マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

野遊び⑧in馬見丘陵公園

2019年05月27日 09時30分02秒 | 自然観察会
前回参加の自然観察会。数か月も離れると何時行ったのかさえ思い出せなくなる。

辿ってみれば今年度2回目の平成29年5月14日。

参加できる状態が後退する一方であるが、山ちゃん先生と帯解で遭遇したこともあって、今年度ラストの回である馬見丘陵公園観察会に〆参加した。

集合場所に来られていた皆さんも9カ月ぶりだが、それ以上のスタッフも。

一年に2度の参加となった私には「忘れるころにやってくるんや・・」と。

実はそうでございます。

この日はとても寒い。

当地に来る時間帯のおよそ30分前には粉雪が吹きつけていた。

県南部の山々は真っ白になっていることだろう。

馬見丘陵公園の観察会は平成24年の2月12日以来。

6年間の空白があったと思っていたがそうではなかった。

直近は平成26年2月9日の4年前だった。

スタッフの顔ぶれはいつもと違って賑やかになったと云っていた。

参加した親子さんは3組10人である。

最初に観察するのはキクイタダキ。

頭のてっぺんに特徴をもつキクイタダキはとても小ぶりの野鳥。

先に来て下見をしていたスタッフの声に誘われるまま公園道を下っていく。

中央エリアかた北エリアへ向かうルートに高さのある樹木にいるという。

何人かのカメラマンが望遠レンズを構えていつる。

先に動いたのはアオジだ。

その場で通りかけた散歩中のおじさんが観察会スタッフに声をかけてきた。

「お腹が赤い色で、背中に白い点のようなものがある鳥。名前は3文字やと思うのだが・・」に対する答えは明らか。

ヒタキの仲間のジョウビタキである。

3文字は合っていたからヒタキ。

それに上物のジョウとで記憶すれば覚えやすいですよと伝えておいた。

数羽のカワラヒワも飛ぶ背が高い樹木に不思議なものがぶら下がっている。



その姿は松ぼっくりが長ったらしい、だれるような長方型。

樹木の葉は針のよう。

群がっている細い葉は松葉のようだが塊になっている。

丸くほんわりするような形の樹木はドイツトウヒと教えてもらった。

やまちゃん先生がかつてとらえたキクイタダキの写真。

写っている姿は松葉にとまっていた。

松葉は細い。

それと同じくらいの脚の太さ。

松葉の長さに比較したらおよそ1/3が体長。

それほど小さいキクイタダキ。

大台ケ原でサポーターをされているSさんの話しでもある。

キクイタダキは大台ケ原で見つけている。

止まっていた樹木はトウヒやモミの木の針葉樹。

キクイタダキの好みの木のようだ。

樹木の中にせわしなく動くキクイタダキは双眼鏡で観察する。

そこを離れて大池がある場に向かう。



そのルートに落ちていた着果物。

丸い球に針がどんだけー、である。

上を見上げたら枝にくっついている実がぶらりぶらり。



樹木の名前はアメリカフーと呼ぶそうだ。

アメリカフーとは面白いネームである。

アメリカフーは私の頭の中でアメリカフォーを繰り返す。

アメリカフォーとくれば先日食べたベトナムフォーである。

雑木林にちらほら動く。

ヒーヒーと鳴くルリビタキの雄。

いたよと云われて近づいたが逃げたあとだった。

その場にはやや大型のアリスイも。

ただ、はっきりと認識できなかったのでなんとも言えないが・・・。

少し移動した雑木林も野鳥が住んでいる。

姿はちょろっとしか見えなかったベニマシコ。

藪から出てくるか、と待っていたがとうとう出没せず。

マガモにコガモもカワウもいる大池。

それ以上もいない、ちょっと寂しい水鳥。

個体数も少ない。

モズがひょこんと出てきた。

それを追いかけて小山に登っていく元気のいい子どもたち。

走って坂を下りてきたら転げるだろうに。

ハクセキレイにシジュウカラ。

ヒヨドリもおればツグミも。

これらはだいたいが地面をぴょんぴょん飛んでエサを探している。

シメは高い樹木に止まっていた。

よくまぁ見つけたものだと思ったが、やはりの野鳥カメラマン。

レンズが示す方向に双眼鏡を移動したら見つかったというスタッフが設定した単眼鏡で見せてもらった。

嘴はピンク色。目つきが怪しいシメである。

なんせ、寒い。

冷たい風が吹き抜ける。

風除けする場所がない。

食事タイムが宣言されて場所を確保するにも難儀なこと。

とりあえずはトイレ探しに足取りは重い。

寒さで身体も足もカチンコチンに固まっているから動きは鈍い。

トイレに座ってほっとする。

皆さんは風除けすることもなく持参したお弁当とかインスタントカップラーメンをすすっていたそうだ。

言い方は古い魔法瓶に熱い湯を入れていたから、問題はないものの、3分間も経てば冷めてしまう。

それでも美味かったと云っていた。

私はその時間帯はいつも昼食時間に到達していなかったのでパスした。

大池を見る角度がかわればマガモに混じってヨシガモもいた。

できれば早く終わって欲しいと思っていたぐらいの時間帯はお花観察。



一つは梅林である。

しだれ梅に白梅も紅梅もまだまだ蕾。

そう思っていたが、ほんのわずかだが開いていた紅梅もあった。

近くまでよって梅の香りをかぎたかったが、柵を設けているので断念。

そこから少し歩いたところに咲いていた黄色い梅は蝋梅。



12月になれば咲きだす蝋梅もそろそろ終末期であるが、香りはたっぷりある。

落下した蝋梅を何個か拾って持ち帰った。

香りをかいだおふくろが歓んでくれたのが嬉しい。

枝に止まったジョウビタキの雌。



白い点にお腹が赤いのでわかるが、雄の方が美しい。

寒い、寒い、を連発するこの日の観察が辛い。

脚でなく腰に力がはいらなくなってきた。

あるく速度は極度に低下する。

それが、突然に元気を取り戻してくれたのは7種の野鳥。

この場はルリビタキの雌がいたところだ。

雌の尻を追いかけていくうちに見失った。

振り返ればそこにいたエナガ。



あっちこちの枝に飛び回る。



そこに登場したヤマガラにメジロ。



あっ、ウグイスもいる。



シジュウカラにコゲラも飛び交うその場は野鳥の天国。

身体がしゃんとなってシャッターを押しまくる。

堪能した時間帯は12時直前。

ようやくお腹が減りだしてスーパートライアル大和小泉店で買ってきたおにぎり二つ。

もうこの時点のお腹はぬくぬくのうどんを欲しがっていた。

二つも食べりゃ、うどんはもう無理になるから一つにする。

ナップザックに秘めていたおにぎりは炙り焼き豚の縦割おにぎりと鶏唐揚マヨネーズ。

いずれも税抜き価格が69円。

ザックから先に出てきた方を食べることにした。

抽選に当たったのは炙り焼き豚おにぎり。



残った一つは今夜の食事に廻す。

お味は・・。

あまりの寒さに舌もかじかんで美味しさを感じなくなっていた。

後半は7種の野鳥で充分に堪能させてもらったが、次も・・である。

青葉茂れる樹木の枝に止まっている野鳥は大型。

鳴き声でもわかるアオバトである。

野鳥撮りのカメラマンが数人たむろしているから、その場がすぐわかる。

樹上に大型大砲のようなレンズを向けている。

その先にいたアオバト。



青葉が風に揺れてアオバトの顔を隠す。

風が止まらない。

じっと佇んでいるアオバトを撮ろうにあっちこちの角度から攻める。

どこへ移動しても葉や枝がアオバトの顔の前にある。



もっと移動したらもう一羽のアオバトも止まっていた。

逆光に遮られてシルエットばかり。

超アンダーな位置から構えてなんとかなっただろうか。

さっきの7種といい、このアオバト夫妻と思われる二羽のアオバト撮りになん度シャッターを押したことか。

見切りをつけて移動する。

池の住民のように見えたアオサギ。

上空にオオタカかハイタカのような猛禽類も飛んでいたそうだが、見逃した。

すぐ近くに飛び出したジョウビタキの雄。

白い点が鮮明。

お腹もぷくぷく姿。

愛らしい眼がたまらないが、持つレンズは200mmまで。



ちょっと遠い。

この場にはジョウビタキの雄が何羽も飛び出してくれる。



あっちに出てきたと思えば、逆の方向にも。

ここでもまたもやシャッター数が多くなる。

樹上に二羽の野鳥が飛んできた。

飛んだときも目立つ黄色の羽根があるから見分けやすいカワラヒワ。

遭遇した人が声をかけてくれた。

あっちにカワセミがいますよ、だ。

小さな池がある。

その前の枝に止まっていた野鳥は紛れもない宝石。

カワセミである。

どんだけーと声がでるくらいカメラマンが一点に集中していた。

池に何かがいるのだろうか。

下見した事前観察班によればザリガニのようだが・・。



下向き加減に一点を見るカワセミ。

私が近づきすぎたのか、もう一つの池に飛んでいった。

後を追っかけるカメラ軍団。

うまく撮れたのだろうか。

まだ慣れていないと云いながら映像を見せてくれた女性。

なんとなく誇らしげ。

そんなことをしている間にまたもや飛んでいったカワセミ。

3カ所も池の真上であった。

〆にシメであればできの良いぃ洒落で終わるのだが、カワセミくんを最後にこの日の観察会は幕締め。

出発してから3時間半。

久しぶりに愉しませてもらった。



出現した野鳥の数を確かめて解散したあとで見た歩数計は5250歩。

6年前より増えていた。

(H30. 2. 4 EOS40D撮影)
(H30. 2. 4 SB932SH撮影)

