JAZZ最中

考えてみればJAZZばかり聞いてきた。いまもJAZZ最中。

創造する農夫たち  JAMES FARM / J Redman A Parks M Penman E Harland

2011-05-14 22:57:54 | 聞いてますCDおすすめ


このメンバーを見て何も感じないという方はそれはそれで幸せかもしれません。
好き嫌いは別にして、そして実際買う買わないは別にして、老若男女もとわず、どんなサウンドなのかは知りたいと思うでしょう。

ジョシアを除く3人は2007年のペンマンのアルバム「Catch of the Day」で2008年にはアーロンの「Invisible Cinema」で一緒に演奏して想像つくと思うでしょうが、ここにジョシアが入っって、川のこちらの岸からずっと向こうの岡のさきまでどんなところのサウンドも起こしそうな4人です。この四人が農場に集まって、楽しくバーベキューというのではなく、まじめに農作業にいそしんでいるのです。
2009年モントリオール・ジャズ・フェスティバルで共演した4人はその約1年後にこのアルバムをグループ名義で作っているわけで、かなり練られたあとという充実感です。

グループの演奏パターンをしかり決めている演奏がつづきます。
2曲目グループサウンドは計算されている中でピアノソロに移るとアドリブの練られた組み合わせが凄いと思います。
3曲目、カントリー調に吹きだして、これはこの感じ、マイケル・ブレッカーのゆたっりした部分を見せてくれているような感じです。
4曲目エキゾチックな中東風メロディで始まると、後半サックスのソロ、ピアノ・ソロに再びテナーのジョシア、このグループサウンドはしっかりした練習のあとでしかないでしょう。
5曲目は少し落ち着いたスタートで、ジョシィアのテナーがゆったりしたリズムに乗った感じです。ベースの細かい音配分、ベースの一音が曲を真摯につくっているような、それが急激にリズムをまして、ですから音楽の展開は予想を超えているのです。
7曲目、ドラムスもサックスもピアノも音に加工がくわえられて、生音と加工音がうまく組み合わさって違和感なし、うまく作っているのです。
10曲目、落ち着いたピアノプレーからの思索的なジョシアのソプラノ・プレーは今年出会った最高のソプラノでしょう。

農夫は大切な種を維持して、次の収穫にそなえるのですが、この4人研究熱心な農夫は自分の持っている大切な種をたしかめたり、発芽の時期をえらんだり、ちょっと悩んだときに考え直したり、そんな創造的な場所を作ったように思うのです。

今この演奏は、プレーヤーがしっかり考えたグループ・サウンドまで作っていて驚くべき演奏になていますが、それよりもファームとなずけて創造の維持を図ろうとするミュージシャンの真摯な気持ちがより素晴らしいことだとおもわせ、きっと後いくつかを発信するだろうと期待されるのです。

JAMES FARM / J Redman A Parks M Penman E Harland

Joshua Redman, tenor saxophone (1-9), soprano saxophone (10)
Aaron Parks, piano; tack piano, Prophet-5 (1); pump organ, humming (2); Rhodes, Prophet-5, Hammond Home Organ (4); Celeste, Prophet-5 (6); Rhodes (8); pump organ, Hammond Home Organ (9)
Matt Penman, bass
Eric Harland, drums

1 Coax
2 Polliwog
3 Bijou
4 Chronos
5 Star Crossed
6 1981
7 I-10
8 Unravel
9 If By Air
10 Low Fives
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする