前年は茗荷町の住民がこしらえてくれた七・五・三のシメナワサンをかけた。
今年は、どうするか。
身体具合で気が廻らず市販品の注連縄にした。
かけた玄関ドアは新品。
住む地域の工房で施行してもらった。
全面リフォームはできないが毎日に開け閉めする玄関ドアだけでも綺麗にしたい。
そう、思って発注・工事施工。
出費は53万円。
なけなしの埋蔵金をはたいて新年を迎える門出に相応しい注連縄を飾ったドアを開けたらまだ夜の雰囲気。
以前のドアは緩衝具が破損していてバタン音を立てて閉まったが、新品はすうーーと音も立てずに閉まる。
心臓病の発症に闘病一色に染まった今年の下半期。
大晦日になっても不自由な身であるが、正月料理に食べる食材はここしかない。
低脈拍の身では車を運転できないから息子に頼んで出発した。
向かう先は大和郡山市の馬司町の東側にある奈良県中央卸売市場だ。
自宅を出発した時間は朝の6時15分。
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我が家から車で行けばわずか15分で卸売市場に到着する。
夜明け前の時間帯は透明感があるが、広がる雲に遮られていた。
真っ青よりもこのほうが、遠近感を感じて美しく思える。
今回の買い出しはかーさんもついてきた。
前々から一度は卸売市場の情景や売り場商店に品物、買い物客などを見ておいたほうが良いと伝えていた。
あまり動けない私は行かなくてもいいか、と尋ねたらついて来て、である。
買い方はどうしていいか判らない。
市場での買い方を知りたいというのだ。
そういうわけで到着した奈良県中央卸売市場。
時間はきっちり予想通りの6時半。
以前は6時前に着くようにしていたが、前々年からは少し遅らせてもいいだろうと思うようになっていた。
若干の差であるが、ある程度は思うような商店・商品が揃っている。
十分に間に合う。
30分の差があっても安心して買える。
早い話が買い慣れ、である。
一目散に向かった先は「㈱都水産」。
一目散と云っても駆け足ではない。
ダメージをもつ心臓は駆けることは許さない。
ノッソリ、ソリソリ歩く。
元気なかーさんは先を急ぐ。
おっつかないノッソリ歩きである。
どこかのお店が並べている魚介類を覗いていた。
「㈱都水産」はそこではなく、もう少し先だ。
お店につくなり「まいど」。
売り子の奥さんが、来てくれたんやというような表情で返してくれる。
そう、私のことを覚えておられるのだ。
そんなことに驚くかーさん。
面白い顔やから覚えてもらうんやろね、というが、一年に一度の買い物であっても、何度も何度も買っていたら覚えられるものだ。
お店側だったら、たぶんに私もそうなるであろう。
実は存じている売り子男性もいる。
昨年は見かけなかった。
男性は市内山田町の住民。
神社行事でお世話になった人である。
昨年は他のお店で支援していた。
今年は舞い戻ってここにしたそうだ。
同店で買う鮮魚は決まっている。
ブリの肩身である。
腹の部分はお造りに、背は照り焼き用に、裁いたアラは煮物か赤だしなどの汁椀にする。
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そう伝えて一尾のブリを早速裁いてくれる大将。
毎年、ありがとう、だ。
今年の肩身値段は税抜き3200円。
昨年並みの値段である。
裁いている時間帯はマグロ買いにうろうろする。
例年、買っていた「㈱法魚」が見つからない。
お店がどこにいったのか、早終いしたのか、それとも閉店になったのか・・・。
仕方なく他店を探し回る。
マグロ買いは絶対必須。
おふくろの要望は叶えるべし、なのだ。
見つからなかった「㈱法魚」近くにもマグロ専門店がある。
そこは冷凍マグロ。大きくザク切りしたマグロがあったが、私の求めるマグロは生マグロだ。
数店舗を巡って1パック500円の値札を貼ってあったお店がある。
それを見たか-さんが「なんでこんなに安いの」と云ったら、売り子が応えた。
昨日は千円だった。
この日は大晦日。
時間帯から云えばそろそろ売り切り時間帯。
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ぐんと値段を下げて売っていたマグロは血合いがある。
その売り場にあったパック売りの雲丹に目がいったかーさん。
2500円というから、お正月や、どうせ買うなら3500円と伝えて購入する。
今回はカニのポーションは買わない。
おふくろがわざわざ大阪難波まで出かけてかったはり重の牛肉がある。
しゃぶしゃぶにすき焼きもする。
というわけで、今回はカニ無しである。
カニがなければ・・・ではないが、同じ売り場にやや小型の鮑があった。
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1個で500円の鮑は生食できない。
売り子のお勧めはバター焼き。
息子たちは貝類を食べることができない。
アレルギー体質ではないが、子供のころから食べられないようになった。
マグロどころか雲丹に鮑も買ったお店は「㈲古賀商店」。
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生マグロを味見させてもらったお店は「㈱丸二商店」だ。
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さきほど「㈲古賀商店」で買ったマグロは血合いがある。
それがない生マグロを売っているお店に再び巡る。
もっぺんやって来た「㈱丸二商店」で、またもや一口サイズの生マグロを試食する。
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これも買っておこうと決断して、1800円の生マグロを1パック買った。
