マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

カメラのキタムラ奈良南店の閉店

2020年10月21日 09時27分15秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
カメラファンから長年に亘って親しまれてきたカメラのキタムラ奈良南店が閉店する。

併設するスタジオマリオ奈良南店も同時閉店。

平成31年3月4日を最後に閉店する。

同店舗を利用し始めたのは平成12年初頭のころか。

いや、それ以前かどうかも覚えていない。

はっきり記憶にあるのはお店で販売している額縁に撮った写真で飾ってほしいというお願いからだ。

映像は平成12年8月13日に撮ったなら燈花会。

イベント会場に設営した竹籠をとらえた写真。

なんと、平成12年の「あなたと大和路キャンペーン」の部門賞に入った作品。

ありがたいことに、店長の願いで写真は額縁見本に・・。

尤も額縁展示は平成13年3月だった。

翌年の平成14年。

これまた店長の願いで始まった写真展

お店の壁面を飾る写真展が始まったのは平成14年5月より。

それが17回も続く写真展になるとは考えてもみなかった。

ほぼ毎年のように年末年始の1カ月間はあけておくからなんなりと、のお言葉に甘え続けて・・・長きに亘った写真展は今年の平成31年2月10日に幕締め。

歴代最後になった店長にお礼の挨拶。

これまでお世話になった店長、副店長ならびに数々の対面販売に応対してくださった店員さんたちに感謝申しあげます。

さて、本日から始まった50%OFFセール。

消耗品などであるが、売り上げ或いは在庫消費に少しでも、と思って大量買い占め。

売り切り御免であるが、カメラ、レンズは今のところ対象になっていないようだが・・・。

閉店の件をFBで伝えたら、数多くのカメラフアンから泪マークをいただいた。

和歌山県に引っ越されるまではずいぶんと利用されていたKさんは「懐かしいお店はよく利用していた」とコメントをくれた。

Kさんに応えたコメントは「フイルムですよねぇ」だ。

「平成10年2月より使い始めたリバーサル。慣れるまで多少のコツを要したが、プリントされた写真を見ていつも感動していたことを覚えている。」と・・・。

現像があがる度に、お店に訪れてはレジ横のカウンターに広げてビューワーしたり、プリントのデキを確認したり・・。

そのときの私の姿。なんと逆取材にカメラのキタムラ発行の「フォトライフ四季」に掲載

懐かしい平成21年の映像も思い出がいっぱい詰まっている。

(H31. 2.22 SB932SH撮影)
(H31. 2.23 記)

最後の写真展に選んだテーマは亥の年に合わせた亥の子行事

2019年01月07日 07時27分38秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
高取町に住む知人から正月の便りが届いたなかに、高取町にあった亥の子行事のすべてが中断したとあった。

