

「白鯨との戦い」というタイトルだったから、白鯨とどう戦うのかと思って買ったのだけれど一寸違った内容だった。
映画の公開も近いようで、その映画の邦題をそのまま本のタイトルにしたようで、翻訳者の相原さん(コーンウェル検屍官・シリーズの訳者)は納得していたのだろうか。「IN THE HERT F THE SEA」が原題だからどのようなタイトルがいいのか聞いてみた。
メルヴィルの「白鯨」生まれる元となった海難事故の史実をつづったもの。昔から漂流ものは好きだったけれど、たいていはヨットなどが転覆して救助されるまでのサバイバルものだった。こちらは1800年初頭のナンタケットの捕鯨船の事故の話だけれど、鯨が悪意をもって船に体当たりをし、3隻のボートで漂流する話。
舟を執拗に追い回す鯨がいたのかと思ったらそうでもなくて、最後のほうは壮絶なことになっていくからかなりつらかった。
と言うことでそちらにはふれないで関係ないところをちょっと。
ナン太ケットには船酔いに確実にきくとされる方法がある。気の弱いものにとっては、船酔い自体よりこの治療法のほうがおそろしいと感じられるかもしれない。ひもでしばった豚の脂身をのみこみ、ひもをひっぱてそれをひきあげるのだ。症状がおさまらなければ、また同じことをする。
悪夢の前の悶絶。