これもまた、同じように売り子さんの目利きで商品を選んでもらった。
明日の正月を迎える家族は5人。
カナダから戻った次男、東京から帰省した長男に、つい先日まで吐き気・嘔吐で往生したおふくろも。
例年にない大家族?集合になった明日のお正月は贅沢に過ごせそうだ。
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鮮魚の買い出しを終えたら年越しそばに載せるエビ天やビッグな玉子焼きを求めて別棟に向かう。
そば麺はすでに買っていたかーさん。
たしか、スーパートライアルだったら5円。
昨年のことだ。
驚く値段に腰が抜けそうだった。
それはともかくエビ天はあるのだろうか。
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何度か買ったことのある「奈良県麺類卸売㈱」の売り子に声をかけたら冷凍だけど、あるよ、である。
自然解凍のエビ天なので、今夜が丁度いいと売り子が云った。
太くて大きいエビ天一匹で税抜き130円。
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2年前に買ったときはたしか120円だったと思うが、スーパーで買うよりも断然お得なエビ天である。
まとめて5人前の5本で税込700円。
2円もまけてくれた。
最後に求めたお決まりのコースは極上の玉子焼き。
「㈱ビッグウエーブフーズ」は午前2時から店内で玉子焼きこしらえている自家製販売店。
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今年は奮発して4本も買った玉子焼き。
一本で税抜き180円。
4本買って税込777円。
印字されたレシートを持っていって、今からフイーバーだね、って云った売り子さんの台詞が気に入った。
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卸売市場を出るころは陽が昇る午前7時5分。
気持ちよく戻った自宅で朝食。
昨夜の残り物に、さきほど買った玉子焼きは早速テーブルに載る。
冷たいけど美味しいと皆が云った。
極上の味は今年も変わらない。
そして、だ。
昼食は昨年同様のマグロ丼。
1パック1800円で買った「㈱丸二商店」の生マグロは早速丼に盛られてテーブルに出てきた。
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ヤマイモを擦ってぶっかける。
刻みネギに山葵醤油を注ぐ。
がっつりいただくマグロ丼も極上の味。
お店は変わっても旨い生マグロに家人たちは喜んで食べていた。
(H27.12.30 SB932SH撮影)
(H27.12.31 SB932SH撮影)
今年は、どうするか。
身体具合で気が廻らず市販品の注連縄にした。
かけた玄関ドアは新品。
住む地域の工房で施行してもらった。
全面リフォームはできないが毎日に開け閉めする玄関ドアだけでも綺麗にしたい。
そう、思って発注・工事施工。
出費は53万円。
なけなしの埋蔵金をはたいて新年を迎える門出に相応しい注連縄を飾ったドアを開けたらまだ夜の雰囲気。
以前のドアは緩衝具が破損していてバタン音を立てて閉まったが、新品はすうーーと音も立てずに閉まる。
心臓病の発症に闘病一色に染まった今年の下半期。
大晦日になっても不自由な身であるが、正月料理に食べる食材はここしかない。
低脈拍の身では車を運転できないから息子に頼んで出発した。
向かう先は大和郡山市の馬司町の東側にある奈良県中央卸売市場だ。
自宅を出発した時間は朝の6時15分。
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我が家から車で行けばわずか15分で卸売市場に到着する。
夜明け前の時間帯は透明感があるが、広がる雲に遮られていた。
真っ青よりもこのほうが、遠近感を感じて美しく思える。
今回の買い出しはかーさんもついてきた。
前々から一度は卸売市場の情景や売り場商店に品物、買い物客などを見ておいたほうが良いと伝えていた。
あまり動けない私は行かなくてもいいか、と尋ねたらついて来て、である。
買い方はどうしていいか判らない。
市場での買い方を知りたいというのだ。
そういうわけで到着した奈良県中央卸売市場。
時間はきっちり予想通りの6時半。
以前は6時前に着くようにしていたが、前々年からは少し遅らせてもいいだろうと思うようになっていた。
若干の差であるが、ある程度は思うような商店・商品が揃っている。
十分に間に合う。
30分の差があっても安心して買える。
早い話が買い慣れ、である。
一目散に向かった先は「㈱都水産」。
一目散と云っても駆け足ではない。
ダメージをもつ心臓は駆けることは許さない。
ノッソリ、ソリソリ歩く。
元気なかーさんは先を急ぐ。
おっつかないノッソリ歩きである。
どこかのお店が並べている魚介類を覗いていた。
「㈱都水産」はそこではなく、もう少し先だ。
お店につくなり「まいど」。
売り子の奥さんが、来てくれたんやというような表情で返してくれる。
そう、私のことを覚えておられるのだ。
そんなことに驚くかーさん。
面白い顔やから覚えてもらうんやろね、というが、一年に一度の買い物であっても、何度も何度も買っていたら覚えられるものだ。
お店側だったら、たぶんに私もそうなるであろう。
実は存じている売り子男性もいる。
昨年は見かけなかった。
男性は市内山田町の住民。
神社行事でお世話になった人である。
昨年は他のお店で支援していた。
今年は舞い戻ってここにしたそうだ。
