
面白そうなので図書館に予約して、半年たったら順番が廻ってってきた。読みたけれすぐ買えばいいけれどハード・カバーは扱いが大変だから、よっぽどでなければ買わない。
読み始めたらこれが面白い。今途中のベストセラー・ミステリーがページが進まないのがウソのように読みやすい。
ディアトロフ峠事件とは1959年2月2日の夜、当時のソ連領ウラル山脈北部で雪山登山をしていた男女9人が不可解な死を遂げたことで知られる事件である。
この本は、なぜ野外活動の経験豊富な男女9人が、零下30度という状況で、まともに服もつけずテントから飛び出し、確実な死に向かって1キロ半を歩き続けたを、アメリカのドキュメンタリー映画作成者が追求し、驚くべき結果が・・・という本。
極寒の状況で服を脱いでしまう現象は、本で読んで理解しているけれど、驚くべき結果とうのに惹かれて読み始めました。
これが読み始めたらとまらない、事件は1959年2月2日に起こったわけだけれど、このグループが準備の段階の同1月からの彼らと、遭難後の捜査隊の模様の2月中からの部分と、著者がこの事件を取材、検討する2012年のながれが、交互に書かれていて、さすがドキュメント映像作家と思う。
読み進んでもなぞは深まるばかりで、これはUFOの地球来襲としか思えない展開で止まらない。
もうほとんど最後になってやっとキーワードが決まるのだけれど、それはここでは書けない。
最後にこの隊の最後を再現するところ、強い意志の若者たちの無念が明らかにされ、それを突き詰めた著者には作家以上の尊敬が値すると思った。