新国立美術館で昨日まで開催していた「チューリヒ美術館展」を、最終日の昨日、見に行って来ました。
寒さは厳しくなっているけれど、雲ひとつない快晴。青空と六本木の高層ビルと草紅葉が広がる美術館の前庭は、東京の初冬の美しさを見せてくれていました。
今回の展示で紹介されているのは、19世紀後半から20世紀中頃、ヨーロッパで創作され、チューリヒ美術館に所蔵されている、印象派からシュルレアリスムまでの作品の数々で、その多くは私たちに馴染みのあるものですが、オスカー・ココシュカのように、全く知らなかった画家の作品もありました。ココシュカの作品は失恋や戦争の影響で暗いものがほとんどですが、上の「モンタナの風景」は数少ない明るい色調の作品です。
こちらはお馴染み、ピカソの「ギター、グラス、果物鉢」。こうして見てみると、何ということのない日常的なモチーフですが、色彩や配置のバランスに、ピカソの絵の卓越した魅力が感じられます。
こちらも日本人に人気の高いシャガールの、「パリの上で」。明るく幸せそうな雰囲気に満ちていますが、実は第二次大戦時、ユダヤ人である彼が迫害を逃れて妻と共にアメリカに亡命中に、最愛の妻が病死。これは深い悲しみをようやく乗り越えて、幸せな日々を思い出しながら描いた絵のひとつだそうです。
左は、ロシアの画家ワリシー・カンディンスキーの「黒い色班」。中々面白い絵だと、興味深く見ていたのですが、今日パソコンを立ち上げたら、いきなりグーグルの初期画面に右側の絵が出てきて驚きました。何と今日12月16日はカンディンスキーの生誕148周年だということです。
前日に選挙速報を見ながら気持ちが滅入ってしまい、そんな気持を立て直す目的もあって行った美術展。作品は多種多様で比較的暗く重いものも多かったのですが、今回は私好みの明るい色調の絵ばかりを選んで絵葉書を買いました。(お陰で?気分はとても上向きました。)(三女)