今年も東京国立博物館で「博物館に初もうで」という催し物企画があって、今日夫と一緒に行ってきました。門を入るとさっそく羊の石像がお出迎え。この石像は18~19世紀の韓国(当時の朝鮮)のもので、王様のお墓の周りに置かれ災いを払いお墓を守る役目があったといいうことです。
正面入り口の階段を上がったところには、立派な活け花が飾られてお正月の華やかさを演出しています。
初もうで特集として「ひつじと吉祥」というテーマの展示がありましたが、日本には羊は馴染みが無くて、羊の置物は中国やモンゴルのものがほとんどでした。左は中国・清時代の青玉筆洗。右の掛け軸は十二支を描いたものですが、「羊は馴染みがなかったため鹿のような姿をしている」というような解説が書いてあって、笑えました。
北斎の「七福神」や広重の「霞がせき(凧揚げの風景)」など、お正月らしい目出度く楽しい絵も沢山あって、気持ちが和みます。日本画って何て大胆で自由で美しいのだろう!
今回おすすめとして特別展示室に展示されていたのは、長谷川等伯筆 安土桃山時代・16世紀の「国宝 松林図屏風」です。勢いのある筆致、墨の濃淡だけで見事に現された奥行き、絶妙な配置など、素人目にも素晴らしさが分かるものでしたが、いかんせん人が絵の前にはりついていて、、、。
一通り見終わって表に出たら、丁度獅子舞をしているところでした。獅子が頭をかむと一年の健康が約束されるとか。こちらにも七福神も登場し、伝統的な行事に観客から笑いと拍手が起きていました。
それにしても良い天気!澄んだ青空が高く広がって、それだけで明るく晴やかな気持ちになります。
博物館を出た先の広場では、ホームレス支援の人たちが炊き出しと餅つきをやっていて、外国人女性が餅つきに加わったりして、ここでも和気藹々と明るい笑いが起きていました。
渋谷区では年末年始の炊き出しを排除するために、公園入り口に鍵をかけた、などという悲しいニュースを目にしていたので、上野公園の大らかに開かれた空間に、心がほっこり温まりました。
その後、文化会館2階にある「精養軒」でパスタと白ワインのランチを食べて、身も心も満ち足りて、帰路につきました。(三女)