・・ 
森川壽美三    【火消し】・・・・・・・・・・12月 2日・・終了しました・・
田中眞人(1)  【フクマル】・・・・・・・・・11月10日・・終了しました・・※ 関西文化の日
田中眞人(2)  【遠慮のトンド】・・・・・・・・・同上
脇坂実希       【浄火】・・・・・・・・・・・12月 8日・・終了しました・・
野口文男     【占い】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
森川光章     【信心(やすらぎ)】・・・・・12月 9日・・終了しました・・
松本純一     【献灯】・・・・・・・・・・・11月18日・・終了しました・・
志岐利恵子     【めぐみ】・・・・・・・・・・12月15日・・終了しました・・

どうぞ、ご来館お待ちしております。・・終了しました・・



振り返ってみればほぼほぼ同じ被写体の民俗映像がある。

カメラマンが7年間に亘って紹介した民俗写真は210枚。当初数年間は初ものばかりの映像である。

回数を重ねるごとに悩ませる民俗写真の被り排除。何年も経ってしまえば失念することもある。

当人がとらえた写真は記憶にあるのは当然であるが、人さまがとらえた映像は記憶から消えてしまうようであるのか・・・。

8回目の今回。振り返ってみれば被り写真が数枚あった。その点、ご容赦願いたい。

ちなみに被っている民俗写真は湯立/御湯(※1、2、4、8)、粥占(※3、8)、豆焼き占い(※3、8)、水垢離(※5、7)、水行(※2、5、7)がある。また、「占い」(※3、8)のような同名テーマタイトルもある。※印しは写真展の回数

(H30.10.25 記)
(H30.11.14 追記)
(H30.12. 9 SB932SH撮影)

私がとらえた大和の民俗(7)玄関ホール写真展

2017年11月19日 11時23分59秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
奈良県立民俗博物館の玄関ホールにて、10人のカメラマンが出展する「第7回 私がとらえた大和の民俗」写真展は平成29年10月28日(土)より始まります。
今年で7回目を迎えた写真展の期間は平成29年12月17日(日)まで、となります。

今回のテーマは「水」。
「水は身近で根源的な素材のため、さまざまなとらえ方ができます。奈良盆地は元来水利に乏しく、溜め池を作ったり、雨乞いの信仰が盛んになるなど水の恵みを求めてきました。一方で洪水や土砂崩れなど災害の爪痕や、洪水に対する堤の跡なども残されています。さまざまな場面を切り取った奈良の民俗写真から、奈良の「水」についてご紹介します。」

「水」の写真は数々あれど、そのほとんどが風景写真。
「水」には生きている民俗がつきもの、「水」とともに生きる民俗。
それが本質。根底にある「水」。
写真家がとらえる「水」とは何ぞえ、をみていただきたい。
そう、思うのです。

なお、12月3日(日) 13時45分より、出展されるカメラマンたちが語る「写真家座談会―水に関する奈良の民俗―」があります。
座談会会場は併設の大和民俗公園内施設の古民家(旧臼井家住宅)ですが、変更する場合もありますのでよろしくお願いします。・・・終了しました
                 
是非、お越しくださいませ。

展示場所 奈良県大和郡山市矢田町545 奈良県立民俗博物館 玄関ホール(館入場料200円)
※ 11月18日(土)、19日(日)は「関西文化の日」のため、入館観覧料が無料 
開館時間 9時~17時 (入館は16時半まで)
展示日程 平成29年10月28日(土)~平成29年12月17日(日)・・・終了しました
関連イベント 平成29年12月3日(日) 
 <出展写真家が語る「写真家座談会―水に関する奈良の民俗―」 13時45分より>・・・終了しました
奈良県内の水に纏わる信仰や芸能、生業、遺構など、 出展写真を交えながらご紹介します
      
出展者および作品テーマ(図録順)・・・在館解説日(午後1時半より)
志岐利恵子  【人生の水】・・・・・・11月25日・終了
鹿谷勲    【水の風景】・・・・・・12月 2日・終了
脇坂実希   【水の信仰】・・・・・・12月10日・終了
野本暉房   【水垢離】・・・・・・・11月 4日・終了
松本純一   【流す】・・・・・・・・11月19日・終了※ 関西文化の日
森川壽美三  【めぐみの水】
田中眞人   【大岩の雨たんもれ】・・11月18日・終了※ 関西文化の日
森川光章   【暮らしと水】・・・・・12月 9日・終了
野口文男   【災害】・・・・・・・・11月11日・終了
松井良浩   【請堤(受堤】・・・・・11月 5日・終了