野遊び②in矢田山頂池

2018年06月13日 09時29分12秒 | 自然観察会
ほぼ2年ぶりに参加する野遊びサポーターの自然観察会。

私がお休み中であっても年に8回の観察会は期月、観察場所もほぼ同じで定例的に開催されているから途中で加わっても違和感はない。

お休みの理由は平成27年7月10日に発症した僧帽弁逸脱による弁膜異常。

正式な病名は「うっ血性心不全・僧帽弁閉鎖不全症」である。

手術は上手くいったものの心不全に陥った脈拍異常。

退院後も処置せざるを得ない状況に処置をしたが今度は低脈拍異常に陥った。

それからの1年間は毎週のリハビリ運動。

なんとか今年の三月末には卒業免許をもらった。

もらったのは良いが不完全な状態の復帰。

普通の生活はなんとか暮らせるようになった。

民俗行事の取材は身体の動かせる範囲内で復帰した。

ところが自然観察会はなんとなくの気後れ。

平坦地の観察なら特に意識もしないのだが、山を登る行程の場合は二の足を踏む。

行事取材の場合でも山を登ったことがあるが、たかだか10分程度。

ロングウォークの豆たばりの同行取材は2時間コースであるが、アップダウンはそれほどではない。

さて、どうするか、である。

普段、家に居る場合は往復2kmの歩行訓練をしているが、長々と登るのはどうなのか。

途中下車のUターンになるのか、それとも動けなくなってサポーターの皆さんに迷惑をかけてしまうのか。

不安はある。

その不安を払拭するには参加するしかない。

そう思って今回コースを選んだ。

と、いうよりも先々の観察日程を考えれば行事取材日と重なること多し。

タイミングを失えばまたずるずるしてしまう。

気合で決めた平成29年度2回目の野遊び観察会に出かけた。

集合地は矢田山中腹にある矢田寺の駐車場。

あじさいはまだ咲いていないから締められることはない。

集合地で顔を合わすサポーターの人たち。

私もそうだが2年間の空白は若干の高齢化を感じる年頃である。

この日に集まったサポータースタッフは7人。

保護者会家族は3組で11人。

うち7人は子どもたちだ。

近くに落ちていたハガキの葉っぱで早速始まった自然観察会。

矢田山の木々は広葉樹もあれば針葉樹も。

特にこの時期であればドングリの木の色で山がすっかり変色していることがわかる。

近づけばドングリの花の匂いがしてくる。

初夏の匂いは甘い香り。

景色も匂いも自然の移り変わり。

一週間前に何人かのサポーターが下見をしてきた。

その日と本日とではすでに違っているという。

クマンバチのホバリングは縄張り争い。

いらんことをせーへんかったら、今の季節は大丈夫だが、決して安心しないようにと注意事項を伝える。

二番目の発見はカタツムリ。

それも口紅マイマイ。

雌雄同体のマイマイに口紅しているからそれは女の子やと子供はいうけど、近年では男の子の化粧もあるで、といえば笑っていた。

この日の野鳥は鳴き声で観察。

とはいっても野鳥の姿が見えないから子供たちは鳴き声だけでは興味を示さないが、種別だけでもメモっておこう。

一番よく聞こえるのはウグイスだ。

ピョーと鳴くアオゲラは遠い。

美しい声でさえずるキビタキ。

コジュケイもコゲラも鳴いていた。

遠くの方から聞こえるもっときれいな声。

キョロロンピー、キョロロンピーと聞こえる野鳥は何だ。

サポーターの見立てはクロツグミ。

どうやら矢田山に渡ってきたようだ。

そういえばソウシチョウも見たことがあると云っていた。



今回は矢田の山。

先立つのはトイレである。

こういうもよおしものは何時発症するか待ったなし。

そういう場合を避けて矢田寺のトイレをお借りする。

矢田寺の奥は大阪の人たちが立てたとされる四国巡礼の写し霊場がある。

ここ矢田山にある八十八カ所の石仏をお参りすれば四国にあるお寺さんすべてを巡礼したことになるありがたい地であるが、子供たちは説明を聞いてもさっぱりわからない。



ここへ行くには急こう配。

矢田山を登るには避けられない難コース。

尤も私にとっての話しであるが・・・。

気温は28度にも上昇すると気象予報がでていたが、そうでもなかった。

樹木の下を歩くからそう感じるのか、気持ちの良い風が通り抜けるから汗もでない。

湿気の関係だと思う。

何年か前に訪れた観察会のときは頭から汗が流れ落ちた。

カンカン照りに汗が止まらなかったことを覚えている。

途中で休憩できる東屋がある。

そこにいたのはアリジゴク。

子どもたちは歓んで捕まえていた。

触ったらくるりと丸くなるアリジゴク。

鎧を身に纏っているようだ。

遠目で見ればサンショに見えなくもない。

ここにはもう一つの昆虫がいた。



コメツキムシである。

幼い手で抑えて話せばピョンと弾ける。

その力、強し、である。



下見ではさっぱり見かけなかったというタツナミソウ。

ある所にはあるもんだとサポーターが話す。

花芽のないショウジョウバカマは葉っぱだけ。申しわけないが、花が咲いていなければ撮る気が起こらない。

石仏からようやく離れて頂池。

ここにも東屋がある。

2回目の休憩に辺りを観察する。

朽ちた木々にはたくさんついていたキクラゲ。

乾かして干しておけば食べられる食材。

生では口に入れたくもないと云いながら採取する子供たち。

どっちかといえば食べやすいのはシロキクラゲ。

現在、県立病院を建設中の雑木林は消えた。

30年前の雑木林は森の中。

そこに生えていたシロキクラゲを採取して食べたことがある。

水で綺麗に洗ったシロキクラゲは山葵醤油で食べたことがある。

味はないが食感がコリコリして美味かったことを思い出す。



ところで撮ったシロキクラゲ。

光が当たってまるで鉱石のように見えた。



ここら辺りを探してみればギンランが見つかった。

すぐ近くにはキンランもあったが、それは随分前のこと。

キクラゲが蔓延る辺りにあったが、今はない。

ちなみにそこから歩いて数分後。

目に入った白いモノ。

こちらは花が咲き始めだ。

その地、あの地によって咲く時期が異なることがわかってきた。

シロキクラゲもギンランも地面から近い処にあった。

これらを撮るには腰を屈めてしゃがまなければならない。

タツナミソウのときもそうだったが、ローアングル撮影はとても苦しい。

胸が圧迫されるのか、息ができないくらいに苦しい。

十数秒も待ち構えるには身体が持ちこたえない。

見立てはいたって健康に見えるが、不完全な状態。

心拍はおそらく40拍前後。

椅子に座っている状態であればなんともないが、しゃがむのはとても辛いが治す薬はない。

坂道がずっと続くような山道。

一休み、二休み、三休みしなければほんまにしんどい。



そんなことは関係なしに自転車でハイカー道を走っていくサイクラー集団。

突然に出てくるから子供たちを退避するのに大きな声を出さずにいられない。

思う存分走っていける身体が羨ましい。

ここら辺りから若干の下り。

そこに落ちていた見かけない植物。

ドングリの木の雄花だと思ったが花がまったく違う。



これはなんだろうか。

サポーターの人がいうには「ヤナギのなんとか」だ、そうで。

それをキーワードにネット調べ。

どうやらアカメヤナギ(※マルバヤナギとも)の花後の状態のようである。

ちなみにはしやん先生が云っていた「柳絮(りょうじょ)」もあるらしく、それはラックするときに綿毛が空中に飛び散って風に漂って舞うのがすごいらしい。

時間帯は昼どき丁度。

家からもってきた、とっておきのインスタントカップ食品がこの日の昼食。

およそ30分間の休憩をとって後半は下り坂ばかり。



子どもが発見したバッタはヤブキリ。

背中の線が一本であればヤブキリだが2本ならキリギリスだと教えてもらう。

その下は農業用水池。



少量であるがヒツジグサがある。

花の咲く時間帯は午後2時。

その時間まで1時間半。

待ってられない観察会は出発地を目指して戻っていく。

次に見つかった昆虫は小さい。

そういえば手前のところで大量のオトシブミを発見した。

一つや二つどころか大量に落ちていた。

中にはオトシブミと呼ぶ昆虫が住んでいるはずだ。

成虫なのか幼虫、それとも卵の状態なのか確かめたい子供は持ち帰って生体観察するらしい。



それはともかく見つけた昆虫も小さいキスジコガネ。

青い色であればアオスジコガネになるようだ。

そこからもっと下ったところに白い花をつけた房がいっぱいあった。



花はニセアカシヤ。

どうして手元で見られるのか。

調べてみれば倒木であった。

一昨日の雨は強烈だった。

その雨の関係で生えていた砂地が崩壊した。

花を咲かせたまま倒木した。

そのように考えられるのだが・・・。



そこからもっと下った処にもタツナミソウが咲いていた。

一週間前の下見ではまったくなかったタツナミソウは飽きるぐらいに多い。

そんな状態を見ながら下ったら橋がある。



橋の名前は僧坊谷橋。

私の病名は・僧帽弁閉鎖不全症。

僧は同じだが“ボウ“が違う。

違うが読み方は同じだからついつい僧帽弁を思い起こしてしまった橋の名である。



その橋をさらに下った処にもタツナミソウ。

どれをとっても愛らしい姿を見せてくれた。



そこからずっと下った処にあったギンリョウソウ。

かつて拝見したギンリョウソウの場は逆方向にあった。



菌が飛んでいったのかもしれない元の場所近くにはオオアリドオシの白い花が咲いていた。

この日の万歩計。

午前9時台は807。

10時は1124。

11時は1854。

12時は1402。

13時が1520。

合わせて6706歩。

歩数はすくないがけっこーキツかった。

(H29. 5.14 EOS40D撮影)