大字佐田は平成29年が最後だったと別の知人から聞いていた。

取材当時から亥の子行事をする子どもが少ないと聞いていた佐田。

隣村のは、佐田よりまだ子どもの人数が多かった。

平成30年もされていると判断してカメラのキタムラ奈良・南店で紹介したが・・中断していた。

集落全戸、あるいは大淀町上比曽のように新婚家を祝う亥の子行事につきものの作法は藁ヅト叩き。

収穫祝いに巡った家のニワを打ちながら亥の子の歌を唄う。

奈良県下では上比曽以外に明日香村の下平田だけになった(※桜井市高田のいのこ暴れはあるが、藁ヅト叩きは見られないから外した)。

少子化の流れは留まることをしらない。

一方、同じような作法に同じような詞章がある亥の子行事は大阪にも見られる。

類事例を求めて大阪南部の南河内郡や北部の能勢町や豊能町の調査をしている。

前年の11月、3度も村入りして取材した亥の子行事の在り方に違いがある、と状態が見えてくる。

大阪北部の在り方は藁ヅト叩きになぜか子どもたちが演じる獅子舞も付加されている。

事例が多い大阪北部。すべての地域を拝見するにはまだ数年はかかるだろう。

地域は遠く離れていても、似通った詞章が見つかったときは驚きである。

また、屋根に投げる藁ヅト行為のある上比曽は特異な事例と思っていたが、なんと大阪北部でかつてはあったとわかった。

京都にもある亥の子行事。調査エリアはもっと拡げなくてはならないが・・。

平成14年から始まったカメラのキタムラ奈良・南店(奈良県奈良市杏町153)での写真展は今回で17回目。

展示会場の関係で「亥の子」行事が最後の展示になる。

会場の〆を飾るに相応しいテーマを和暦年号が新しくなる新しき年。

その年の十二支は一年通して変わりのない「亥」。

で、あればテーマは「亥」。

つまり「亥の子」の行事とした。

早速の展示においでくださった客人たち。

店長、副店長がいうには何人もの人たちが立ち止って見ていたという。

どうぞご自由にお持ち帰りくださいと、今回もエクセルで作った解説シートを用意した。



なお、展示期間は来月の2月一週目辺りまで。

初売りのこの日に展示するとF副店長から聞いていたので、自らも拝見したく大和郡山市内の注連縄調査の帰り道に立ち寄った。

展示状態を撮っていたときである。

一人の男性が一枚、一枚丹念に写真を見ておられた。

関心があると思われたのでお声をかけた。



展示した写真はよほどの人でないとわからない。

そう思って簡単に紹介した。

教えてもらったらたいへんよくわかると云ってくれたその人は市内宮堂町の住民だった。

いつかは村の行事を取材したいと持っていると伝えたが・・・。

(H31. 1. 3 SB932SH撮影)

2週間後の2月初めに幕を下ろす。

17回目の今回、「いのこ行事」写真展で、ほんまの幕締め。

根気よく、展示してくださったカメラのキタムラ奈良南店の歴代を担った人たちに感謝申しあげます。



FBやブログに展示をお伝えしていますが、お仕事の関係、或いは足がない、遠方だとかさまざまな事情で会場に出かけられなかったみなさま方に、と思って、当シ-トをもって失礼させていただきます。

(H31. 1.20 追記)

カメラのキタムラ奈良南店・第16回写真展-竿干し風景-

2018年01月30日 10時10分47秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
平成14年から始まったカメラのキタムラ奈良南店(奈良県奈良市杏町153)での写真展は今回で16回目。

これほど長く続けてこられたのも、異動で各地に転勤されていった店長や副店長のおかげ。

この場を借りて歴代の人たちに感謝申しあげる。

3年前に揚げたテーマは「食を干す」。

昨年は「ハダがある景観に」。

今回は「干す」テーマの3作目。

「干す」3部作のラストに選んだサブテーマは「竿干し風景」。

どこにでもあるような・・。

それは誰しも見たことがある日常的な干しもの。

何気もないから、つい見逃してしまうありふれた日常を切りとる。

外干しが多い中、部屋干しもある。

私がとらえたそれぞれの景観に民の暮らしがある。

風景的景観に見惚れつつ、撮らせていただいた「暮らしの民俗」を伝えたい。

そう、思って、今回もまた、8枚組み写真で展示することにした。

今回は副店長のMさんに加工してもらった裏張り作業。

16年目になった今回の展示。

店長をはじめとして奈良南店のみなさまのおかげでありまする。

今年もまた感謝の一年が始まったことが嬉しくもあり、また来年もと励みになる正月展示である。

今回もエクセルで作った解説シートを展示場にさりげなく置いた。



展示期間は来月の2月初めのころまで。

(H30. 1. 3 SB932SH撮影)

15回目のテーマは-ハダがある景観に-

2017年02月10日 19時11分44秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
平成14年から始まったカメラのキタムラ奈良南店(奈良県奈良市杏町153)の写真展は今回で15回目になる。