どうぞ、ご来館お待ちしております。



(H29.10.27 記)
(H29.11.18 SB932SH撮影)

私がとらえた大和の民俗(6)玄関ホール写真展

2016年11月20日 10時28分38秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
奈良県立民俗博物館の玄関ホールにて、11人のカメラマンが出展する「第6回 私がとらえた大和の民俗」写真展は平成28年10月29日(土)より始まります。

今年で6回目を迎えた写真展の期間は平成28年12月11日(日)まで、となります。

なお、11月20日(日) 13時半より、出展されるカメラマンたちが語る「―住をめぐる奈良の民俗― 古民家座談会」があります。
会場は併設の大和民俗公園内施設の古民家(旧臼井家住宅)ですが、変更する場合もありますのでよろしくお願いします。
                 
是非、お越しくださいませ。

展示場所 奈良県大和郡山市矢田町545 奈良県立民俗博物館 玄関ホール(館入場料200円)
※ 12日(土)、13日(日)は「関西文化の日」のため入館無料 
開館時間 9時~17時 (入館は16時半まで)
展示日程 平成28年10月29日(土)~平成28年12月11日(日) 終了しました
関連イベント 平成28年11月20日(日) 
 <出展写真家が語る「―住をめぐる奈良の民俗― 古民家座談会」 13時半より> 終了しました 

※ 事前申し込み要 ただし、11月1日より受付 定員30名(先着順受付) 参加無料

※ 展示会場で写真家による解説があります。いずれも13時半から。
   10月29日(土)   森川光章氏 終了しました
   11月 5日(土)   野口文男氏 終了しました   
   11月 6日(日)   野本暉房氏 終了しました   
   11月12日(土)   田中眞人氏 ※入館無料の「関西文化の日」終了しました  
   11月13日(日)   鹿谷勲氏  ※入館無料の「関西文化の日」終了しました
   11月19日(土)   松本純一氏 終了しました    
   11月26日(土)   植田真司氏 終了しました
   11月27日(日)   松井良浩氏 終了しました          
   12月 3日(土)   脇坂実希氏 終了しました    
   12月10日(土)   志岐利恵子氏 終了しました   

ご来館ありがとうございました。

(H28.10.28 記)

もっぺん見たい大和の年中行事in奈良町資料館

2016年10月18日 18時00分00秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
南館長のお誘いを受けて奈良町資料館で写真展を決めたのは半年前の3月17日だった。

当時の身体は復活の兆しどころか見込みもない状態であった。そのときの私にできることは・・・あるのか、それとも無理なのか、さんざん悩んで、開腹術後の快復を願って「もっぺん」をテーマにした写真展にした。

展示枚数はたったの8枚。復帰すれば「もっぺん」見たい行事がある。状況が変わった行事もある。当時、拝見した時と同じような情景を「もっぺん」見たい。そう、思った。

作品は新作でなく旧作である。我が家の書庫に眠っていた作品に再び光を・・と思った「もっぺん」に思いを込めて展示させていただく。



展示テーマ 「もっぺん見たい大和の年中行事」 <終了しました>
展示場所   奈良県奈良市西新屋町14  奈良町資料館 (入場無料)(※駐車場はありません)
開館時間   10時~16時 (入館は16時半まで)
展示日程   平成28年10月 1日(土)~平成28年10月18日(火) (※18日は15時まで)<終了しました>





なお、「もっぺん見たい大和の年中行事」写真展は、イベント数が過去最大の760もある“奈良県大芸術祭”のうちのひとつであります。
詳しくは“奈良県大芸術祭”の公式HPおよび“関西ウォーカー”特別号である公式ガイドブック『奈良県大芸術祭Walker』をご覧ください。

(H28.10. 1 記)