野遊び③in正暦寺菩提山付近の里山

2016年04月21日 07時44分53秒 | 自然観察会
6月第一日曜日は大和郡山市で一斉に行われるクリーンキャンペーンがある。

地域ごとで行われる地域の清掃日。

自治会役員や班長は段取りなどに動き回る。

住まいする地区は入居した時代からほぼ全員が参加してきた。

清掃日は強制参加でなく自由参加。

やむを得ない事情があれば欠席している。

朝8時半から始まって、草刈りや流れた水路の泥を取り除いて袋に詰める。

集める場所は指定地だ。だいたいが9時半過ぎに終えるが役員らはゴミ収集車が運ぶまで待機する。

泥の収集はほぼ10時過ぎだが刈った草の収集は昼過ぎになる。

班長を務めていた年は収集車が運び終わるまでどこへも出かけることができない。

この日は今年度3回目の野遊び自然観察会。

集合時間は9時半だったが絶対的に間に合わない。

遅れて行くと予め伝えていた。

事前にお願いしていた正暦寺の臨時駐車場に着いたのは10時半過ぎ。

すでに観察は始まっていた。

下見していた場所に向かおうとしたら声がかかった。

サポータースタッフの家族だった。

もしかとすれば逆ではと思ったらその通りだった。

石垣辺りでタゴガエルを捕まえたそうだ。

観察を始めていた集団は15人の親子さんに8人のサポータースタッフがついていた。

ここら辺りに生息するカエル類のすべてはタゴガエルになるそうだ。

トイレ前に咲いていたヤマボウシを拝見して再出発だ。

この日は昆虫がなぜか少ない。



少ないといってもテングチョウはやたら多い。

多いと云っても昨年ほどでもない。

見慣れないチョウが飛んできた。

飛んで開いていたときの翅の内側は綺麗なオレンジ色のように見えた。

地面にとまっても開いてくれない。

シャッターを押したとたんに飛び去ったチョウはどうやらヒオドシチョウである。



もう一つはキンモンガ。

じっとしていたので撮りやすい。



もう一つは巣作りしていたハチ。

アシナガバチの一種だと思ってネット図鑑で坊主捲り。

巣の形態から見てキボシアシナガバチ若しくはコアシナガバチのようだ。



もう一つは昆虫仲間のサワガニのオス。

子供が捕まえた沢に生息するカニだ。

素揚げで食べたことがある。

あのバリバリ感が懐かしい。



下見の際に聞いていたイノシシアラシ。

電柵を突き抜けて畑に突っ込む。

そういえば榛原石田の住民もそう言っていた。

当地では高さ2m以上のシカ除け柵を立てた。

であるが、跳躍力があるシカは柵を飛びぬけて畑を喰い荒らすので難儀していると話す。

菩提山町隣の高樋町の農家の人が話していた現象。

夜間に鳴くシカの声。

翌朝に見た稲苗は食い荒らされていた。

面白いことに形は四角形。

綺麗なものだと思ったそうだ。

奈良公園の芝刈り機はシカ軍団。

芝生を食べる状態は横一列になって食べていた光景を見たことがある。

同じように何頭かのシカが居るのだろうか。

写真はタケノコを食い荒らしたイノシシアラシの痕跡だ。

土に埋もれているタケノコの匂いを嗅いで食い荒らす。

動物本体は見ることなかったが野鳥は多かった。

コゲラ、サンコウチョウ、シジュウカラ、オオルリ、ホオジロ、ウグイスなどだが、いずれも鳥だけに撮り損ねた。

ピッピーピリチョイと聞こえたオオルリが鳴く。

ここより遠く離れた大樹に止まっていた。



その姿は双眼鏡でとらえられるが、私がもつ望遠レンズでは届かない。

背中が綺麗なルリ色ははっきりと見えたのが嬉しい。

記録はできなくとも記憶は残る。

この辺りではいろんな野鳥が飛び交う。

遠くで鳴く野鳥もいる。

耳を澄まして聞けば、サンコウチョウの鳴き声だった。

杉林のなかにいることは確かなのだが見つけられなかった。

野鳥より多くの観察ができたのは植物だ。



野生のアスパラガスといわれる蕾状態のシオデがあった。

塩茹して食べたくなるが・・・。

5月の初めのころ。

旧都祁村のある地域にはたくさんあるらしいとKさんが話していた。



昨年と同じ場所にあったツチアケビ。

黄色い花が咲いていた。

ツチアケビが寄生するナラタケ菌がまだ土のなかに残っているようだ。



白い花のウツギ。

蜜を吸う小さな昆虫がいるが・・何者だ。



イチヤクソウは、一週間経ってもまだ蕾だった。



ウツボグサは魚のウツボに似ているわけではなく、矢を入れる用具の「靫」である。

どことなく似ている姿だ。



白と淡いピンク色の小さな花のウメモドキ。



ヤブムラサキの花。

どちらも小さい花で、風に揺られて撮り難い。



これは下見でも見たショウジョウバカマのムカゴ。

一週間の差では成長具合は判らないが、下見会においても学習したから、自信を持って覚えられることだろう。



これはミヤコアオイ。

当地での観察会は十数年間。

始めてお目にかかる。



葉はカンアオイのような文様はないが、花はまったく同じように見えるミヤコアオイ。



カンアオイの花が開くのは秋ごろだが、ミヤコアオイは全開していた。

昼食を摂った場所付近に2本のササユリが咲いていた。

明日ぐらいには開くであろう。

ササユリの葉は隣にあった笹の葉とよく似ている。

葉に筋があるか、ないかで見分けられる。

もちろん茎はまったく様相が違うから見間違うことはない。

ササユリは新芽が出た年には花を咲かせない。

2年目、3年目になってようやく花をつける。

花泥棒に見つからないよう、祈るしかない場所に咲いていたササユリは大切にしてもらいたいものだ。



咲いている付近にヤマビルを見たとウメちゃん先生が云った。

ジュクジュクしている処に生えていたササユリ。

長靴を履いていてもヤマビルは侵入する。

子供たちは危険なので遠目で見てもらおう。

これは帰路に拝見した花後のムロウテンナンショウだ。

ホオジロ、ウグイスの鳴く声を聴きながら戻った道中に吊るし干しをしていた民家がある。



タマネギではなくニンニク干しだ。

「干す」をテーマに撮っておいた。

(H27. 6. 7 EOS40D撮影)

野遊び下見オプションの北椿尾

2016年04月12日 12時18分00秒 | 自然観察会
下見の午後はオプションで隣村の奈良市北椿尾町を散策する。

菩提山町の田園は200mぐらいだが、標高528mの山頂に椿尾山城跡がある北椿尾町に行く。

観察地はそこより50mほど下った地だ。

標高差の関係で違いが見られる動植物の様相を観察する。



ここではシカの足跡が見つかる。

もう一つはサルが脱糞したと思われるウンコがあった。



撮ったときは気がつかなかったがクロヒカゲがいる。

どうやらウンコを食べているようだ。

クロヒカゲはクロっぽくて眼状紋を取り囲む線が眼状紋に深く入り込んでいるように見えると教えてくださったのはRYU先生だ。

他にも道端ウンコがあった。

やや小さ目で長く細い。

イタチかテンと思われたが撮っていない。

ここ北椿尾も多くの野鳥が生息している。

写真は菩提山里山と同様に望遠レンズの持ち合わせはなく、肉眼で見て、耳で鳴き声を聞く。

観察した野鳥を列挙しておく。

大群で飛び交うメジロは姿、特に目が特徴だ。

鳴き声が美しいイカル。

私はこのイカルの声が大好きだ。

「ピリリと辛い」と鳴くサンショウクイもいた。

けたたましく大きな声で鳴くホトトギス。

私の耳では「キョッキョキョカキョク キョッキョキョカキョク・・」である。



北椿尾の樹林には多くのクロツグミがいた。

向こうの方ではキビタキも鳴いていた。

シジュウカラ、カワラヒワにオオルリも逃す。

サンコウチョウらしき・・声も聞こえた。

鳴きもせずにいきなり飛び出したコジュケイもいた。

野鳥は多くいるが撮影はカメラを構えたとたんに撮り逃がす。



ワケがわからん映像ばかりが残った。

秋になれば赤い実をつけるゴンズイの木。



小さな花がやや開きかけに咲いている。

そこにとまっていたのはコミスジチョウだと思ったが・・・。

文様がミスジチョウとよく似ているが若干違う。

ちなみにゴンズイの木の名前だ。

樹皮が魚のゴンズイに似ているという説もあるが、木は柔らかく折れやすいから魚と同様に役にたたないという説もある。

また、「牛王杖」が語源だというなど諸説さまざまである。

もう一枚はサカハチチョウ。

逆さにみたら「八」の字であるが、これは違うような・・いや、夏型のサカハチチョウ・・・でもなかった。



RYU先生の助言もあっていろいろ調べたらイチモンジチョウだった。

前翅の根元の白斑の弱さ、翅の真ん中の白帯の出だしが、小、大、小、点が見られることからイチモンジチョウと同定されたのもRYU先生だ。

先生曰く、サカハチチョウであればもう少し橙色が出るそうだ。



昼食を摂った場に白いホタルブクロが咲いていた。

ややピンクがかったホタルブクロもあれば淡い紫色もあるホタルブクロ。

元来は白色。

それが濃くなった異種もある。

山野に自生するホタルブクロのだいたいが白色。

細かい点々があるから純白ではない。

色が濃いのは園芸種であろう。



2枚目はヤマトテンナンショウで、3枚目はヤマアジサイの花だ。



4枚目はツチアケビ。



菩提山町ではまったくなかったがここでは数多く出ていた。

標高差の関係だと思うが・・断定できない。



5枚目はナルコユリ。

やや萎み加減で咲いていた。



6枚目は、おっ、これはササユリ・・・かもしれない。

優しく咲いていた一輪のササユリが愛おしく、何枚も撮っていた。



ラストを飾る7枚目はヨウシュヤマゴボウだ。

じっとしていたヤマアカガエル。



背中の曲がり具合でそう思うがもしかとしたらタゴガエルかも・・・。

そう思った通りで撮った写真を見てくださったRYU先生から回答があった。

先生の見立てもタゴガエル。



そういえば谷下に干上がっていた池から鳴き声が聞こえていた。

タゴガエルであったのだ。

(H27. 5.31 EOS40D撮影)