同店で買う鮮魚は決まっている。
ブリの肩身である。
腹の部分はお造りに、背は照り焼き用に、裁いたアラは煮物か赤だしなどの汁椀にする。
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そう伝えて一尾のブリを早速裁いてくれる大将。
毎年、ありがとう、だ。
今年の肩身値段は税抜き3200円。
昨年並みの値段である。
裁いている時間帯はマグロ買いにうろうろする。
例年、買っていた「㈱法魚」が見つからない。
お店がどこにいったのか、早終いしたのか、それとも閉店になったのか・・・。
仕方なく他店を探し回る。
マグロ買いは絶対必須。
おふくろの要望は叶えるべし、なのだ。
見つからなかった「㈱法魚」近くにもマグロ専門店がある。
そこは冷凍マグロ。大きくザク切りしたマグロがあったが、私の求めるマグロは生マグロだ。
数店舗を巡って1パック500円の値札を貼ってあったお店がある。
それを見たか-さんが「なんでこんなに安いの」と云ったら、売り子が応えた。
昨日は千円だった。
この日は大晦日。
時間帯から云えばそろそろ売り切り時間帯。
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ぐんと値段を下げて売っていたマグロは血合いがある。
その売り場にあったパック売りの雲丹に目がいったかーさん。
2500円というから、お正月や、どうせ買うなら3500円と伝えて購入する。
今回はカニのポーションは買わない。
おふくろがわざわざ大阪難波まで出かけてかったはり重の牛肉がある。
しゃぶしゃぶにすき焼きもする。
というわけで、今回はカニ無しである。
カニがなければ・・・ではないが、同じ売り場にやや小型の鮑があった。
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1個で500円の鮑は生食できない。
売り子のお勧めはバター焼き。
息子たちは貝類を食べることができない。
アレルギー体質ではないが、子供のころから食べられないようになった。
マグロどころか雲丹に鮑も買ったお店は「㈲古賀商店」。
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生マグロを味見させてもらったお店は「㈱丸二商店」だ。
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さきほど「㈲古賀商店」で買ったマグロは血合いがある。
それがない生マグロを売っているお店に再び巡る。
もっぺんやって来た「㈱丸二商店」で、またもや一口サイズの生マグロを試食する。
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これも買っておこうと決断して、1800円の生マグロを1パック買った。
これもまた、同じように売り子さんの目利きで商品を選んでもらった。
明日の正月を迎える家族は5人。
カナダから戻った次男、東京から帰省した長男に、つい先日まで吐き気・嘔吐で往生したおふくろも。
例年にない大家族?集合になった明日のお正月は贅沢に過ごせそうだ。
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鮮魚の買い出しを終えたら年越しそばに載せるエビ天やビッグな玉子焼きを求めて別棟に向かう。
そば麺はすでに買っていたかーさん。
たしか、スーパートライアルだったら5円。
昨年のことだ。
驚く値段に腰が抜けそうだった。
それはともかくエビ天はあるのだろうか。
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何度か買ったことのある「奈良県麺類卸売㈱」の売り子に声をかけたら冷凍だけど、あるよ、である。
自然解凍のエビ天なので、今夜が丁度いいと売り子が云った。
太くて大きいエビ天一匹で税抜き130円。
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2年前に買ったときはたしか120円だったと思うが、スーパーで買うよりも断然お得なエビ天である。
まとめて5人前の5本で税込700円。
2円もまけてくれた。
最後に求めたお決まりのコースは極上の玉子焼き。
「㈱ビッグウエーブフーズ」は午前2時から店内で玉子焼きこしらえている自家製販売店。
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今年は奮発して4本も買った玉子焼き。
一本で税抜き180円。
4本買って税込777円。
印字されたレシートを持っていって、今からフイーバーだね、って云った売り子さんの台詞が気に入った。
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卸売市場を出るころは陽が昇る午前7時5分。
気持ちよく戻った自宅で朝食。
昨夜の残り物に、さきほど買った玉子焼きは早速テーブルに載る。
冷たいけど美味しいと皆が云った。
極上の味は今年も変わらない。
そして、だ。
昼食は昨年同様のマグロ丼。
1パック1800円で買った「㈱丸二商店」の生マグロは早速丼に盛られてテーブルに出てきた。
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ヤマイモを擦ってぶっかける。
刻みネギに山葵醤油を注ぐ。
がっつりいただくマグロ丼も極上の味。
お店は変わっても旨い生マグロに家人たちは喜んで食べていた。
(H27.12.30 SB932SH撮影)
(H27.12.31 SB932SH撮影)