この年の3月6日である。

拝見していた「私がとらえた大和の民俗―衣―」写真展だった。

展示会場は奈良町資料館である。

なにかとお世話になっていた南館長より声をかけられた。

会場の一角で写真展をしてみないかというお誘いである。

その当時の身体は術後数か月も経過していたが、芳しくないときだった。

ありがたいお誘いは迷ったが、迷惑をかけてはなるまいと思って断った。

その日から夜な夜な眠れなくなった。

この件を逃しては、と思うように気持ちが高ぶってきた。

数日経って連絡した。展示ブースは埋まりましたでしょうか、である。

今でも空いているなら・・・。

返答は空いていた、だった。

これで、決まった写真展である。

身体は相も変わらずの状況だ。

展示に手間や負荷をかけたくない。

簡単な形でコンパクトにしたいと思っていた。

ならば、過去に展示した作品に身体の復帰を願って冒頭に揚げたテーマに決めた。

期間中、ノートに来訪記念に書いていただいたコメントはたいへん嬉しい。

日本語もあれば台湾語、韓国語、英語など・・・私は判読できないが、なんとなく通じるような気がした。

今後も「民俗」の記録に精進したいと思っている。

どうぞよろしくお願いするのとともにこの場を借りて感謝申し上げる。

また、10月1日、設営しているときから見てくださった方々や3日にふらりと訪れられた台湾出身の女性。



お声をかけてくださった民俗写真。

この出来事は今後の弾みになる。

この場を借りて御礼申し上げる。

なお、展示期間中は少しでも知っていただきたく平成21年10月に京都淡交社から発刊した著書の『奈良大和路の年中行事』を宣伝させていただいた。

展示場の床面に目を落としてくだされば、と思って並べた。

そうであれば、ここ奈良町資料館で売っているのでは、と思う人も現れかねないのでプレートを作ってくださった。



これもまた感謝である。

<拝観記録>
10月2日 台湾語で「展覧会肯定消耗了展毛□□少精力展品依精美 加□!!! 部超朱葱□」
10月7日 吹田市 K男
10月9日 奈良市佐紀神社 氏子
10月9日 N女史
10月12日 奈良にこんなにいろいろな行事が有るのに知らない行ったことがないなぁと、、、 
       せっかく奈良に住んでるので行ってみよう!と思いました。
10月13日 田中様、やっとお伺いできました。いつもHPで拝見してますが、こうして写真で、
       見ると余計に臨じょう感が伝わってきます。うちわまきも、もう今ではこんなハク力のある
       様子は見られなくなり貴重なお写真だとしみじみ思います。
       これからもますます奈良民俗のためご活躍ください。写真家N女史
10月14日 風景写真家Y
10月14日 もっぺん来年見たいです。奈良市の写真好き
        ・・ハングル文字に英語でもない文字は・・・判読できない
10月17日 ここの場しょを見てとってもたのしかった!!!

(H28.10. 3 SB932SH撮影)
(H29. 5.26 追記)

曲がり角に立つカメラマントーク

2016年07月12日 08時39分07秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
今回で5回目になった「私がとらえた大和の民俗」写真展