野遊び③菩提山付近下見会

2016年04月12日 09時30分12秒 | 自然観察会
翌週に開催される本番の観察会に向けて下見をした奈良市菩提山町の里山。

平成19年よりほぼ毎年出かける観察地である。

野の花に昆虫や野鳥など多数観察できる。

かつては正暦寺駐車場下で水生昆虫も観察していたが、川に降りることができなくなり中断している。

天気予報が外れて雨はまったく降らなかった下見会。

いつから降ってないのだろうか。

調べてみたら、なんと5月13日から・・・・である。

何日かは、お湿り程度の雨は降ったが、田んぼは潤わない。

平坦盆地部ではあちこちで田の水張りが見られた。

翌週の土日は田植え作業が盛んになることだろう。

この日、写真でとらえた昆虫はモンキアゲハとウラギンシジミ雄の2種類。



蜜を吸うモンキアゲハ。

触れた脚で刺激を受けたノアザミは白いものがポツ、ポツ飛び出す。

これは花粉。



昆虫の身体についた花粉はこうして別のノアザミに運ばれる。



なかなか停止しないモンキアゲハだが、道端でじっとしていたのはウラギンシジミだ。

広げた翅やウラ翅の状態も判るように撮っておいた。



地面に這いつくばって撮ったら太短かの脚の紋様や恰好がオモロイ。

若芽を食べる鹿が増えたことから鹿除けの柵を設置したという男性。

今のところ、被害はでていないという。

イノシシ除けは電柵。



電源は昼間も入れているので、本番のときは子供たちに気をつけるよう指示をしなければならない。

しかしだ。いくら指導していても見つけた昆虫などを追っかけておれば触れてしまうこともある。

手で触れたらビリビリ。

ズボンを履いていてもビリビリ感じる。

過去に体験したことはいくらもある。

そんなビリビリを感じないのかイノシシは電柵を突き破って突入するようだ。



電柵には触れることのないシマヘビの抜け殻が見つかった。

いつ脱いだのか判らない。

農作業をされていたご夫婦と立ち話をする。

指導先生の山ちゃん先生もご存知の方だ。

奥さんの出里は帯解。

山ちゃん先生が住まいする地域だけに話が弾む。

先生がふと言葉にだした「テントバナ」。

生まれ故郷の都祁小倉や勤務地だった榛原伊那佐にも「テントバナ」があったと云われたが、60年も前のことだ。

先生は曽爾村も勤務していた。

教え子だったという人とお会いすることもある。

そこから「民俗」話しになった立ち話。

我が家には民俗研究者のSさんやカメラマンのNさんも取材に来られたという薬師寺花会式の花造り作業だ。

材料の一部は山添村の大字北野に住むTさんにお願いしている。

Tさんは大和高原文化の会で活動されている方だ。

大字春日に住む同会所属のUさんも協力しているという。

お二人とも在所する地域の行事取材でお世話になった方々だ。

ご夫妻の息子さんは薬師寺勤め。

執務事務局広報を担っているそうだ。

また、民俗調査研究者のSさんが来られるときは帯解公民館のOさんが送迎しているという。

民俗関係者が二人、地域活動者の二人にカメラマンも存知している夫妻だった。



出会いは里山の田園にもあった。

奇遇な出会いに感謝するのである。

里山に咲く花は多い。

撮った順番に紹介する。



1枚目はノブドウの蕾。

実を食べる気は起らない。

不味いのである。



2枚目はユキノシタ。

山から流れる清麗な小川にたくさん見られる。



3枚目は小さい花のクチナシグサ。

わずかに咲いていた。



4、5枚目はイチヤクソウ。

向こう側にあったイチヤクソウは、この年消えていた。

僅か一輪になっていた。



タネが毀れて広がったと思われる数株がその下にあった。

そっとしてほしいと思うのである。



6枚目はタツナミソウ。

コメントは特に浮かばない。



7枚目は花後のガマズミ。



8枚目はカンアオイ。

そっと枯草を取り除いたら花がでてきた。

カンアオイはいっぱいあるが、花はそれほど多くない。

カンアオイの花はまだまだ開かない。

秋まで待つしかない。



9枚目はヤマトテンナンショウだ。

ムロウテンナンショウはそれより早く咲く。

とっくに終わっていたのでなんにもない。



10枚目は帰化植物のヨウシュヤマゴボウ。

農小屋の屋根はトタン。

随分とまえからこういう状態だ。

その屋根に雑草が生えている。

明治時代に北米から渡来した大型のヨウシュヤマゴボウはトタン屋根に積もった薄い土に根が生えた。

ショウジョウバカマの葉の先にムカゴ(子株)がある。

花後に見られるムカゴを見たのは始めてだ。



古い葉の先に小さな植物体を形成する。

空中にあった小さな芽のムカゴはやがて地面に落ち着く。



この場の環境なのか判らないが、どちらかといえば山側でなく湿っている下側についていた。

根が成長して独立個体になる。



成長していく様子がよく判る。

ショウジョウバカマは種子で繁殖するが、これもまた繁殖である。

タネで増やすよりも子孫を残しやすいように思ったショウジョウバカマのムカゴ。

イチゴのランナーもよう似たものである。

調べてみればユリの仲間の一部では軸というか葉のつけねにムカゴ(珠芽)ができるようだ。

茎とか下枝を地面に植えて発根させる「土中取り木法(撞木取り木法)」や取り木の「先取り法」を思い出した。

レンギョウもそうするようだ。

「無風庵」でいろんな植物を育てている女性がいる。

この日もお会いした。

黄色い色というかクリーム色のヤマボウシもあれば、一見ワミズザクラと見間違うコバノズイナもある。



クリーム色のヤマボウシはヒマラヤヤマボウシ・・でもないようだ。

ミルキーウエイかもしれない。



コバノズイナの原産地はアメリカ。

明治時代に渡来した。

花つきはオカトラノオを横にしたような感じだが先っぽは尖がっていない。

どちらかといえばブラシのようだ。

野鳥も観察するが、被写体をとらえるカメラレンズは持ち合わせていない。

観察した状態になるが、これも記録。

指導先生のコメントも含めて書き記しておく。

サシバのエサは水田に住むカエルやトカゲ、ヘビなどだ、と先生が云った。

ここら辺りは田んぼだけでなく樹木林が多い。

住処にしている野鳥も多い。

ときおり飛び交う姿を望遠鏡で追いかける。

アオゲラが飛ぶ。

ピョーピョーと鳴いていた。

ウグイスにヤマガラ、シジュウカラもいた。

鳴き声が明確なので判りやすいが、ウグイスは草むらの中。

鳴き声はするが、姿は藪の中だ。

ピリーチョリチョリと鳴いていたのは姿が美しいオオルリだ。

サンコウチョウは・・ホイホイと鳴きながら飛んでいった。

この年は割合多く見る。

カッカッというか、キュッキュッと鳴くこともある。

警戒するときのサンコウチョウの鳴き声だ。

サンショウクイが樹木に留まった。

双眼鏡をだしている間に飛んでいった。

そして、オオタカが旋回して消えた。

最後にササユリかもしれないと思った植物がある。

可能性は五分五分だ。

それから数日後の6月3日はどうやら梅雨入りの様相と思っていたら、その通りになった。

九州に続いて近畿も梅雨入り宣言されたことを付記しておこう。

(H27. 5.31 EOS40D撮影)

石ふしぎ大発見展のユニークなチラシを工作する

2016年03月02日 08時57分09秒 | 自然観察会
自然観察会でお世話になっている先生からいただいたチラシがユニークだった。

切り取り線はないが、縁に沿って切り取って指定場所を糊付けして貼り付けたら12面体の石の結晶ができあがる、かも・・・と思って製作した。

「石ふしぎ大発見展」のチラシは鉱物の展開図になっている。

右端に完成図がある。

このとおりに出来るのだろうか、と思って挑戦する。

鋏で切り取ってからひとまず折って型をつけておく。

展開が読めたので糊付けした。

最後の一枚を貼るのが難しかったが、なんとか完成した。







面体角度を替えて何枚か撮ってみた。

(H27. 5. 2 EOS40D撮影)

ユニークな石の結晶チラシ

2016年01月29日 09時59分19秒 | 自然観察会
人気の「石ふしぎ大発見展」<入場無料>が大阪市・天満橋OMMビル2階で平成27年4月25日(土)から三日間開催された。

自然観察会でお世話になっている先生からいただいたチラシがユニーク。

切り取り線はないが、縁に沿って切り取って指定場所を糊付けして貼り付けたら12面体の石の結晶ができあがる、かも・・・。

子供さん、孫さんにうってつけの教材にもなるチラシが気にいった。

(H27. 4.12 A4紙同倍SCAN)

