Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

きものセミナー

2008-11-06 15:50:06 | きもの・しごと


11月4・5日
『きものメンテナンスセミナー』を
受講させていただきました。


きものの汚れの種類の説明から、
現在、一般的な丸洗い(油性の溶剤を使うドライ方式)と
先日、見学させていただいた真水による流水洗い=名水洗い
違い・水洗いの特長の説明、シミ・黄変等の見積もり実習、
丸染めの説明や色彩の講義など、内容は盛りだくさん。


キモノを着るみなさんにも、
お知らせしたいことがいっぱいありました。
いつか、少しづつでもHP『Polepole Life』に
Upしていきたいと思います。


 簡単な染み抜きの体験



あがり性の私には緊張の連続でしたが、
熱心でキャリアもある皆さんの中で大変刺激をいただきました。



あー。きものの常識や色の和名・・・。
自分への宿題もてんこ盛り「お持ち帰り」です。




   追記: この記事をUPした後、アクセスが急に増えていました。
       メンテに関して興味をお持ちの方が覗いてくださったとしたら
       内容に触れていないので、申し訳なく思います。

       それで「続きを読む」に、取り急ぎしみ・汚れのことから
       通常の丸洗い・名水洗いの違いについてさわりだけでも
       書いてみました。





はげみになります。ぽちっと、よろしく
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着用後のお手入れ、どうしていますか?



たとえば・・・
着物ハンガーにかけ、よく乾かした後収納。
衿や袖口等ベンジンで汚れを落とす。
クリーニング屋さんに出す。
きもの屋さんの丸洗い(ドライ方式)にだす。
きもの屋さんの本洗い・名水洗い(真水による流水洗い)にだす。
等々・・・



インターネット・本・店頭等でさまざまな情報が
飛び交っていますが、キモノを着る頻度やご予算によって
最終的には、着る人ご自身が判断しなければなりません。


店頭で直接お客様に接する私たちは、お客様サイドに
立ったご相談相手となりうるべく、今回のような
勉強会を重ねていますが、今回の研修内容のうち
ご判断の良い参考になりそうな部分をまとめてみました。



一般的なシミ汚れの種類

  1)植物油・アイシャドウ・口紅・塗料 
       → 油性の有機溶剤(揮発油など)で解ける。
         水に溶けない


  2)等人体からの分泌物・新しい食べ零し・あたらしい血液
       → 水に溶ける
         油性の有機溶剤で溶けない


  3)鉄サビ・緑青・古くなって酸化した油じみ・汗じみ・変質した血液
       → 油性の有機溶剤に溶けない
         化学薬品でとかすか漂白


  4)墨  → 水・有機溶剤・化学薬品にとけない
         漂白できない。
         界面活性剤である程度の除去が出来るのみ。
         (すす・ドロはねは水と溶剤交互の洗浄で落ちる)    
   

  このうち、
  クリーニング屋さんやきもの屋さんの丸洗い(ドライ方式)は
  油性の有機溶剤による洗いであり、
  水洗いが、本洗い・名水洗いなのです。



  着用後、目立つ汚れが無くても洗いに出す方の多くは
  時間とともに黄変やカビの原因となる汗汚れを
  落とすことが目的かと思いますが、驚くことに
  繊維にしみこんだ汗は油性の有機溶剤を使用した
  ドライ方式では落とせない。
  汗を落とせるのは水洗いなのです。



  和蔵(私が勤めるお店)では、名水洗いという名称で水洗いを
  お受けしていますが、名水洗いという事でお預かりしますと
  繊維奥の汗をさっぱりと、落とすだけでなく
  一般的な油性の汚れもそれに対する処理をして落とします。
  繊維の間に入った水がお着物の風合いもよみがえらせてくれます。  


  このように利点の多い名水洗いですが、問題は現場に行って
  工程をみると仕方の無いこととはいえ和蔵であれば、
  リサイクルで、かなり上等なきものの買える
  料金(袷のお着物 30,000円)が掛かかるということです。
  (解き洗いに較べれば解き代、お仕立直し代が掛からない分
  ずいぶん、経済的になったといえるのですが。)


  

  洗いだけではなく、シミ取や染めに関しても現在の技術では
  さまざまな形でキモノを再生させることが出来るのですが、
  (シミが目立たなくならない場合、丸染めのほかにその部分
   後加工により刺繍や彩色等でカバーすることも可能:別料金)
  料金を考慮に入れながらどのようにそれらを利用していくかは、
  お着物自体のイタミ具合・価値やお客様のそのお着物に
  対する思い、ライフスタイルの中でのご着用の仕方など
  によっても、判断は変わってくるところではないかと思います。


  店頭で判断が付きかねることも多く職人さんの目を通しての
  無料お見積もりが必要になることも多いのが現状です。



    + + + +


  
  すぐに、お役に立てる情報も書き加えさせていただきます。


  1)きものを汚したら出来るだけはやく専門店に。
    コレは皆さんご存知かと思いますが一般的に、特に付着後
    3週間以降、著しい変化が生じるそうです。

  2)季節の虫干しがなかなか出来ない場合、からっとした日に
    週一あるいは月一、箪笥の引き出しを開けるだけでも
    しみ・カビ防止に効果大です。


  3)「着たことがない。洗いに出した後着たことがない。」でも油断大敵。
    たたみなおした手のわずかな汗、一緒にしまったきものや
    箪笥に残ったみえないカビからも変化は始まります。


  4)ご相談・お見積もりは無料です。
    シミ・カビがすすむ・広がるものです。
    ご心配のある方は、ダメージを最小限に
    食い止める為にも、早いご相談をお勧めします。  
    
 
コメント (8)
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