1961年と1962年のスウェーデンのピアノ・トリオをカップリングした1994年のアルバムです。
ピアノを弾いているのがJan Johansson、blogの先輩オラシオさんがべた褒めなので気になっていたらありました。
このピアニスト実は6年後に交通事故で亡くなってしまうのですが、素敵なピアノです。1960年代で充分にアメリカのピアニストを研究しながら、個性が出ている感じで、事故が無ければヨーロッパでのスタイルを作るような存在に思います。
1959年から60年に駆けてはStan Getzのグループのピアニストとしてアルバムにも参加して、Getzもかなり気に入っていたとおもいます。
アルバムはLP「8 BITAR LOHANSSON」と「INNERTRIO」のカップリング。
2枚のアルバムに雰囲気の違いがありますが、私は特に1枚目のほうが好きです。
ピアノの音が立っていて、バックのリズムもモダンです。
3曲目ピアノのソロをクラシカルに弾ききることでおどろかされます。
4曲目クラシカルにスタートして、リズムがオーソドックスに入ると、MJQを思わせる雰囲気です。
6曲目“Night in Tunisia”をベースがおなじみのメロディーですが、とても軽やかに、上品に、私はジョン・ルイスを思い浮かべました。上品にスウィングって難しいとおもいますが、ジョン・ルイスを好きだったと思う演奏です。
昔TVコマーシャルで、“違いがわかる男がなんとか”とかありましたが、そんなコマーシャルに使って欲しい様な、ライトなのにこくのある演奏です。
深くJAZZメロディを研究していたのではと思うところと、それが学習を超えて身になっているように感じるのところで途中の終焉は残念です。
7曲目“Willow weep for me”ではソロパーフォマンス。ここではS・モンクの研究をしているのがわかります。このアルバムでは、色々研究しながら自分のピアノスタイルを作ろうとするところが面白く、スタンダードをどのように料理してくれるかが楽しくて良いと思います。
もちろん1931年生まれで68年になくなってしまうので、JAZZの流れを作りませんが、とても凄い演奏がこの一枚で聴けると思います。
8曲目自作のブルースですが、これでもかとブルースの要素を入れながら、長く弾ききります。ブラインドだったら有名ピアニストの名前を羅列したくなります。
9曲目からはアルバムが変わって、ちょっとバップ色が強くなったアルバムで、ベースとドラムスが変わったのが影響するのですね。私は最初のGunnar Johnson(b),Ingvar Callmer (d)のほうがGeoeg Riedel(b),Egil Johansen(ds)より好きです。後のほうがちょっと軽めで、スイングを多くした感じです。
スイング系で続けますが面白いのが14,15曲目。
14曲目早弾きのクラシカルな曲、タムタムのドラムスとあわせ、ブルーベックの“トルコ風ブルーロンド”に似ていますが、ベースラインが効いてきて、面白くなります。
15曲目スタンダードの“ The thrill is gone ”をとてもストレートに弾くところもモンクの影とそのほかの影が交差して面白い。
「Inne Trio」「8Bitter Johansson」 / Jan Johansson
Jan Johansson(p)
Gunnar Johnson,Geoeg Riedel(b)
Ingvar Callmer,Egil Johansen(ds)
1 Prisma
2 She's funny that way
3 Skobonka
4 De salde sina hemman (Emigrantvisa)
5 Rebus
6 Night in Tunisia
7 Willow weep for me
8 Bla Vit
9 3, 2, 1, Go!
10 Bolles vaggvisa
11 Svallvagor
12 I found a new baby
13 The chant
14 Snalltag
15 The thrill is gone
16 Innertrio
17 Premiärtry this
1961年2月20日,1962年7月17日録音