野遊び①in民俗公園・矢田丘陵

2016年01月27日 09時54分42秒 | 自然観察会
4月は初年度野遊び自然観察会の第一回目。

例年とおりの観察コースは県立大和民俗公園から矢田丘陵の里山を散策する。

この日に参加した親子さんは1組。

平成18年度よりボランティア団体を組織化してスタートした野遊びサポート。

それまでは大和郡山市立少年自然の家事業で行っていた。

専属の先生が退職されることになりボランティア団体を設立して再スタートした。

初回に参加する親子は多い。

例年そうだが今年は極端に少ない。

参加された1組はM家。

一番下の子供は赤ちゃんだったころからずっと参加している。

何年か経つうちに逞しくなった。

スタッフは15人。

参加者よりも数倍多い。

なんとなく下見会のようだと皆が云う。

これまでの出欠受付は少年自然の家ロビーで行っていたが、今年度より指定管理者制度で民間に委託されて名称は里山の駅風とんぼになった。

市外の人にも利用できるようなったが、料金体系は市内・市外に区分け。

若干の差があるが格安で利用できる。

利用者に迷惑をかけるわけにもいかないので駐車場に集合することにした。

春に必ず咲き具合を確かめる花がある。



ウワミズザクラだ。

花が咲いたときのウワミズザクラはカシワモチの香がする。

この日までは天候不順。

寒い日が続いたせいなのか蕾ふくらむ状況であった。

枯れかけの樹木にキクラゲがあった。



ここは奈良県立大和民俗公園。

初回の一歩は西入口から入る。



園内のツツジが咲き始めていた。

園外から聞こえてくるカエルの声。

主はシュレーゲルアオガエルだ。

この声を聴くころは田作りが忙しくなる。

樹木下で観察する花はいろいろある。



目についた黄色い花はヘビイチゴ。

拡大したら小さな虫がいた。

オシベ・メシベの蜜を探していると思われる虫であるが名前は知らない。

樹上で鳴いている野鳥。

ニュウナイスズメにシジュウカラ。

ウグイスやコゲラの声も聞こえる。

コゲラは目と鼻の先で動き回っていた。



この場で咲いていた桜はカスミザクラ。

花つきは例年と同じように思える。

今回より孫さんを連れてきた野鳥専門の先生。

久しぶりにお顔を拝見する。

「今日は一般参加」だと云われるがそうならないところが先生である。

こっちにウワミズザクラが咲いていると教えてくださる。



駐車場のウワミズザクラはまだ蕾ふくらむだが、ここではほぼ満開。

気持ちよさそうに羽根を広げるように咲いていた。



この場の向こう側にもカスミザクラが咲いていた。

若葉とともに咲く桜は乙女のように見える可愛さだ。

コバノミツバツツジも咲いていたが、先行する観察者はいち早く茅葺屋根の旧八重川家・旧岩本家に向かっていたので追いかける。

シジュウカラに混じってエナガも飛び交う。



旧家屋外に咲いていた白い花はシロヤマブキ。

葉っぱはヤマブキだが花色が白の4枚花弁。

一般的なヤマブキは5枚花弁である。

自生地は限られているようで絶滅危惧種に挙げられている。

シロヤマブキは秋に実をつける。

春ともなれば真っ黒になった実。

ポロポロと毀れる。

秋にタネを植えておけば芽がよく出るらしい。



旧八重川家の壁に唐箕がある。



ドウダンツツジの背景に写し込んだ。

隣の旧岩本家には竃がある。

毎日ではないと思うが火をくべて動態保存をしている。



顔馴染みの職員さんの作業を撮らせてもらった旧岩本家。

屋内より眺める透けた障子の佇まい。

宇陀・東山集落のモノトーンが美しい。



ここより少し歩けば吉野集落の旧前坊家が建つ。



直線的な旧家を入れて散り始めのサクラを配置した。

旧木村家の床下にはアリジゴクがいる。

すり鉢状の地獄が何個もある。

先生の孫さんは興味をもったようだ。



木村家には懐かしい足踏みのカラウスがある。

藁製の蓑(みの)も架けていた。

竹で編んだ帽子は三度笠だろう。

観察というよりも旧家佇まいの撮影ばかりしていた。

旧前坊家を離れたところに桜の花が咲いている。

宝くじ協会が寄贈された枝垂桜が咲き誇る。



そのなかに色合いが異なる桜が咲いていた。

白っぽいだがそうでもない。

薄い緑色染まる八重桜が判るだろうか。

八重桜はオシベが変化したものだと先生は話す。

この桜の名は御衣黄(ぎょいこう)。



南入口から入ったところに町屋集落がある。

旧鹿沼家横にもあれば、旧臼井家の裏にも1本の御衣黄がある。



どちらかと云えば旧前坊家横にある御衣黄のほうが美しいように思えたのでいろんな角度からとらえてみた。

ベニシジミを発見した子供たち。

駆け寄ってそろりそろりと捕虫網で採取した。



「お兄ちゃん、優しくしてね」と肩を寄せる妹。

観察したら逃がしてあげる。



しばらく歩けば純正のスミレが咲いていた。

その近くでシロバナカラスノエンドウを探してみる。

場はメタセコイヤがあるところだ。

この樹の下にいっぱいあったシロバナカラスノエンドウが見つからない。

数年前に見かけたがそのときは僅かにあった。

それより以前はもっと多かった。

消滅したのだろうかと先生方とともに探してみたら見つかった。



一つ見つかれば付近に数本のシロバナカラスノエンドウが見つかった。

突然変異で白くなったシロバナカラスノエンドウは多年生でなく、タネを飛ばして子孫を残す。

タネの飛ぶ方向は西へ西へと移動していたのだ。

大和民俗公園の北入口に出くわすエイリアン。

エイリアンが誕生し、開いた口のように見える。

これは何だ。



トベラの実が弾けてそう見えた。

公園を抜けて田園を歩く。



農作業をしていた男性Tさんが真新しい農業機械を見せてくださった。

Tさんが住まいする地区は東村。

正月初めに行われるツナウチ取材させていただいたことがある。

Tさんが説明してくださった畦塗り機械はトラクターに接続したものだ。

ヤンマー、クボタ、ヰセキ、三菱などの農機具メーカー製ではなくサードメーカーの小橋工業製。



機械の名前はその名もずばりの「あぜぬり機」。

製品名は「ダイナーリバース」である。



回転する耕うん爪が畑土を起こしながら回転する円盤と軸で畦を成形する機械だと話してくれた。

体力は要るし、時間もかかる畦塗りが「ラクラクできるようになったらもう戻れないという。年寄りには最適な道具になるだろう」と話していた。

小橋工業以外にニプロやササキが同様の「あぜぬり機」など多種多様の農業機械を製造している。

今後はこのような機械化が各地に広まっていくであろう。

ここら辺りはイノシシが出没する。

土の中にあるタケノコを見つけて食べるイノシシ。

掘り起こすのはいちばん美味しい時期を狙って掘り起こす。

イノシシは「高級嗜好や」と話していた。

いつもの場所を通り過ぎて大和田に抜ける道を行く。

下見に拝見したオオタカは見られなかったがカワセミの鳴き声が聞こえたと先導者が伝える。

姿は見られないがどうやら小さな池にいたようだ。

すぐ傍は電機製品などガラクタ廃棄物が捨てられている。



何年も前からこのような状況であるが、向こう側の切り立った崖地にカワセミの巣があるとH先生が指をさした。

双眼鏡で覗いてみるが見つからない小さな円状の巣穴。

長い嘴で突いて穴を開ける。

穴の長さは1mぐらいになると話す。



ニュウナイスズメがざわめく春の季節。

カワラヒワは飛んでいる。

ホオジロやモズ、ウグイスが盛んに囀っていた。



原野で飛び交うトノボを採取する子供たち。

そっと近づいて捕虫網で捕ったトンボは3月ころから出現するシオヤトンボだった。

緩やかな田園を歩いていく。



全面ではないが畦道などに天に向かって咲くレンゲがあった。



この付近はアリアケスミレが咲いている。



わずかであるが真正のセミレも咲いていた。