昨年のテーマは「食を干す」だった。

今年も同じく、“食を干す”であるが、“干す”作業に重きを置いた。

奈良県に多段型のハダ架けがあることを知って訪れた十津川村の滝川、内原、谷瀬と旧西吉野村の永谷。

作業をされている方々のお話を伺って、これは是非とも大勢の方々に知ってもらいたく、また、残さねばならないと思った。

風景的景観に見惚れつつ、「暮らしの民俗」を伝えたい。

そう、思って8枚の組み写真で展示することにした。

前半は風景写真的な4枚。後半の4枚は作業をされている人たちの姿を・・。

天候具合を気にかけながらもハダ架けをする苦労話しなどを綴った。

今回もエクセルで作った解説シートを展示場に置いている。



シートは両面印刷。

裏面にプロフィールも載せた。



展示期間は来月の2月10日ころまで。

今回も店長にしてもらった裏張り加工。

感謝の気持ちでいっぱいです。

(H29. 1. 6 SB932SH撮影)

14回目のテーマは食を干す

2016年03月01日 14時06分06秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
平成14年から始まったカメラのキタムラ奈良南店(奈良県奈良市杏町153)の写真展は今回で14回目。

今回のテーマは「食を干す」にした。

平成26年10月、奈良県立民俗博物館で開催された第4回「私がとらえた大和の民俗」においても大テーマの「食」に対してサブテーマは「干す」を挙げた。

なんや、またかいなと云われそうだが、限定3枚組の選に漏れた写真が云十枚もある。

博物館の展示以降、さまざまな地で撮った「干す」写真の中から選んだ8枚は色付きの色々。

どこかで見かけたようなありふれた写真であるが、風景的景観にみられる「暮らしの民俗」を少しでも紹介したくて選んだ。

展示期間は3月半ばまでになりそうだ。

展示にあたってはじめて裏張り加工をした。

見やすくなったと、我ながら、これまでの展示を振り返り反省している。



また、エクセルで作った解説シートを今回も用意した。



展示期間は翌月の3月25日まで、枚数にも限りがあるので、お早めに・・・。

(H28. 2.17 SB932SH撮影)

