Uri Caineがアコーステック・ピアノでJAZZすると芯のある、形がしっかりしたJAZZになると思います。
1998年のトリオのアルバムがいいと思っていましたがP・フレスとのDOUも素晴らしかった、ただクラシックみたいなアルバムもあるので全てをチョイスとは行かないところです。
http://blog.goo.ne.jp/monakasm/d/20070906
中古屋さんにUri Caineの日本でのデビュー・アルバムがありました。1992年録音のアルバムです。
解説の出だしが“ユリ・ケインって誰?ユリ・ゲラーなら知っているけど。”でした。好きですねこのふざけ。
そんなUriはこのとき、すでに37歳、もはや実力者の感じが初々しさと混ざり合って、普通のデビューアルバムとは違って感じます。
スフィアとモンクのミドルネームを付けたアルバムは、しかしモンクにとらわれない、とてもモダンでモーダルなピアノです。
1曲目ドン・バイロンのクラの音には驚きますが、その後ピアノソロは、今のUri・Caineとは少し違って、マッコイ・タイナーを彷彿させる音が流麗で、このまま通してくれてもと思うようなソロです。そしてトリオアルバムでも付き合うR・ピーターソンのドラムスが終始締りある、あおりを入れています。
2曲目もオリジナルで、ラルフのドラムスとアンソニー・コックスのベースのピアノトリオ、ドラムスは凄いし、ピアノも溢れ出る音が余計なものがないモーダルなシャワーのようです。
3曲目はゲイリー・トーマスのテナーとグレアム・ヘインズのペットが入るカルテットです。いま聴いてもアグレッシブな演奏ですが、このフロントの人は現在何をしているのでしょう、良い演奏です。
4曲目は何かと思ったら“Round Midnight”でアブストラクトなアプローチも悪いとは思いません。
5曲目は一転して思索的なピアノトリオ、このような演奏だけをするプレーヤーは沢山いつでしょうが、ケインの凄いのは、ここから多くの要素をならべていけることです。
6曲目は“ジェリー”という曲でジェリー・ロール・モートンを思っての曲でしょうが、クラリネットの古典的なポルガみたいな演奏が突然グシャグシャになったり、戻ったり、冗談みたいな、ないような、ここまでやります的ですが、演奏はしっかりしていて面白い。
7曲目はG・トーマスのいきなりのソロからはじまる“JUST IN TIME”ピアノの疾走感はJ・カルデラッツオを思い浮かべます。どっちが年上だっけ。アンソニー・コックスのベースソロが良い。
8曲目は尊敬するモンクの曲“WE SEE”はピアノトリオでモンクのエレメントを取り入れながら、モンクではないハーモニーで、モンクに向かっているところがなかなかです。
9曲目はペットとテナー入りのカルテット、ハード・バップを進めた形態で、この時代の演奏ですから、当時かなり凄い演奏になっていると思います。昨日の演奏といってもおかしくないほどモダンです。
Uri・Caineだと、まずほめなっくっちゃみたいなところがあります。全てのアルバムがいいというのではありませんが、私は上手い具合に良いとこばかりあたってます。今回もキラキラした昔を聞きました。
Sphere Music/Uri Caine
Uri Caine (P)
Graham Haynes(Cor)
Don Byron(Cl)
Anthony Cox(B)
Kenny Davis(B)
Gary Thomas(Ts)
Ralph Peterson(Ds)
1 Mr. B.C.
2 This Is A Thing Called Love
3 When The Word Is Given
4 'Round Midnight
5 Let Me Count The Ways
6 Jelly
7 Just In Time
8 We See
9 Jan Fan
好きです。
これ、国内盤だったとは知りませんで、驚きですね。
ということで、僕のは記事というほどのものではありませんが、一応、TBさせていただきます。
私もガンガンやっているのが好きですが、マーラをアレンジしたのには驚きました。