少し早いがここら辺りで昼食を摂る。



シートを広げて腰を落とす。

長閑な田園を見ながら食べるこの日の昼食はカップラーメン。

以前も食べたことのあるエースコックのスーパーカップ1.5倍・濃コクとんこつのカドメン。



ボトルに入れていたお湯を注いで3分間待つ。

とんこつの香が鼻につく。



食欲をそそる香りに釣られて麺をもちあげる。

ガッツリいただくカドメンは噛み応えがいい。

食感は好きなほうだ。



その場にはヒメスミレも咲いていた。

真下の田はレンゲ畑。



春を感じながらラーメンをすする。

食事を済ませた子供たちは走っていく。

何かを見つけたようだが腰は動かない。

座り込んだら立ち上がるのもおっくうになる春日和。



のっそり腰を上げて戻りの工程。



小花の黄色い花が咲いていた。

サルトリイバラの花芽だ。



田園を下ったら白い花が咲いていた。



それはナシの花。



実をつける時期は観察会外れ。

未だに見たことがないが、持ち主は存知している東村住民のNさん。

ここは「コグチ」とも呼ぶ「コグリ」の地。

「コグチ」を充てる漢字は「虎口」。

木戸があったという「コグチ」の地には川があった。

上流の池から流れる川であった。

その川は今でも流れているが道の下。

山を崩して新道を造った。

この地は大阪枚岡に抜ける道で、暗峠(くらがりとうげ)に続いていた。

向こう側が見えない山を縫うようにあった細い道であった。

山は切り取られて開放された。

道筋はぐるりとえぐる状況になし、見通しがよくなったが道の様子はよく判る。

ナシが咲く上は小高い山。

そこから敵が来るのを監視していた戦略上の要地。

郡山城下町に敵が寄せてくるのを視ていたと話していたことを思い出す



その付近にはタチツボスミレが咲いていた。

さらに下った花後のミズナ畑。



そこにシロチョウが群がるように飛んでいた。

留まることもせずに飛び回るシロチョウは七匹。



一列になることもある。

メスを追いかけるオスチョウ軍団のように思えた。

ここからは村から矢田坐久志玉比古神社へ向かう畑道の参道を抜けて集落にたどり着く。



薹立する菜の花の向こう側には蔵が見える。

前ボケした菜の花の向こう側が美しい土蔵。



逆も撮らせてもらった。

子供たちは菜の花に群がる目当ての昆虫を捕虫網で捕っていた。

さらに下った民家にモクレンが咲いていた。



淡いクリーム色の黄モクレンは交配種。

いろんな品種があるようだ。



このころに小粒の花を咲かせるアオキ。

四つの白はオシベ。

これで見分けるアオキは雌雄別株。

雌花はこの場になかった。

観察を終えた4時間後。

出発地の里山の駅<風とんぼ>に戻ってきた。



すぐ傍の田はレンゲが一面に咲いていた。

おそらく休耕田に替えたのであろう。



イノシシに荒らされないように柵を設置している。

柵に入ることはできないが、昆虫捕りに夢中な子供たちは虫を追いかけるかのように土手を走り回っていた。



遠くから聞こえてきたキジの鳴き声。

毎年、この場から聞こえる鳴き声だ。



今では当地の住民のように思える野の鳥であるキジ。

キジも鳴かずば・・・営巣地はそっとしておいてほしい。

(H27. 4.12 EOS40D撮影)

野遊び年度初めの下見会

2016年01月15日 13時37分41秒 | 自然観察会
今後のボランティア活動保険はどうするか。

Uさんが登録するために予め確認した会員登録数は19人である。

一年間の活動費として徴収する会費は300円に決定。

ゲストの先生方は年度終わりに清算される補助金を充てることなった。

これまで出欠受付をしていた場所は少年自然の家ロビーだったが、今年度より指定管理者制度の導入によって民間委託された。



施設の名称は里山の駅<風とんぼ>である。

年度初めの自然観察会に先立つこの日のスタッフは下見会。

年度初めは例年通りの奈良県立大和民俗公園内を探索する。

この日は生憎の雨降り日和だ。

公園内は植生する桜が多い。

三日前は散りはじめだった。



風はそれほどでもないが落下した桜の花びらが路面に広がっていた。

この年の春雨は長雨の菜種梅雨。

晴れ間の日はごく僅かだ。

昨日は晴れていてもこの日は雨。

落下した桜花が愛おしい。



その状況はずっと続く路面だが、それより前に咲いていたユキヤナギ。

雨に打たれて白っぽさが目立つ。



桜が落下するころはミツバツツジが明るく染めてくれる。

花びらはいつも空に向かって咲いている。



ミツバツツジの特徴は葉が三つ。

判りやすいのだ。

傘を広げて下見する自然観察会。

しっとりする小雨もまた楽し、である。



雨に打たれたドウダンツツジに雫が垂れる。

茅葺民家を背景に白玉模様が映える。



写したドウダンツツジの姿はまるで千成ひょうたん。

そんなことはないが、美しき姿に違いない。

晴れの日よりも雨の日のほうが断然に良い茅葺民家。



背景の山々は矢田丘陵。



茅葺民家横に咲いているのは宝くじ桜とも呼んでいる小花の枝垂れ桜だ。



つい先ほどまで降っていた雨で路面は濡れている。

散った桜の花びらが一面に広がる。



長靴を履いた子供は踊りたくなる・・かも知れない。

しっとり降った雨は茅葺民家を色濃くしてくれる。



雨にうたれた「ボケ」の花も色濃くなった。

雨は止んだが、散歩する人はまったく遭遇しない。



霞のような景観で醸し出す公園内。

自然観察会スタッフとともに歩くので独り占めではない。



何度も訪れているが、吉野民家の前に建つ構造物に気がついた。

何を干していたのだろうか。



大和民俗公園にある東屋付近の路面も花吹雪。

若干の雨が残っていた。



その場には真っ赤に染まった椿が落下していた。

色の盛り合わせにシャッターを押す。



小降り雨の様相に公園を巡る。

大和民俗公園内には意外と知られていない東村垣内に抜ける里道(りどう)がある。



村に通う人の生活道だ。

大和民俗公園を抜けたら里山が開ける。

丘陵地を歩くには不敵なじゅくじゅく道。

そこを避けて奈良市との境界地に向かう。

里道から見た畑の中に一本の筋があった。



犯人はイノシシだ。

右手崖にあったドロの跡がある。

イノシシはここより下って向こう側に走る。



それが一本の筋道になっていた。

イノシシ道はここ以外に何本もある。

行ったり来たりしているようだ。

境界を抜けたら奈良市大和田になる。



そこに生えていたワラビ。

やや小さめだが十数本あった。

屈んで撮っていたらスタッフが声をあげた。



「上空に鳥がいる」の声に見上げた空に舞う大型の鳥。

飛んでいた主はオオタカだ。

雨がやんだ空は快晴。



気持ちよさそうに旋回していた。

手持ちのカメラレンズはEFS17-85。

突然、飛び出したオオタカにピントは追いつかないし、遠い。



帰宅して画像を確認してトリミングしてみたらなんとか・・見える。



この日の野鳥はイカル、ホオジロ、カワラヒワ、ツグミ、アオジ、シジュウカラ、ニュウナイスズメ、キジ、ウグイスが観察できた。

イチバンの大物は稀に遭遇することがあるが、望遠レンズはいつも持ち合わせていない。

大和田の地区は田園が広がる。

遠くでキジが鳴いていた。



水路の向こう側にあった三つ葉。



葉で判ったミツバアケビに垂れ下がる小さな蕾花の集合体が風に揺られてぶらんぶらん。

小さな花が集まった軍団だ。

その上にはヤジロベエのように左右に広がる赤い花があった。



これはメバナで垂れ下がっているのはオバナ。



トリミングアップしたが判り辛い。

その付近に咲いていた白い花はヒメウズ。



萼片は長く花弁は見えない。

(H27. 4. 5 EOS40D撮影)