今回のテーマは衣。

写真家11人が織りなす民俗写真が33枚。

バラエテイに富んだ作品が展示された。

この日はカメラマントーク。

出席者は森川光、田中、脇坂、植田、松本、志岐、野本の7人。

聴講者はトークカメラマンの知人が半分の7人。

一般の聴講者は6人で計13人。

開催前日に案内された讀賣新聞の記事を見て来られたそうだ。

だいたいがこれぐらいの聴講者。

距離感は近すぎるぐらい短い。

始めに自己紹介。

3分間制限に紹介する。

植田さんは会社に勤めていたときの上司の話しをされる。

マツリがある日は休まなきゃならないということだ。

会社を辞めて云十年。

吉野川付近に点在するオカリヤがある。

ある地域の取材でばったり出会った上司は氏子総代だった。

松本さんは神さんのおかげで撮らせてもらっていると話す。

祀っている神さんから派生して民俗にはまった志岐さん。

先人の知恵で今の生活があるという野本さん。

それぞれの思いで自己紹介される。

今回のMCは森川光さん。

写真家それぞれの若い時のプロフイール写真が載っている図録の裏表紙を見せながら話す。

当時撮られたときの服装は今回のテーマの衣。

生きてきた写真家の生の生活文化に民俗、フアッションを見出す。

これよりは出展した自分の作品を解説する。

脇坂さんは奈良晒しを考えていたが、織るだけのシーンしか撮れなかったので、自分らしく子供のハレ着姿にしたという。

エジプト文化を揚げて大昔からあるエプロンを取り上げた志岐さん。

たまたま遭遇した現代の普段着。

肥え籠をオーコで担ぐ男性。

婦人はエプロン姿だ。

肥えを運ぶ作業から教えてもらったタバコの葉の生産。

蒸したタバコの葉は鉄管を通した蔵で保管していた。

行事に行列を組む前掛けもエプロン。

虫送りに練り歩く姿は他所で見たことがないという。

森川光さんは欠席者の代弁紹介もしなければならない。

ご自身も体験している修験の在り方。

インパクトがある作品は松井さんのだ。

修験の衣装は特異的。

「死に行」を着ていると話す。

鹿谷さんの作品は解説できないと云ってマイクを渡された。

本人も難しかったという3枚組。

本人の気持ちになって話す。

ここまでで1時間と20分。

聴講者は飽きてきたように思える。

ここからは自由に話してくださいとMCにバトンタッチ。

森川光さんは動かないものを撮る、動いているものを撮る、を獅子舞の被写体を選んで解説する。

カメラはこうして回す。

遊びの要素もある作品作りのコツを話す。

順番に渡されるマイク。

運ばれたら喋るしかないが、ネタはどうするのか。

急に言われても・・である。

裏表紙に残された叔母の姿。



若い時の生前の姿であるが、今月に亡くなった

本人は生きていないが、撮られた写真が図録に残された。

写真があったからこそできる生前の記録である。

数か月前、私は入院していた。

職業病ではないが、写せる範囲内でケータイデジカメで撮っていた。

いつしか忘れてしまうものを記録しておけば後年に役立つ。

そう思っている。

なんてことを話していたら時間ばかりが経過する。

残り30分間は聴講者が求める質問時間に割り振る。

一つ目の質問は写ってはいけない人を撮った場合、或は写さない基準はあるのか、である。

地方行政の条例はあるが、肖像権という法律はない。

もう一人はお寺などに支払う志納金はどうすればいいのか、である。

これは人さまざまである。

有名寺院は規約がある。

それに沿って支払っている場合もあれば、賽銭は必ずという人もいる。

酒を供える人もあれば、無収入の身であるゆえ、何もしないという人もいる。

規約があれば、それに沿うが、基準なんてものはない。

最後に出た言葉が「もっと多くの人に、このトークに来てほしかった。賑やかになってほしかった」という橋本さん。

その通りだと思う。

数人の写真家はFBやブログで案内していた。

聴講者に友人が居られたのはそういうことだ。

ちなみに前日の初日は50人も来館したそうだ。

讀賣新聞の効果ではないだろうか。

毎回、悩ませる集客である。

(H27.10.25 SB932SH撮影)

私がとらえた大和の民俗(5)玄関ホール写真展

2015年11月08日 09時00分00秒 | しゃしん(県立民俗博物館展示編)
奈良県立民俗博物館の玄関ホールにて、11人のカメラマンが出展する「第5回 私がとらえた大和の民俗」写真展は平成27年10月24日(土)より始まる。

今年で5回目を迎えた写真展の期間は平成27年12月6日(日)までだ。<終了しました>

今回のテーマは「衣」。

それが決まったのは4回目を終えた12月の後宴の場である。

帰宅して構成をどうするか夢のなかで悩んだ。

翌日も夢のなかで構成する。

思わず起き上って思い立つ基調をメモにした。

結局は採用しなかった。

4月に入ってからだと思う。

これだと思った2題から選択した結果。

私、田中眞人は「もんぺ」を基調に、三枚組のテーマ「おばあちゃんの野良着」写真で参加した。

なお、10月25日(日)13時半より、出展されるカメラマンたちが語る「“衣“を撮る」写真家トーク<終了しました>もある。

是非、お越しくださいませ。

展示場所 奈良県大和郡山市矢田町545 奈良県立民俗博物館 玄関ホール(館入場料200円)
開館時間 9時~17時 (入館は16時半まで)
展示日程 平成27年10月24日(土)~平成26年12月 6日(日)
特別講演 平成27年10月25日(日) 
 <出展写真家が語る写真家トーク 「”衣”を撮る」 13時半より> <終了しました>



※ 展示会場で写真家による解説がある。いずれも13時半から。

   10月30日(金)   森川寿美三氏 終了しました  
   11月 7日(土)   森川光章氏  終了しました 
   11月 8日(日)   田中眞人氏  終了しました 
   11月14日(土)   野口文男氏  終了しました 
   11月15日(日)   野本暉房氏  終了しました
    ※ 14日、15日両日とも第2回民博ふるさとフエスタが行われる
   11月21日(土)   松本純一氏  終了しました  
   11月22日(日)   鹿谷勲氏   終了しました  
   11月23日(月・祝) 松井良浩氏  終了しました  
   11月28日(土)   植田真司氏  終了しました  
   12月 5日(土)   脇坂実希氏  終了しました   
   12月 6日(日)   志岐利恵子氏 終了しました  

ご来館お待ちしております

(H27.10.13 記)