<今回の展示にあたって>
7月末に心臓手術をしたその後の状態が芳しくない。

今回はどうすべきか。

見送るべきか、そうでないか。

迷いに迷って多少元気だった前年の10月20日に伺った店長に声をかける。

今回も展示したいが、どうだろうかと打診した。

打診が遅かったのか、例年ならば正月明けから一カ月間の展示であったが、すでに埋まっていた。

これまで担当していたO店員は育ったお国に帰られた。

後任は誰なのか、聞いていなかった。

彼なら前副店長のTさんから引き継いでいたのでお願いしなくとも展示期間を空けてくれていたと思う。

例年の日程なら、11月末までにテーマを考え、それに沿った写真をどう選び、どう組み立てるかをしていた。

今回は翌年になってもまだまだ間に合うと思って放置していた。

放置していたと云っても、テーマはこれで行こうと思っていた。

それが「食を干す」だ。

前回の13回目テーマは稲作・農耕における「実成りに感謝」だった。

映像は農家が行っている農の風習ごとだが、人物が写っていない写真も展示した。

それを見た風景写真家が云った。

「人が入ってたら風景写真と違うやん」だ。

民俗写真家を名乗っている私は「民俗」が最大テーマにある。

人がいなくとも民俗写真になるような風景写真を選ぶことにした。

それが8枚組の「食を干す」だ。

ぱっと見いは風景写真。

奥底にあるのは人の暮らしや営みである。

仕掛けが風景写真家に判るだろうか。

平成26年10月、奈良県立民俗博物館で開催された第4回「私がとらえた大和の民俗」においても「食」に関する「干す」だった。

そのころに撮った写真は多くない。

3枚組にするには辛いものがあった。

発想したのは基調の色だ。

カンピョウ、ソーメン、キリボシの三枚組すべての白色。

これに尽きると思って統一色で選んだ。

博物館で写真展を見られた人たちは「色」がないと云った。

その通りである。

その声に期待を込めて・・というか、頭に描きながら8枚組の「食を干す」写真は「色」を決め手に選んだ。

特に意識した色は柿色に梅色だ。

軒下に吊るした柿や門屋の前で干していた梅干しをはじめと終わりに、と思ってレイアウトした。

はじめと終わりが決まれば半ばはどうするか。

はじめと終わりは、どちらかといえばインドアに近い。

それならば半ばはアウトドアだ。

天肥ゆる青空を背景に農村景観に広がる「干す」情景を選んだ。

選んだ写真は解説シートに配列する。

取材地やサブタイトルを決めて配置した。

これまでは取材地固有の特徴をそれぞれの項目に書いていたが、やめた。

テーマ全体を包括する文章に仕立てて配置した。

これができあがれば後はプリント依頼をするだけだ。

ただし、である。

これまで不評だった展示写真。

写真の描き方ではなく、印刷そのものである。

額はカメラのキタムラ店で用意していただいている。

その額に透明な板は張っていない。

プリントそのものが嵌っていると思っていただければ判るであろう、印画紙のヨレヨレで波打っているのである。

室内灯の加減もあるが、ヨレヨレ印画紙に波があれば、実に観難い。

ずばり、下から見るローアングルでないと反射光で写真が見えないのである。

写友人たちからは裏打ちするのが当然だろうとお叱りを受けていた。

聞く耳をもってはいるものの、頑固に断っていた。

というのも、展示した写真は被写体になっていただいた方々にさしあげることにしているので、分厚くなった裏打ち写真を貰う立場で考えたら、それではねぇ・・・と、勝手な思い込みで躊躇していたのだ。

今回の展示には人は写っていない。

差し上げることもない。

そういうことで裏打ちを決断したのである。

裏打ちマットシートの貼付け作業費用はだいたいが1枚当たり千円ぐらいのようだ。

マットシートを別途購入して貼り付けることも可能のようだが、素人の私がすれば、裏打ちマットシートを圧着する際に気泡が入ってベコベコになる可能性が高い。

場合によっては反り返ることもある。

どうしようかと店長に相談したら、私がしますとのことだ。

ありがたいお言葉に甘えるが、材料費はお支払いすることで商談?が決まった。

その日から一週間後の1月25日に電話があった。

発注した写真が出来上がったという連絡だ。

数日経った28日にでかけた奈良南店。

予め準備していた解説シートやA3用紙に引き延ばした貼り紙、掲示レイアウト図などをストックしたファイルを持ち込んだ。

4PWに引き延ばした写真はすべてがデジタル撮り。

プリント印画紙はクリスタル。

出来栄えは予想以上に気にいった。

気がかりだった裏打ちマットの厚さは薄め。

ぶ厚さは感じない。

これであれば、今後の展示写真もこうしてみたいと思った。

8枚組の内訳は月ヶ瀬桃香野の「軒下の吊るし柿」、荒蒔町の「農小屋のダイコン干し」、南藤井の「蒼空にマメ干し」、庵治町の「カンピョウ干し」、榛原内牧の「納屋干し燻製」、南藤井の「里の稲架け」、小泉町の「眩しいカキモチ」、鹿路の「干し梅」だ。

一枚、一枚を二人の女性店員さんの目の前で出来具合を見ていた。

「懐かしい」の声の続きにあれも、これもあった、あった、を連発する。

タイトルを見なくとも「吊るし柿」、「ダイコン干し」、「マメ干し」、「カンピョウ干し」、「稲架け」、「カキモチ」に「梅干し」を生活で体験してきた女性であるだけに、写真に声が弾む。

