マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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大保八坂神社風の祈祷祭

2009年09月15日 07時27分40秒 | 奈良市(東部)へ
八月は台風などの暴風雨に見舞われないよう祈る風祈祷の祭礼は、様々な形態によって行われていることが多いが特別目立ったことをすることもない地区もある。

奈良市の大保町に鎮座する八坂神社では元々十八日であったが、氏子らが参加するには難しくなり今では休日に行われている。

氏子は十二人衆で組織され、長老を禰宜、その次を副禰宜と呼んで祭礼を司っている。

禰宜は村神主であることから、それを除く十人をさらに十人衆と呼んでいる。

歳頭(としがしら)とも呼ぶ衆の一番長老は総代とも呼んでいる。

衆の年齢は八十歳未満。年齢を超えれば組織から引退して顧問と呼ぶ。

引退したといっても祭礼には参加することができる。

羽織袴姿の十人衆は朝から神社保管の虫干し作業に忙しく動き回る。

昼からも境内の清掃などがある。

それを終えて始まった祭礼は一枚のサカキの葉を口にくわえて、手渡ししながら拝殿に神饌を献じていく。

修祓、祓えの儀、風祈祷の祝詞奏上など、賑々しい祭礼は特別な所作もなく淡々と執り行われる。



今年の日照は不安定な日々だった。

農作物の実りは心配されたが無事に二百十日を迎えることになったと祈る。

祈ることが基本の風の祈祷祭だった。

大保町は川に沿って集落が点在している。

八坂神社はその下流の尾羽根地区に鎮座していることから長老らは今でも尾羽根の八坂神社と称している。

ちなみに神事の進行役は地区の世話人で進行時には禰宜を老主と呼んでいた。

(H21. 8.23 Kiss Digtal N撮影)