野遊び⑦in矢田丘陵+矢田山遊びの森

2015年08月23日 09時41分39秒 | 自然観察会
下見から9日後は野遊び自然観察会の本番。

下見と同じ県立大和民俗公園~矢田丘陵~滝寺廃寺~矢田山遊びの森~東明寺コースを観察する。

スタッフを入れて総勢14人。

保護者会家族は1組(4人)になった。

少ないがいつもの通りに大和郡山市立少年自然の家のロビーで受付をする。

この日は雲ひとつない天晴れの日。

風もなく穏やかな日は清々しい。

県立大和民俗公園の西入口より入園する。

いつものコースである。

正面には萱葺き民家が見えてくる。



手前が旧都祁村針にあった旧八重川家(平成4年移築)で、奥は旧室生村黒岩の旧岩本家(昭和54年移築)だ。

萱葺き屋根が美しく見惚れる。



葉が落ちた枝垂れ桜の並木、旧室生村上笠間の旧松井家(昭和62年移築)を通りすぎて吉野町吉野山旧前坊家(昭和63年移築)も拝見する。



ここら辺りでは若い芽がたくさん発芽していた。

シラカシの芽である。



昨年に落ちたタネが生長して芽がでた。

林立するシラカシの芽は大量にあるが、すべてが成長するわけではない。

なんらかの事象で親木の生長がとまる。

そのときになってこうした芽のいずれかが育つ。

シラカシの芽がたくさんあるのは保険をかけているようなものだ。



これより向かう先の矢田山遊びの森・子ども交流館まではトイレがない。

早めに用を足しておくトイレ休憩は児童広場。

いつもそうしている。



その場には高くそびえるメタセコイア(スギ科もしくはヒノキ科)がある。

下見では葉っぱの色は緑色だった。

9日間も経てば葉は黄色くなっていた。

ただよくよく見れば上の方はまだ緑色が残っている。

徐々に上がっていく紅葉色素の変化である。

この時期ともなれば松ぼっくりが落ちていると思われ、一部落葉した地面を探してみる。

あるあるである。



メタセコイアのタネは行燈提灯のような形の珠果。

一枚一枚のタネが集まった姿だ。

種子を庭に植えたらたいへんなことになってしまう。

児童広場から眺望する田園。

下見の際にも拝見したイネカケがある。

変化が見られないことから藁干しだと思う。



公園内にも紅葉が見られる。

赤い実が弾けていたトベラ。



下見のときよりも増えていた。

公園を抜けて矢田丘陵を目指す。

田畑の道を行く。



葉っぱの下に隠れていたサトキマダラヒカゲ。

じっとしている。

年越しをするのだろうか。



下見のときには強風で煽られて撮れなかったアキノキリンソウ。

秋の野の花でいちばんのお気に入り。



ツリガネニンジン、アキノタムラソウも薄い紫色。



リンドウはもう少しで濃くなる。



下草刈りもされずにセンブリも残っていた。



下見の日の最高気温は14度だった。

この日はうってかわって20度。

着こんでいたセーターは脱ぎたくなる暑さだった。



野の鳥が鳴いていた。

枝に留っている鳥もいれば、飛んでいた鳥もいる。

カワラヒワ、ヒヨドリ、モズ、シジュウカラだ。

こんなときはタカも飛んでくれればいいのにと話していたら、ほんまもんが飛んできた。

最初はカラスのように思えたタカはノスリ。

矢田山の上昇気流にのって高く舞いあがる。

上空に飛んでいったかと思えば旋回もしている。

肉眼でもはっきり見えたノスリであるがカメラレンズでは届かない。

カシラダカが枝に留っていた。

双眼鏡ではっきり見えた。

カシラダカはそこから歩いたところの樹木にも飛んできた。

久しぶりに拝見したアリジゴク。



農小屋下に住みついている。

アオサギが飛んだ場に聞き慣れない野の鳥の囀りが聞こえてきた。

林のなかにいるのだろうか。

耳を澄ませてじっと待つ。

囀りの主はおそらくルリビタキ。

高山から下りてきたのだろう。



そんな鳴き声を聞いていた地にはモチツツジの花が咲いていた。

不時花開(狂い咲き)・季節外れの返り花。

蕾も多い。もしかとしたら穏やかな気温が数日間続き、春の気温と勘違いしたのであろうか・・・。

ここからは鬱蒼とした森林に入る。



下見の際にも見た大きな塊の白いキノコ。

サルノコシカケではないように思えるが名前は判らない。

暗がりだった山道に花後のコクラン。



葉の姿で判る。

かつてされていたと思われる行場がある谷川を山道に沿って遡る。



倒木に密生しているキノコ。

9日前の下見では小さな姿のシメジだったが、この日はぐんと大きく傘を広げていた。



立派に生長したシメジであるが腐った匂い。

食べられそうにもない。

県指定の史跡である磨崖仏がある滝寺廃寺でひと休み。



ここまでは急坂。

これより先も急坂。

汗をかく山道である。

登りきったところにクチベニタケが見られると思っていたが、今年は一つもない。

赤い実をつけたヒヨドリジョウゴの傍にあったテイカカズラ。

春は香り高い白い花をみせてくれる。



そのテイカカズラが種子をつけた。

莢の形は想像もできないヤジロベエだ。



どういう変化があってこのような形になるのか。