女性店員の記憶にある食を干す写真。

ダイコン干しなら漬物にしたとか、カンピョウ干しなら藁で巻いた竿は滑らないとか、どれもこれも体験者が語れる内容ばかりである。

ところが、副店長や若い男性店員はまったく知らない、始めて見るものばかりだという。

年齢差もあるが、どっちかと云えば、生まれ育ちが新町か、旧村の違いである。

町っ子はこうした情景を見ることもなく社会人になった。

私の生まれ育ちは大阪市内。

町っ子であるが、田舎は旧村だった。

その関係があったかどうかは判らないが、奈良に来て初めて知ったものもある懐かしい情景を展示する。

これらの展示は時期がくれば貼りかえる。

その件については担当を任されたMさんがいる。

出来上がり写真を見るのは初めてだという。

なかでも驚かれたのはカンピョウ干しがあった地域だ。

そこは天理市の庵治町。

自宅からすぐ近くにある処にこれがあったとは、とたいへん驚かれたのだ。

国道沿いにあるくるくる寿司店の「くら寿司」と名高いラーメン店の「天下一品」がある敷地の西側。

こんなところにこれがあったのかと驚くMさんは、どちらかと云えば若手。

あった場所もそうだが、なぜにカンピョウ干しに飛びついたか、である。

話しを伺えば出里は天理市の苣原町。

子供の頃は自宅周辺でもしていた家があったらしい。

苣原町の行事取材に度々出かけたことがあるが、そういう話しは始めて耳にしたのである。

存知している村の人の名を挙げたら、苣原話しが盛りに盛り上がる。

住まいは離れているが消防団に属している。

村で何かが起これば駆けつけるらしい。

それから2週間後に電話があった。

カメラのキタムラ店ではなく、市内番条町が出身のSさんからだった。

展示が始まったと連絡してくれた。

展示の状態を確かめたくて訪れた。

到着するなり声をかけられた。

声の主は河合町に住む元上司のKさん夫妻。

Kさんは私の背中を押して、この道に入るきっかけを作った人だ。

この日は地元でなく、たまたまの入店となった写真をともにする夫妻に巡りあい。

平成25年12月14日、神戸元町で展示された渋谷良一・南岡誠昌宏写真展以来の再会だ。

積もる話しはいろいろあるが、やはり病に伏した身体のことだ。

その場には展示を伝えてくれたSさんもいる。

三人にはできたてほやほやの解説シートを手渡した。

(H28. 2.17 SB932SH撮影)

13回目のテーマは実成りに感謝

2015年01月30日 11時18分47秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
平成14年から始まったカメラのキタムラ写真展は今回で13回目。

テーマは稲作における「実成りに感謝」にした。

苗代の場の注連縄立てから始まって鎌納めまでの8枚組を展示する場は奈良市杏町153番地のカメラのキタムラ奈良南店。

私が紹介する写真は行事が主体。

見にこられた人が店員さんに「これなんですのん」と質問をうけ始めたのが平成19年。

解説の必要性を感じたが毎日出向くには無理がある。

そう思って作った解説シート。



A4用紙に場所・写真。解説・撮影日を一枚ごとに書いた。

ご自由に持って帰ってもらえるように何枚か展示場に置いている。

これで店員さんも困らない。

それからは毎年続けている解説シート付きの写真展。

本日出向いたら早くも数枚が減っていた。

持って帰られたのであろう。

少なくなれば補充をする。

展示は1月末辺りまで。

それまではときおり立ち寄って残枚数の確認を要する。

(H27. 1. 3 SB932SH撮影)

8枚組のテーマは「実成りに感謝」。

これまでは原版リバーサルフィルムのプリントだった。

今回はデジタル画像もあるしフィルム画像もある混在だ。

いろいろな観点から混在となった作品選び。

いっそのことすべてのプリントはデジタルから起こしてもいいだろうと思って依頼したプリントはクリスタルの4pw。

仕上がったプリントは混在していてもまったく判らない。

良い仕上がりだ。

できあがりを見ていた店員さん。

「これは何っ」と云った「サブラキ」の映像。

田植え初めに行われる農家の在り方は初めて見たという。

もう一人の店員さんは「カマ納めのカリヌケ」写真を見てこう云った。

「実家で暮らしていた子供のころ。稲刈りが終わったら稲を刈ったカマを箕に納めていた。豊作であったことに感謝する家の風習。納めたのは座敷だった。減反政策もあって今では家人が食べるだけの稲を栽培している」と云うのだ。

