表題は、この短編集の中の一つの作品のタイトルを
とったものだけれど、代表作だからというより
この作家の作品のイメージに
重なるからではないだろうか、とふと思った。
雨上がり。
湿潤な空気が煙っているような
雨が降った直後の。
サマセット・モームに共通するものを
感じさせる著者のウィリアム・トレヴァーは、
アイルランド生まれ。イギリスに移住。
物語の背景は、いかにもな場面設定。
妻の死後、妻を知る女性との再婚、
独立して帰省しない息子を待つ両親、
娘と放蕩者との結婚の可能性にパニくる夫婦、
障害を持つ息子の行動に疑心暗鬼の母・・・
読者は作品のどれか、または複数に
他人事でないものを見つけるかもしれない。
日常の中で、はっきり形をなさないでいるか
直視を避けている感情が、
ある日、白日の下にさらされる。
淡々と静かな文と、すーと納まるべきとこに
納まっていく物語の終わり方は
かえって時折冷酷にさえ感じる。
読了感は、「ざわつき」。
刺激を受けたことは、確か。
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