植物の生態は興味いっぱいで面白い。

片方の莢がねじれていた。

パクッと広がる莢。

内部には横たわるように種子が入っている。

取り出した状態ではまだ湿り気がある。



乾けばパラシュートのような傘になって広がりフワフワと空中に浮かぶ。

矢田山遊びの森には二つの池がある。

池の名は峠池。

北側が上池で南側が下池。

その下池の土手堤がたいへんな状態になっている。



イノシシが土中のミミズなんか探して穴ボコだらけ。

イノシシアラシの無残な状態である。



アラシは土手のみならず植樹した場も荒らしていた。

しばらく歩けば樹木を伐採していた。



伐り口の状態は真新しい。

最近になって伐ったようである。

一部分をアップしてみた。



茶っぽい色の部分はナララケ菌の被害を受けたところ。

粉っぽく白い部分は若干腐り始めているようだ。

部分の匂いは嗅がなかった。

もう少し歩けばここも伐採した樹木の根本がある。

下見の際に確認したナラ木。



砂みたいなものが上がっていた。

ナラタケ菌にやられた高木はすべての葉が枯れていた。

いずれ倒木するであろうと思われた木は遊歩道にあった。

歩く人に突然襲いかかる危険状態であった。

その状況を伝えた子ども交流館は伐採の手配をされたのである。

伐り倒された根本。

気持ち悪いほどの根腐れ状態が判るだろうか。

食事の場を借りた子ども交流館。

職員が云うには17日に済ませたと云う。

早めの対応に安堵する。

交流館には8月末のニュースで取りあげられているカエンタケの写真が掲示されている。

生駒山麓で発見されたカエンタケ。

テレビニュースが報道するコメンターはオドロオドロ恐ろしい。

触っただけで火傷するとか・・・。

食事を済ませて東明寺を目指す。

矢田山遊びの森には芝生広場がある。



そこには自転車が走行した轍跡が何十本もある。

なだらかな丘陵地を何回も登っては下っているようだ。

たしか芝生広場内は乗り入れ禁止であったと思うのだが・・・。



この辺りもイノシシアラシの痕跡がある。

惨たらしい現状を伝えるが、対策はあるのだろうか。

その広場にはムラサキシキブとよく似たヤブムラサキがある。



実の色、つき方は同じ。

いずれも食べてみれば甘い。

若干美味しいと思われたのはムラサキシキブだが、はっきりと認識できるのが葉の裏。

手で撫でるように触ってみる。



ウラ毛の触感がはっきり判るのがムラサキシキブ。

ヤブムラサキはどちらかといえばツルツルだ。

広場を離れて山道を下る。

下見同様にツチグリは見当たらない。

下見の際に見つけたロクショウタケは僅かに色が変化していた。

その近くにあったやや小型のまん丸いキノコ。



ショウロのように見えるが、これは食用にならないコツブタケ。

半分に割って中身を拝見する。



不気味な感じだ。

さらに下っていった。



下見のときよりも輝きが鮮明になった真言宗派の鍋蔵山東明寺のモミジ色。



真っ赤に染まる情景にただただ佇む。



9日前の下見のときはまだ緑色だったモミジも真っ赤になった。



手前に挿し込む光を浴びた常緑樹の葉を透かして撮ってみた。

どの角度から撮ればいいのか少しずつ移動する。



全面真っ赤も良いが、萌黄色になった桐の葉を僅かに入れてみた。

本堂より見下ろした寺門。



周りはすっかり紅葉仕立て。

覆いかぶさるようになっていた。



階段下の境内はうってかわって荒れ放題。

荒らしたのはイノシシである。

なんとも手の施しようもないくらいに荒らしていた。



下って落ちていたカヤの実を拝見する。

触ってみたらねちゃっねちゃだった。

その下にたくさんの赤い実をつけたヒヨドリジョウゴがあった。



陽に照らされて美しくも美味しくも思える赤い色が輝いていた。

一見、美味しそうに見えるが、食べられないヒヨドリジョウゴである。



さらに下ってビナンカズラ。

それほど赤身は帯びていない。

もう少し下った地に花後のキチジョウソウがあった。

暗がりの場では撮るのが難しい。

この日はキチジョウソウを撮るがためにストロボを持参した。



花後であるが美しさを感じた。

またまた下って太い竹にからみつくムカゴを発見する。



人の手が入らないように垣根で保護している。

さらに下ってハダ架けのマメ干しを見る。

下見のときよりも半分になっていた。

おそらく自宅へ持ち帰り豆オトシをされたのであろう。

もう少し下った三の矢塚付近に立つススキ。

三本足に組んだ竹に藁を干す。

出発地はもうすぐだ。



帰路に見つけた赤い実はトキリマメ。

日差しがキツイこの日。

色合いは下見よりも濃くなっていた。



カマツカの赤い実を拝見して戻った。

エナガが喧しく飛び交うし、コゲラが鳴きながら飛ぶ姿も見たこの日の観察会。

気温は20度に達していた。

出発地点に戻って万歩計を見れば9000歩であった。

同じコースを歩いてきたのに下見のときは8400歩。

600歩も増えたのは何故だ。

たぶんにキチジョウソウである。

(H26.11.22 EOS40D撮影)