もう一枚の写真を見たKさんは「これもしていた」と云う田んぼの注連縄。

大晦日だったか覚えてないが、玄関扉や納屋などに家で作った輪っかの注連縄を飾っていたと云う。

その日は苗代にも竹に挿して立てた。

ミカンはなかったがウラジロはあったと思いだされる。

裏山の山の神さんにも注連縄を飾ったと話すKさんは淡路島が出身地。

阪神大震災で活断層がむき出しになった一宮(いちのみや)で暮らしていたそうだ。

奈良県内ではおそらく今市だけであろうと思われる田んぼの注連縄。

在り方もまったく同じである。

Kさんが思い出したもう一枚。

1月15日の小正月に正月のモチとかアズキガユを供えていた。

その場も苗代田である。

朝にアズキガユを食べた。

カヤススキの茎の堅い部分を十数cmに切って箸代わりに食べていたと云うのだ。

さらに思い出した「ミトマツリ」。

イロバナはなかったが、割った竹に白い紙片を挟んで苗代に立てていたそうだ。

今回展示するほとんどを体験していたのだ。

例年のとおり、今回も写真付きで解説シートを準備した。

カメラのキタムラで写真展をされる人やグループには解説なんてものはなく写真だけである。

写真展はどこでもそうだが、私が展示する写真は毎回において閲覧者が店員さんに質問をするそうだ。

困ったことに何を尋ねられても判らない行事や風習の写真展。

そうであれば解説シートを作ればいいのだと思って毎回作るようにした。



Kさんも体験したことがない「クワハジメ」、「サブラキ」もある稲作の一年を紹介する。

(H26.12.16 記)

今回のテーマを選んだのは田植え・稲刈りイベントの報道を見て「これは本質ではない」と思ったからだ。

収穫したお米で炊いたオニギリをほうばる子供たちの笑顔。

映像にでてくる親の微笑ましい顔。

「田植え」や「稲刈り」の日だけに参加する米作りオーナー制度に応募した人たちの姿をとらえる報道に違和感をもった。

今日の朝刊に「棚田オーナー制度」の募集があった。

「草刈り」を入れて年3回の農作業に参加するが普段の日常管理は農家が行うと伝えていた。

しんどいところは体験せずに「えーとこ撮り」。

ましてや、今回のテーマに挙げた写真で紹介する農家の祈りや感謝は「教え」もない。

オーナー制度そのものの批判はしたくはないが、「アイ」の日の田んぼで何が行われているか足を運んで「気づき」をしてほしいと思って投げかけた写真展。

見られて感じた「思い」を伝えてくださったら、私も「気づき」になると思っている。

(H27. 1. 4 記)

12回目のテーマは大和郡山の二ノ正月とんど

2014年02月10日 09時29分31秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
平成14年から始まった展示は今年で12回目。

場所は奈良市杏町153のカメラのキタムラ奈良・南店

今回のテーマは「大和郡山の二ノ正月とんど」(1月末まで展示→好評につき2月10まで延長)である。

1月小正月のとんどは全国的であるが、2月に行われる二ノ正月のとんどはあまり知られていない。

それが奈良県大和郡山市内に数多く存在する。

私が知る範囲内では矢田町、小南町、丹後庄町、額田部北町、柏木町、筒井町、新庄町、番条町、井戸野町、稗田町、豊浦町、天井町、美濃庄町などだ。



とんどの形だけでなく、服忌の小とんど、習字焼き、モチ喰い、火移し、アズキガユなど、とんどに纏わる要素も紹介した。

今回も8点の展示。1.城町・主水山の大とんど、2.矢田町・南矢田垣内の火点け、3.八条町のふるまいぜんざい、4.豊浦町の習字焼き、5.番条町の小とんど、6.矢田町の服忌の小とんど、7.矢田町・清水垣内のとんど火、8.柏木町の小豆粥である。

