佐藤允彦氏の新しいアルバムがあった。タイトルをみたら”Pajjdium Explosive”とあったので即買いに決めた。代官山のジャズ・バー「Lezard」が30周年を記念してピアノを入れ替えた。そのピアノの選定にかかわったのが佐藤允彦氏。低音が伸び、高音が輝くピアノは、アルバムを作らないわけにはいかないと決めた。そしてできたのがこのアルバム。
そして演奏されているのが
氏のオリジナル7曲とモンクの1曲とラベルに2曲。これもどれも思い入れのある曲だとわかる。
として1曲目が「Palladium-Explosive」。このあアルバムの即買いを決めたのもこの曲のため。
60年前にダウンビートの留学生奨学金の為に作った「パラジュム」は帰国後のデヴュー・アルバムのタイトル曲にもなった。
以来佐藤といえばこの曲が付いて回って、憂鬱になったという。といっても佐藤というとやっぱり「パラジウム」を私は思う。(そう思う人の年はしれるけど)
佐藤允彦氏がバークリーから帰国したのは1968年、28歳でデヴュー作「パラジュム」をベース荒川康男(30歳)ドラムス富樫雅彦(29歳)と3月に録音した。
当時まだ、ジャズ・クラブなどいけない小僧だったこちらは、このトリオを慶応の三田祭の教室できいた。”パラジウム”強烈だった。荒川康男のベースを聴いて、こんなうまいのが日本にいるのかと思った。
そして数十年、もう一つ驚くのが、この荒川康男は一緒に三田祭に行った、私のクラスメイトの義兄になってしまったのです。そんな縁でこれまたクラスメートが叩くドラムスの相棒をしてくれたりしたことがありました。
思いで話が多くなってしまいましたが、曲の方はその爆弾を含んだ1曲目、爆弾をもった” Palladium-Explosive”こちら、どこが爆弾だかはちょっとわかりませんが、久しぶりの曲がさく裂、83歳の佐藤氏は日本のジャズ・ピアニストのほとんど真ん中の人です。
曲の方はHarvey Masonとの想い出の「Salamander」、Dave Liebmanとの「Moth Ball」、Eddie Gomezとの「風紋」、横浜Jazz isでの「Epistrophy」彼の演奏での良い思い出の曲が綴られます。
佐藤允彦がアルバムを通じで崩さない、その曲を振り返るようなアルバムになっていると思います。
佐藤允彦さん82歳をこえ、このような充実したアルバムが作れて、日本ジャズへの貢献54年をこえて素晴らしいとおもう。
Pajjdium Explosive / Masahiko Satoh
佐藤 允彦(piano)
Recorded on January 9, 10 & April 3, 2023 at LEZARD
Mixed at Studio 246
1. Palladium-Explosive [佐藤允彦]
2. Salamander [佐藤允彦]
3. Distant Shimmer [佐藤允彦]
4. Epistrophy [Thelonious Monk]
5. Lazy Spring [佐藤允彦]
6. Moth Ball [佐藤允彦]
7. Inspired by Habanera [Joseph Maurice Ravel]
8. Inspired by Pavane [Joseph Maurice Ravel]
9. Bamboo Shoots [佐藤允彦]
10. 風紋 - Fuumon - [佐藤允彦]