要望があった数年前からはお持ち帰り用の解説シートも添えた。

写真に裏張りをしていないから室内灯が乱反射し見にくい、しかも地味な内容だけに関心をよせる人はそれほど多くない。

と、思っていたがそうではなかった。

始めに準備した解説シートは15枚。

前回は余ったぐらいの枚数が少なくなっていた1月半ば。

10枚を補充した。それから1週間後にはわずかに数枚が残っているだけだ。

またもや補充した枚数は10枚・・・。

それも不足となって2月3日にはまたもや10枚補充した。

展示が終わって残枚数は9枚。

どなたかお持ち帰りになられたか存知しないが35枚にもなる。

副店長の話しによれば展示写真を撮られていた人も居たそうだ。

目立たない二ノ正月のとんどに関心を寄せてくださった方々、厚く御礼を申し上げる。

テーマに揚げた写真はいずれ「ならグルグル散歩」で公開したいと考えております。

(H26. 1. 3 SB932SH撮影)

11回目のテーマは大和の講

2013年03月31日 09時07分48秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
11回も続くとは思っていなかったカメラのキタムラ奈良南店(奈良市杏町153番地)の写真展。

いつもながら展示するテーマに悩まされる。

前年からは正月の1カ月間になった。

正月に願う年初めの行事は前年のテーマ。

今回はあまり知られていない大和の講を選んだ。

大和にはさまざまな講中が存在する。

講名を挙げるだけでも相当な数になる。

すべての講中の営みを掲げるほどの展示スペースはない。

8点に絞って展示したのは1.大和郡山市伊豆七条町の尼講の朔日参り、2.山添村勝原の子供の涅槃、3.山添村遅瀬中南寺の観音講、4.奈良市大野町の十九夜講和讃、5.宇陀市室生下笠間の伊勢講、6.大和郡山市井戸野町の金丸講の回り講、7.桜井市芹井乾垣内の旧暦閏年の庚申トアゲ、8.山添村岩屋の十二社権現講の籠りである。
(平成25年2月2日展示終了)

(H25. 1. 4 SB932SH撮影)

10回目の展示は年初めに願う

2012年02月10日 19時30分47秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
今回で10回目となるカメラのキタムラ奈良南店(奈良市杏町153番地)での写真展示。

お店から頼まれての写真展も10年目となった。

これほど長く続くとは思ってもいなかった。

例年なら年末一か月の期間だが、今回は正月から2月初旬にかけてとなった。

お店の事情もあってそうなったのだが、年初ということで年の初めに行われている民俗行事を紹介してはどうかと思って決めた。

奈良県では多彩な年初めの行事が各地で行われている。

平和で安穏な暮らしが過ごせるよう、そして家族ともども健康でいられるように願う。

農耕であればその年も豊作であってほしいと祈る行事である。

数々の民俗行事を取材させていただいた中でどれを選ぶのか、毎回悩ませるテーマ立てであった。

今回は、1.奈良市長谷町の正月の膳、2.山添村春日の山の神参り、3.天理市上仁興のケイチン鬼打ち、4.山添村切幡のとんどの習字焼き、5.宇陀市大宇陀の平尾のオンダ、6.宇陀市大宇陀の野依の豆占い、7.奈良市上深川の初祈祷、8.奈良市下狭川の社日の水口まつりの8点とした。

年の始めに行われるさまざま願いを一枚の写真におさめた大和の民俗行事写真展は2月初めまで展示しているので、お店に寄られた際には振りかえっていただければと思う。

(H24. 1. 3 SB932SH撮影)

年初めに豊作を願う行事

2011年05月01日 06時25分52秒 | しゃしん(カメラのキタムラ展示編)
例年、年末にはカメラのキタムラ奈良南店で個人展をさせてもらっている。

毎回年末に、である。

今年はその日程を空けてくれないかと話があった。

私のほうから特段指定しているわけでもないし、そんなこといっこうに構いませんよ返答した。

で、1月から2月半ばと日程は変わるけど展示はしてほしいという。

ということは年初。

であれば年の初めに行われる行事は多種に亘っているからそれをしてはどうかと相談した。

イタダキサン、注連縄、とんど、オコナイ、ケイチン、オンダ、年越し、粥・豆占いなどなど。

神社、お寺、村に家の行事はさまざまではあるがいずれも年初に豊作を願う行事である。

これらをテーマにして8枚組にしてはどうか。

展示日はまだまだだがどれを選ぶか悩まされる。

(H23. 3.26 記)